両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 水温低下時の引き出しその4-3

 仕掛け全体の中で道糸との連結より下にあるハリスと針・餌の部分の話を続けてきましたが、その部分だけで低水温に対応出来るとは思っていませんが、引き出しの1つとして用意出来たとすると、次の引き出しには何が入っているのでしょう。


 当然道糸部分に話が進まなければならないと思いますが、単純に道糸を細くした場合に何か変化はあるのでしょうか。


 道糸が細くなると水との抵抗が減ります。その結果としてどこに変化が起きるでしょうか。
 1つは浮きが立つ動作が素直になることでしょぅか。浮きが立とうとする動作エネルギーを道糸にかかる水の抵抗、この場合の抵抗は道糸に掛かる表面張力ですが、まとわりつくような水の抵抗によって滑りが悪くなります。そのまとわりつくように掛かるブレーキは道糸が細くなる事で抵抗が減り、結果として浮きが素直に立つようになります。
 また抵抗が減りますので、オモリの沈んだ位置へスライドして行きやすくなりますので、穂先と道糸の弛みも取れる事になります。


 また水の抵抗が減ることによって仕掛け全体として素直な沈下になると考えられます。素直な沈下はとても重要な事で、ヘラブナに対するアピール度は断然増していきます。これは渓流釣りでの鉄則でもあるのですが、水の流れに対して如何に素直に餌を流すかが釣果の差になります。水の抵抗によって不自然な流れ方をすると、目の良い渓流魚は全く餌を食べようとはしなくなります。
 ヘラブナとて同じ事で、自然落下する餌には興味を持ちますが、不自然に落下する餌は危険と察知して逃げるか、全くの無視を決め込んでしまいますのでアピール度は減ってしまいます。反対にヘラブナが活発に動く時期にアピール度を増してしまうと、底まで餌が保たない事になりますので、不自然な落下を演出すれば良い事になります。


 自然落下を演出するには、道糸を細くするだけでは成立しませんよね。当然オモリも軽いものに変える必要があり、自動的に浮きも繊細な浮きを使う必要が出てきます。
 良く当たりや触りが出ないときは、細い浮きに変えると良いと言われますが、浮きが細くなる事で浮きに掛かる抵抗が減り当たりが出ると考えるよりも、オモリが軽くなったために餌の落下速度が遅くなり、結果としてヘラブナに対するアピール度が増した事によって、触りや当たりが出ると解釈した方が良いと思っています。


 このように仕掛け全体を繊細にする意味合いには、このような自然落下の演出によってアピール度が増していることになると私は解釈しています。


 この自然落下はとても重要な事で、ハリスの項でも述べましたが、徐々にハリスを長くする事でも自然落下を演出する事が出来ると思っています。


 ただ何度も申し上げましたように、時期やヘラブナの活性などを見極めて対応する事が出来なければ、道糸を細くしたり浮きを軽くしたりすることは逆効果となりますので、何が何でも細くすれば良いというものではないと思っています。
 ジャミなどが活発に動く時期に、仕掛け全体を繊細なものにしてしまことによって、浮きが全く落ち着かない事が起きてしまいますので、繊細さを優先するのは時と場合によるのではないでしょうか。


 これから水温の低下が日に日に激しくなっていきますが、どこのポイントでパイプトップからムクトップに変更するのか、パイプトップも太いタイプから細いタイプに変更すべきか、あるいは反対に寒いからこそ太目のパイプにするなんて手もあるわけですから、一元的な見方は失敗の原因となってしまいます。


 色々な引き出しを用意して、その中からどの引き出しを開けて何を採用するかは、釣り師の肌感覚でしか無いのかも知れません。
 残念ながらその肌感覚は説明のしようがありませんので、経験を積む以外ないと思っているのですが、毎日違う姿を見せるヘラブナ相手に、コレが正解とはなかなかいえないのも現実の事でしょう。


 あの人は良く釣ると評される人は、色々な引き出しを開けて対応しているに違いないのです。昨日も今日も同じ仕掛けに同じ餌では、結果相手任せでヘラブナのご機嫌次第となってしまいますので、その日によって極端な釣果の差が出てしまうことになります。
 昨日釣れたから今日も釣れるなんてことは無いと思っていますが、その日釣り始めてからヘラブナのご機嫌を感じ取り、今は何をすべきかをいち早く知る事が出来れば、良い釣果に繋がると思います。
 そうそう午前中は駄目だったけど午後からは釣果が伸びたという人は、必ず何かをしているはずです。それが出来てない人は残念な日となる事でしょう。


 仕掛けの考え方として縷々書いてみましたが、次は道具に移っていく事にしましょう。誰しもヘラ竿の違いによって釣果が変わるなんて思ってないと思いますが、私的には竿を交換するだけで釣果が違うとも思っているのです。
 そんなバカな!と言われそうですが・・・・さてどうでしょう。