両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 両うどんの底釣り ヘラブナ釣りのハリスの段差

 ここで書く内容は、あくまでも両うどんの底釣りの話ですので、宙釣りには全く当てはまりません。その前提に於いて話を進めて参ります。


 ハリスの段差上針と下針の段差は何㎝でしょうか。平均6㎝が多いように思うのですが、3㎝でも10㎝でも良いと私は思っています。
 仮に上針トントンで釣っていたとしますと、餌の位置は6センチ段差の場合は4㎝程度のズレしかありません。3㎝のズレだとすると上針の直ぐ横に下針があります。
 これは下針が先に着底してから上針が着底しますのでどうしてもその差は縮まってしまうのです。


 また上針の短スはある程度ピンと張っているのですが、下針の長スは多くの場合ピンと張った状態では着底しません。
 仮に振り切りで仕掛けを振り込んだとして、餌が一番遠くに飛んでいる状態ですよね。その次の動きはオモリが沈んでいきます。
 仕掛けは穂先に括り付けてあるのですから、仕掛けが前方に引っ張られることは起きません。当然浮きが立つための条件としては、オモリが沈んで仕掛けが浮側に戻ってきて浮きの浮力と釣り合った状態で浮きが立っているはずです。
 つまり両うどんの底釣りの場合は、宙で釣っているわけではありませんので、餌が着底した段階で浮きが立っているはずです。


 もう一度動きとして追っていきますと、一直線になった仕掛けからオモリの沈下が開始します。その場合浮きが支点となって仕掛けが扇状に竿先側に戻ってくるのですが、オモリが浮きの真下になってから浮きが立ち出すのではなくて、オモリの沈下途中に浮きに対して重量が伝わった段階で浮きは立ち始めます。
 ある一定の位置に達すると浮きの浮力によってオモリの沈下は遅くなります。その時の針の状態は、オモリに引かれながら落ちていきますが、オモリの沈下が遅くなった段階で、餌の付いているハリスが孔を描いて沈下して行きます。
 オモリに引かれた餌はオモリの引っ張りから解放されて、次は餌と針の重さで沈下を開始しますが、オモリに近い短スから先に沈下します。但し短スの餌とオモリの重さでもまだ浮きの浮力が勝っているので、釣り合った段階で一旦止まってしまいます。今度は長ス側が短スを追い越して着底しその重さが浮きに伝わり最後に短スが着底します。
 浮きの浮力とバランスが取れていたはずのオモリですが、そこがまさに餌落ち位置での床取りだったはずですから、餌と針の重さが加わって浮きになじみ巾として現れることになります。


 文章で書くとややこしい随分長文になってしまいますが、至極簡単な動作理論となります。その動作を再度認識することで、長ス短スの位置関係が理解出来てくるはずです。


 長ス短スの段差は、水深と餌と針の重さによって着底する位置巾が違っているという事です。


 長スの孔を描くそのカーブの深さによって位置がズレるということです。また同時に孔の出方つまりハリスの太さによって着底位置が変わってしまうのですが、ハリスに弛みが多くが出てしまうことがあり、当たりを消したり小さくなってしまうことがあるということです。


 そうなるとやはり段差はそれ程付けない方が安全だとの理論が成り立つはずです。


 単純に段差は小さい方が良いのかとなると、そうは行かないのがヘラブナ釣りではないでしょうか。
 その証拠に短スでも釣れますが圧倒的に長スの方に食ってくるはずです。ということは、ヘラブナにとっては、短スより長スの方が食いやすい餌の状態であることを意味するはずです。


 ではどうして長ス側の餌が食いやすいのでしょうか。


 1つは安定した位置にあることではないでしょうか。ここで段差の底釣りとの違いを少し継ぎ足す必要があるでしょう。
 段差の底釣りは言わずと知れた長ストントンの位置にあり、短スが宙に浮いている状態ですよね。その短スの団子餌がばらけて落ちることで、底にある食わせ餌を食わせようとする釣り方です。そういう意味ではバラケ餌に重点が置かれていると思うのですが、両うどんの底釣りの場合は、そのバラケ餌は存在しませんので、両うどんのまぶし粉による誘因以外ないはずです。
 両うどんですから長スの餌と短スの餌は同じうどんですし、基本的に同じまぶし粉を使っています。そうなるとヘラブナにとってはどちらを食っても良いはずです。にもかかわらず長ス側に食ってくるのですから、そこにはヘラブナなりの意味があると考えるのが妥当ではないでしょうか。


 その答えの1つが、長スの餌は短スのように餌がハリスに引かれることなく、安定した状態で底に横たわっている事だと思うのです。この状態を意識して作り出す釣り方としてあるのが浮き下を伸ばしてズラシ巾を取る方法です。いわゆる共ズラシ状態ですよね。カラツンだったりすると一番にする対処方法が共ズラシですが、これこそヘラブナに食いやすい状態を作っていることになります。


 そういう意味で長スと短スの段差が極端に短いのは釣れ難いとの結論に達します。


 では極力離した方が良いのかとなるのですが、先の書きましたように弛みがでる可能性が高いために、結果として当たりが多かったとしても浮きに出る反応が極端に小さくなったり消えてしまう事となるのです。


 難しくなってきましたね(笑)。段差は少ないと食ってくれないし段差が長いと当たりが出ないのですから、いったいどうすれば良いのだ!となるのですが、実は答えは無い!ってのが結論となってしまいます。それこそなんのこっちゃ!ですが(笑)。


 その釣り場の水流の有る無し、波除けバイブなどが設置されているかどうかで、浮きの安定度合いも違ってきます。


 つまり釣り場によって的確な段差には違いがあるということになるはずです。また同時に食い気があるのか無いのかによっても違ってきます。今日の釣り場の今日の食い気はどの程度の段差が正解なのかを、実は両うどんの底釣りでも確かめる必要があると思っています。


 これは宙釣りをされるヘラ師なら当たり前のことで、同じ釣り場でも日々確かめながら釣っておられるはずですが、両うどんの底釣りの場合は、案外無頓着に1年を通して同じ段差で釣っておられたりします。


 夏場と冬場とハリスの太さを変えていたとすると、その着底位置も違っているのです。勿論長スと短スの位置関係も違ってしまいます。


 とはいえ、そんなひち面倒臭いことはしてられないのも事実でしょう(笑)。ってことで自分の釣り方に合った段差巾を決めることしかないのです。
 ただ餌のサイズ、ハリスの太さ、針の大きさで違いが出ることだけは意識して、ある程度柔軟性のある段差の決め方も、どこか頭の片隅に置いておくことで、釣れない当たりが出ないと嘆く前に対処の1つとなると思うのですが如何でしょうか。