両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナの餌・・・私考

 ヘラブナの餌はなにか、元々はうどん一辺倒だったように思うのですが、うどんとマッシュポテトはどちらが先だったのでしょう。私の記憶ではマッシュポテトの方が後だったように思うのですが、それ以前の団子餌は鯉用のサツマイモの練り餌(芋ようかん)だったように思いますが、50年以上も昔の話ですからいい加減な記憶です。


 さて、ヘラブナ用の餌としては、私的にはうどんですが、全国的には団子餌でしょう。その団子の主成分もマッシュポテトから麩に変わってしまっているように思いますが、食わせ餌としてグルテンが使われるようになっているのもご存じの通りでしょう。


 うどん餌でも大きく2種類あり、食用うどんは小麦粉が主成分ですが、小麦のデンプンで固まっているといえるでしょう。ういろうなどはまさに小麦デンプンを固めたものです。
 わらびうどんもデンプンが主成分であり、わらびうどん(サツマイモデンプン)、コーンスターチ、片栗粉(ジャガイモデンプン)、タピオカなどのデンプンで作ったうどんですが、食用うどんに比べるとほぼデンプン100%で固めてあるために透明感が出ます。食用うどんでも冷凍うどんは、デンプン率が高いのでわらびうどんに近い組成になっています。


 デンプンとはブドウ糖が結合して出来た多糖類になります。


 一方グルテンは、植物性タンパク質のことです。釣り餌としてはこのグルテンとマッシュポテトを混ぜ合わせたもので、その配合率によってバラケ生が高い低いとなります。
 グルテン餌は、このグルテンを食べさせるのではなくて、グルテン繊維によってマッシュポテトがばらけないための繋ぎの役割をしているに過ぎません。つまりグルテン餌はマッシュの食わせ餌と理解するとわかりやすいでしょう。


 元祖団子餌としてはマッシュポテトですが、ジャガイモはデンプンを主成分としていますが、片栗粉はジャガイモから取りますので、植物性タンパク質も多く含まれています。


 最近の主流の団子餌は、麩が主成分ですがこの麩はタンパク質を焼いて粉砕したものです。


 このように見てみますと、ヘラブナの餌の主成分はデンプンと植物性タンパク質だということがわかります。


 一般的にヘラブナの食性は、植物性プランクトンとされていますが、個人的にアオコなどを食べているヘラブナは見たこともないのですが、目撃されたことはありますでしょうか。
 海の魚などでは、海藻を食べている魚を釣り上げると、釣り上げた瞬間に出す糞を見ていると緑色だったりしますが、ヘラブナを釣り上げて緑色の糞をしているのは見たことがないのです。
 他に動物性プランクトンも食べるとなっていますが、どうも理解しにくいので横に置くとして、現実的食性はいったい何を食べているのでしょう。


 そこで集魚材として使われているものは何かとなるのですが、団子餌でもうどんのまぶし粉でも主体はペレットでしょう。このペレットは約半分が魚粉で出来ています。その他は繋ぎなどの植物性タンパク質やデンプンで固められています。
 人間的感覚では、魚粉で集めているように思ってしまうのですが、1度魚粉100%のまぶし粉を作って釣行したことがあるのですが、残念ながら芳しい結果を見ることは出来ませんでした。となると魚粉は集魚材にはならないのではないかと思えてきます。


 以前より集魚効果が高いとされていた、ガーリックやバニラなどの香り成分ですが、うどんにガーリックパウダーを掛けて見たこともあります。人間にはとても美味しそうな香りだったのですが、良い結果を得ることは出来ませんでした。
 同じようにバニラエッセンスを振りかけてみたのですが、こちらも全く良い結果は得ることは出来ませんでした。


 人間的食性とは全く違っているとつくづく感じたのですが、ヘラブナに限らず魚類はとても臭いを敏感に感じ取ることが出来ますが、その香り成分は、人間が感じ取ることが出来ない成分を臭いとして感じる事もわかっています。
 1つはアミノ酸ですが、人は舌で少し感じられる程度ですが、魚類はそのアミノ酸を何億倍に薄めた水溶液を臭い成分として感じる事が出来るのです。


 デンプンはブドウ糖が集まった多糖類と説明しましたが、人間の世界ではダイエットとして糖質を制限するのですが、ヘラブナの釣り餌はこの糖質そのものだということがわかります。
 つまり人間の感じるであろう臭い成分は、ヘラブナの餌としては意味がないのではないかと思えてきます。
 最近のグルテン餌には、臭いが付けられているものがあるのですが、単なる粉っぽい臭いのものもあります。それでもヘラブナは釣れてきたのですから、実はこの粉そのものが集魚効果があるのではないかと思うのです。


 マッシュポテトが釣り餌に使えた理由がここにあると思うのです。集魚効果と称してバニラの香りが最初に付けられたと思います。今でもその餌が売られていますが特に良い成績を上げているとは思いませんが、人間が良い香りがするから釣れると思い込んでいるだけではないでしょうか。
 まぶし粉が剥がれたうどんにしか食いつかないと以前書いていましたが、素うどんになって初めて食いつくのも、ヘラブナにとっては裸のうどんこそ求めている餌ではないかとの結論に達するのです。


 私的には、待ちの釣りが全く出来ないのですが、10分20分、場合によっては1時間も餌を打ち返さないでじーっと浮きを見つめていて、チクッと当たるのを待ち続けて釣り上げる人がいますが、まさに集魚効果などとっくになくなっているであろう裸のうどんに、ヘラブナは食いつくのですから、うどんの成分こそがヘラブナの求めている餌といえるのではないでしょうか。
 団子餌のような麩やマッシュポテトは、うどんをバラケさせた状態と同じだと思うのです。
 このように見てくるとヘラブナの食性は違った側面が見えてくると思うのですが如何でしょうか。