両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 穂先を沈める理屈

 世の中を知った気になっていますが、実は知らないことも方がとんでもなく多くて、多分私なんかは1%どころか0.0001%も充たないのですから、世の中には知らないことで溢れかえっている事になります。


 ただ実際は知らなくても大丈夫なことも多く、テレビは誰でも見ることが出来ますが、そのメカニズムを説明できる人は極限られているでしょう。実際テレビのメカニズムを知らなくてもスイッチを入れるとテレビが映ってくれるのでそれでいいわけです。スマホなんて日常的に利用していても、知らない便利アイテムが満載されているます。それこそ今のスマホは月への軌道計算をしていた初期のコンピューターより優秀なんですから宝の持ち腐れですね。


 ヘラブナ釣りでも当然知らないことの方が多くて、どうして釣れないのだろうと悩んだところで答えなんて見つけられません。色々な工夫をすることで釣れたとしても、知った気になっているだけで何も解っていないのです、その証拠に次の釣行ではまた撃沈してしまうのですからね。


 しかし単純な話としてヘラブナ釣りではどうして竿先を水に入れる必要があるかを解ってない方も案外多くいます。竿先が水面から出ていても平気でいるのです。でも竿先を入れる理由を知っていると竿先は必ず入れたくなるはずです。


 竿先を入れるのは道糸を水中に沈めるためです。


 どうして道糸を沈めなければならないかです。それを知るともっと積極的に道糸を沈めたくなるはずです。 


 それは道糸を水中に入れるのは竿を上げたエネルギーが針先まで伝えるためです。


 原理としては池の水がエネルギーの分散を防く役割をしているからです。


 水道のホースで水撒くのと同じで、ホースから出た水は勢いを失し弧を描いて落ちます。少々水圧を上げたとしても水の到達地点がやや伸びる程度です。しかしホースを伸ばすだけで水の到達地点は遠くになります。それは蛇口から出た水の勢いがホースによって保たれ、水の押し出しエネルギーが分散されずに長いホースの先まで届くからです。


 仮に圧力損失などを無視したとして、家庭用の水道水はホースを100m伸ばすと100m先で水が出ますが、ホースの先から出た水は決して100m先までは届かないのです。


 当たり前といえば当たり前ですが、このホースの役割をしているのが池の水です。仕掛け糸の周りに水があることで道糸の周りを包むようにしているため、合わせエネルギーが分散することなく針先にまで伝わります。そのため30尺の長尺でも小さく合わせるだけで針をフッキングさせる事が出来るのです。


 また道糸が途中で水面に出ていると、その部分で合わせエネルギーが遮断されてエネルギーの分散が起きます。つまりその部分で高切れを起こしてしまうのです。


 このことを知るだけで道糸を水中に沈める重要性が理解できると思うのですが、そのために竿先を水中に深く入れれば入れるほど道糸を深く入れることが出来ます。


 ただ穂先を深く入れれば入れるほど、水の抵抗が強くなりますので水切れが悪くなってしまいます。硬質な竿を使えば使うほどその抵抗値は上がってしまいます。いわゆる水切れの悪い竿となるわけです。


 水切れの悪い竿を使っていると合わせにチカラが必要になりますが、水切れが良ければ軽いチカラで合わせられます。但しここでの誤解は水切れが良い竿とは穂先が細い竿で水を切っている訳でもないのです。穂先は少々太くても全く関係なく、竿全体か少なくとも穂先と穂持ちが柔軟であれば、簡単に水が切れますので軽く合わせる事が出来るのです。


 つまり合わせ動作をするとは、竿先で水を切っているのではなくて、竿が曲がることで竿そのものは曲がりますので、穂先は手前に抜くように移動しているからです。
 これも水の抵抗を考えれば簡単なことで、竿先を水中に沈めようしても水の抵抗があるため簡単には沈みませんが、沈めた竿を手前に引くように抜くのは殆ど抵抗を感じないはずです。


 この抵抗の減少こそ水切りの良い竿と悪い竿の違いで、硬式で穂先や穂持ちが硬い竿は水切れが悪いのです。但し簡単に解消するには穂先を深く沈めなければ軽い合わせが出来ます。但しそうすると道糸が上手く水中に沈まなくなりますので、沈めるように竿操作をするか沈む道糸を使う事で解消します。


 この点を理解するだけで常に道糸を沈めるようになると思うのですが・・・これで穂先を水中に入れる事に繋がります。決して穂先が水中から出ているのは良くないのです。


 但し例外はあります。穂先から浮きまでの距離が短いチョウチンの釣り方をしている場合は、水面に出ていても宙釣りならそれでいいですが、底釣りの場合は穂先を沈めます。それは誘い方に繋がるのですが、底釣りの場合は縦誘いは禁止で引き誘いしか出来ないからです。


 道糸が水面に出た状態では引き誘いが出来ず、針が底を切ってしまいますので底釣りとしては違反になりますので、チョウチンスタイルでも底釣りの場合は道糸を沈めるようにしましょう。


 高切れをよくする方は道糸が浮かんでいる場合が多々ありますので、積極的に道糸は沈めるようにしましょう。


 どんなことでも知ることで理解が深まりますが、やはり知らないことの方が多いですよねぇ。知った気になっている事が失敗に繋がりますから、出来るだけ知りたいと思ってしまいますが、それもいつもいつも釣果が良ければそんなことも思わないのでしょうが、良くないからなんで?なんで?となってしまいます。