両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 うどんが餌になる不思議

 ヘラブナの多くは我先に食ってやろうとするような食いしん坊ではなく、何故かたっぷりの餌は食べようとしない奥ゆかしさがあります。これはいったいどうしたことなんでしょうね。
 ハッキリ言いまして知能がそれ程高いと思えないヘラブナが、どうしてまぶし粉たっぷり付いたうどん餌を食べに来ないのか、餌の塊である団子をどうして食べないのでしょう。
 ヘラブナに限らず、多くの魚類には満腹中枢がありませんので、口からはみ出すほど食い続けるものです。そんな食いしん坊の魚たちがどうして釣れないのでしょうね。


 最近団子餌の場合は、マッシュより麩が主体となっています。その方がよりバラケ易くて寄せ効果が高いと思われますが、同時に軽い餌の方が食いが良いとの見解のようです。軽い餌の方が良いとの基本的考え方とは、ヘラブナ自身の餌を捕食(吸い込む)する力が小さいとの考え方のようです。
 そういう意味では、実際に食っているにもかかわらず浮きに当たりとして出ないことも多々ある可能性はありますが、もしそれが正解だとするならば、グルテンやうどんでどうして釣れるのでしょう。


 団子餌を主体に使っている方は、うどんなんかで釣れるとは到底思えないでしょう。私も子供の頃から鮒釣りはうどんのものと思っていましたので不思議ではないのですが、釣れる理屈は知りません。うどん以外は赤虫を餌として池や川で釣りをしていました。
 この時は真鮒が主体であり、オイカワやモツゴ相手の釣りですから、そんな神経質になることもなく、それなりの釣果があった記憶があります。
 春になると池の葦が揺れていると頃を見つけると、その中に鮒が入り込んでいる証拠ですので、浮きの下直ぐにハリスを結び、浮き下即ハリスですから30㎝程度の深さを釣っていた記憶があります。
 浮きに出る当たり方は沈むというより横に5mmから1㎝程度フッと揺れる当たり方で、30㎝程度の真鮒が釣れて来たのですが、こんなことは大昔の淡い記憶があります。


 もんどりという器具はご存じでしょうか。昔はガラスで出来た小魚を一網打尽にする容器で、中には米ぬかを煎って香りを立たせたものとさなぎ粉そして小麦粉を混ぜて団子にするのですが、それをもんどりの中に入れて小川に沈めておくと小魚が大量に採れたものです。今では使用禁止になっているはずですが、団子が徐々に溶けて流れ出し、その流れ出す餌を求めて入り込んだ魚を捕る仕掛けです。
 このように魚たちは、川や池で漂う餌に惹かれて集まる習性があるわけです。


 この習性はヘラブナも同じですから、ヘラブナの好む餌によって集まってくるはずです。にも拘わらずその臭いの元にある団子の塊や、まぶし粉のいっぱい着いたうどんを食べようとしないのです。


 この大前提を知っているかいないかで、ヘラブナに対する攻め方が自ずと変わってくると思うのです。


 団子は夏の餌でグルテンは冬の餌といわれていると思います。団子は集魚効果も高いはずですが、そのまま団子の餌を使っていると、回りに漂う餌ばかり食べてしまい、針の付いた団子を食べようとしないのです。
 活性の低い冬場は、余計にこの傾向が強いために、団子の餌では冬の釣りが成立しないことになります。
 グルテンの場合は、集魚効果は低いですが、団子に比べると回りに漂う粉状の餌が少ないために、針の付いた餌に寄ってきて思わず食べてしまうと考えられます。全くの想像ですが(笑)。


 この両方の特性を利用したのがバラグルなのはご存じの通りでしょう。


 では、どうしてまぶし粉のついたうどんを食べに来ないのでしょう。


 私は全く知りません!!
 知っている方は是非教えて欲しいのですが、真夏の活性の高い時期であれは、まぶし粉がたっぷり着いたうどん餌でも釣れてきます。まさに団子餌が成立する時期ですね。
 ですがグルテンが有効な時期は、やはりうどんからまぶし粉が完全に剥がれている必要があります。
 本来は、1年中うどん餌で釣りをする場合は、確実に剥がれる工夫が必要で、真夏だからたっぷり着けても釣れますが、釣果は剥がれている方が遙かに伸びますので、如何にまぶし粉を剥がすかがその日の釣果の差となって現れてしまいます。


 ここで先のヘラブナは吸い込む力が弱いので、重い餌は食わないの理屈が成立するとすれば、うどんでは釣れないはずです。


 私は年中両うどんの底釣りですが、うどん餌限定の釣り堀が、1年を通じて営業していますし、釣果の差はあったとしても1年中釣れ続けるのですから、餌の重い軽いは関係ないのではないかと思うのです。
 ですが、まぶし粉たっぷりの餌を食べないのは、団子でも釣れないのと同じ理屈で釣れないとしても、どうしてまぶし粉が剥がれてしまった白いうどんを、ヘラブナは食ってくるのか、いったいどんなメカニズムが働いているのかわかりませんが、結果がそうなのだから、人間側がヘラブナの嗜好に合わせる必要があるというものですね。


 剥がれやすくするための工夫は、誰でも知っているように1度に沢山のうどんにまぶし粉を着けないことです。


 時間の経ったうどんほど始末に負えないものはありません。揺すっても剥がれようとしないのです。
 基本ペレットのまぶし粉を使った餌は、そのペレットに時間と共に池の水が吸水されて、付着力を失いそこで初めて剥がれてくれます。


 そうそううどんにまぶし粉が付着する原理は、うどんの表面がある程度濡れていることが重要で、全く乾いているとまぶし粉は付着しませんが、その濡れている水を吸い付くようにしてまぶし粉がくっつきます。
 うどんとまぶし粉の付着面は、一種の真空状態が作り出されているので、簡単には剥がれることはないのですが、まぶし粉を着けてから時間が余り経っていなければ、うどんの表面にある水分を吸いきらないので、まだ真空状態となっていないために剥がれます。
 もし針に着けたうどんをまぶし粉の中で揺すって付着させ、そのまま直ぐに振り込んだとすると、まぶし粉は水面で全て剥がれてしまい、底までまぶし粉を運ぶことが出来ず、上ずり現象を誘発させてしまいます。


 このようにまぶし粉は、剥がれて欲しいが水底へと運んで欲しいと、相矛盾した現象を求める事で、その日の釣果が決まるといっても過言ではないと思っています。


 と、色々と理屈をこねるのですが、実際は思うようにならないのがヘラブナ釣りですからね。
 大いに悩んで楽しむとしましょうか(笑)


 明後日の日曜日の釣りはお休みです。天気もそれ程良くなさそうですから、諦めが付くというものですね(笑)。