両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 鈍感な浮きの薦め

 ヘラブナ釣りに於いて最終的に釣果が伸びるか減るかの重要な鍵を握っているのが浮きの動きですから、何となくのイメージですが優秀な浮きは感度の良い浮きと考えられていると思うんです。そういう意味では浮きほど重要なアイテムはないと思うのですが、的確に当たりを表現出来る浮きこそ優秀な浮きであって、感度が良いとか鈍いとかは実は意味がないと思っています。


 過去に何度か書いたことがあるのですが、1本1,000円の浮きと10,000円の浮きとでは釣果に差が出るのかどうかです。個人的な感想で申し訳ないのですが、私的にはその違いを感じたことがありません。また高価な浮きを使っている方と対峙して常時釣り負けるなんてことも起きた事はありません。


 実際浮きの価格差はどこから来ているのでしょう。装飾性でしょうかそれとも素材原価の違いでしょうか。もし銘による価格差であれば好きな作家の浮きを使われたら良いのですが、もし高価格なものほど釣れると思われているのだとすると、それは少し違うのではないかと思えてしまいます。
 いや別に作家物を否定しているわけではなくて、釣果とは特に関係ないのではと思うだけです。
 私は昔からの慣れというか好みでしかないのですが、羽根を基本材料にしているものが好きです。勿論茅素材の浮きも使うことはあるのですが、持っている浮きの中では少数派となっています。今のところバルサはイメージとして使いたくないと思っているので購入することはないのですが、別に羽根だから良く釣れてバルサは釣れないなんて事は決してないはずです。


 最近特に思うのですが、あくまでもイメージの範囲でしかありませんが、浮きのトップはパイプトップに軍配が上がると感じています。それは年間を通して同じ結果となっているのです。ただ少しだけ落とし穴がありますがそれは後半で・・・。


 以前までは冬期はムクトップを使うものだと思い込んでいましたので、冬季になるとムクトップを何の疑いもなく使い続けていました。ところが低水温時でもパイプトップでしっかりと当たりが出るのです。良くヘラブナが吸い込んだ時に感じる抵抗感が問題として取り上げられますが、その抵抗感など吸い込む前には決して感じることが出来ないのです。つまりムクトップであろうがパイプトップであろうがヘラブナの餌食いには全く関係がないはずです。


 冬期は吸い込む力が弱いから感度の良いムクトップを使うべきだとの理屈は、人間的感覚としては解るのですが、ヘラブナ自身に取ってみれば餌を食う段階で水温が低いから弱い吸い込みをするなんてことはしていないと思えるのです。我が家の金魚を見ていますと冬期は餌の食いそのものが落ちてしまいますので、量は減らしたとしても餌を食うときの吸い込み音は変わらないのです。
 金魚も同じフナの品種改良ですから食い方は同じだと思うのですが、とても強い吸い込み音を立てて食っています。ヘラブナも吸い込む食い方をしていますので、浮きにはツンとした当たりが出るのですが、その力は水温な関係ないと思えるのです。


 ということは敏感な浮きは食い当たり以外の余計な信号を表現して、的確な当たりを捉えるのには適してないのではないかと思えるのです。それより少々鈍感な浮きを使うことで本当たりだけを表してくれると、カラツン率も減るのではないかと思えてしまいます。


 そこでカラツンに対する考え方ですが、間違いなく食っていると思えるような当たりでもカラツンになってしまうことがあります。その場合に敏感な浮きに交換したとしても結果は変わらないことが多く、実際は何ら違いは出ないと思うのですが、カラツンがスレなどの他の当たりの場合は別として、食い当たりでもカラツンとなる場合は単にヘラブナが餌を食った瞬間に吐き出しているに過ぎないのです。この速度はとんでもなく速くて当たりが出てから合わせていては全くの手遅れです。反対にいうと人間業では決して合わせる事が出来ないほどの速度で吸っては吐き出してしまっています。
 これを防ぐには浮きの感度は全く関係なく、どちらかというと餌に問題がある場合が多いと感じています。


 私のようなうどん釣り師では釣行日のうどんに問題があった場合対応の仕方はとても少なく、単純に小さなサイズにする以外ないのですが、うどん餌でカラツンに泣かされている人は、その日は1日中カラツンに見舞われてしまっています。
 団子餌やグルテン餌でもカラツンが出ますが、この場合もサイズを極力小さなものにして、違和感なく食わせる事でカラツンが減ります。うどん餌では出来るだけ柔らかく作ることで減る傾向にあります。


 カラツンは浮きの影響より餌の問題の方がとても大きいと感じていますので、カラツンに悩まされている方は餌の工夫をすべきだろうと思います。


 しかし高価な浮きを使われている方は高切れした時はハラハラするんでしょうね。回収に躍起になったりすると思うのですが、私のような安価なものばかり使っていますとそれほど大変なことが起きたと感じないので、トップが折れようが高切れしようが悠然と構えていられますので、精神衛生上も安価な浮きを使うべきだろうと思えてしまいます。
 まっこれも小市民的感覚ですから裕福な皆さんは高価な浮きを使って、高切れやトップを折っても平然とてまた高価な浮きを求めて戴きますと、浮きの制作者の生活も安泰となるのは間違いなしです。


 しかしホントにトップの太い鈍感な浮きは良いと思うんですよ。


 あっ最後に感度の悪いいわゆる鈍感にな浮きの落とし穴です。それは比較的軽い団子餌やグルテン餌を使って底釣りをする場合です。感度が悪いということは浮きの浮力が強いことを意味しますので、何となくのなじみ巾が出ているのに餌が着底していないのです。この判断をするにはやはり敏感な浮きが必要になります。
 団子餌で上手く当たりが出せない場合は一度試して頂きたいと思います。