両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 香り成分・サナギとバニラそしてニンニク

 いつものように両うどんの底釣りから話を進めますが、団子餌やグルテン餌ばかりでヘラブナ釣りをされている方にとっては、うどんで釣れること自体が理解できないかも知れませんが、うどんそのものを積極的に食わせるところに両うどんの底釣りがありますので、誤飲を誘発させる段差の釣りに使ううどんとは根本的に違っています。


 例えば段差の釣りで使われているサナギ漬けのうどんがあります。通称サナ感ですね。両うどんの底釣りではサナギを使うことはないのですが、仮にまぶし粉としてサナギ粉を使ったとしても、サナギは軽く油を含んでいますので上ずらせるだけで、底に着底しているうどんを食わせるのは至難の業となります。


 不思議なことですが上ずらせなかったとしてもサナギをまぶしたうどんでヘラブナは釣れないんです。コレはいったいどうしたことなんでしょう。
 その昔野池などでマブナを釣るのにうどんにサナギ粉をまぶして釣っていましたが、食性の違いでしょうかヘラブナで良い状態を経験した事がありません。勿論多くのうどん釣り師はサナギ粉は使ったりしないのですが、団子餌にサナギ粉が混ざっているタイプがあります。私の使い方に問題があるのかも知れませんが、決して良い成績を残しているとも感じないんですよね。


 サナギには集魚効果が高いとされているのですがどこまで本当のことなんでしょう。なんとなくそういうものだとして子供の頃には使っていたのです。その経験があったがためでしょうか。黒鯛釣りを始めた頃は何の違和感もなくサナギを使っていました。京都や福井の日本海で黒鯛用として撒き餌が段ボール箱に入れて売られていたのですが、主成分は単なる赤土ですから今では禁止されているところが多いと思いますが、なかなか有効な撒き餌で磯は勿論のこと筏での団子としても使えていたのです。
 その赤土にはサナギのミンチが入れられていたのですが、刺し餌も丸サナギで水に沈むタイプを選んで針に刺していました。


 撒き餌がサナギ入りの赤土で刺し餌がサナギそのもので、コレの餌の組み合わせで結構黒鯛が釣れていたのです。特に餌取りにとても強いサナギでしたから当たりがあればほぼ黒鯛で他に餌を取るのはフグ程度だったはずです。オキアミやシラサエビエビそしてアケミ貝では餌が保たないときでも、サナギを餌にしているとターゲットを絞った状態で釣れていたのです。


 いってみれば海でも淡水でも有効なサナギとのイメージがあるのですが、本来動物性食ではないヘラブナにも有効な代物なのかどうかは疑問が湧きます。しかしどうして団子餌には強い臭いを付けているものがあるのでしょう。手についた臭いが少々洗っても取れないんですよね。私的には手荒れがしやすいのもあってゴム手袋をしているのですが、素手で団子を作っていると嫌になるほど強い臭いで、少々洗ったとしても全く臭いが取れずに閉口してしまいます。


 両うどんの場合に積極的にうどんを食わせるとしてもまぶし粉が集魚材として利用するのは間違いのないところです。その集魚材が軽いと上ずらせてしまって底釣りが成立しません。そこで多くの方は圧倒的に重さのあるペレットをまぶし粉として利用しています。


 ペレットの集魚効果はどの程度あるのか解りませんが、先ずは臭いによる集魚効果が期待されているのでしょう。事実水に沈むペレットをまぶして釣っているとしても、そのペレットの附着の仕方が悪いと簡単に上ずらせてしまいます。上ずると言うことはペレットにもしゅぅぎょこうかがある事を意味するのですが、それは日々釣り堀で餌として撒かれているのも理由ではあるのです。


 そこでペレットの集魚効果を高める方法としては微粉末にする事です。微粉末のために簡単に漂い匂いが広く分散してくれるからですが、この匂い物質が多ければ多いほど集魚効果は高められると同時に、集めすぎてしまって釣りにならないなんて事が起きてしまいます。そういう意味では何が何でも集めれば良いというものではないと考えています。
 その為にある程度の集魚効果が出たあとは、ペレットサイズを徐々に大きくして集めすぎないような工夫をします。そのことでペレットも漂わずに素早く沈下してくれますので、上ずりを押さえることが可能だと考えています。


 また香り物質としては昔からバニラやガーリックも使われていのした。私の経験では決して有効な匂い成分とは感じませんでした。やはり匂い成分の中にはペレットに使われている成分を1つを多く配合するだけでいいように感じています。それは果たしてどの成分が良いのかは色々とあるでしょうが、一つは主成分である魚粉です。お好みも焼きやラーメンに入れているような粗い魚粉では無くもっと微粉末の魚粉が釣具店で売られています。それもヘラブナ用の餌コーナーでは無くて、海釣り用の餌コーナーにありますので試されては如何でしょうか。
 実は団子餌にもこのペレットの微粉末を混ぜて集魚効果を高める方法があります。元々ペレットが主成分の団子餌が売られているのですが、自分でその分量をコントロールして独自の団子餌を作るのも面白いと思います。そうそうグルテンにも少し混ぜで集魚効果を高める方法もあります。
 とはいえ実は・・・私は匂い物質を使っていないんです。それは寄り過ぎを防ぎたいからです。


 冬期の厳寒期なら別ですが水が温む季節に入ってからは、寄りすぎによる弊害を感じるようになっています。以前の私のブログでは寄せて寄せて寄せてしまおうとの提案でしたが、寄りすぎによる弊害をこの時期は特に感じるようになっています。
 それは水温が安定しないことと水温が層に分かれている場合が多々起きているからです。その結果中層をポイントにする場合は別ですが、両うどんは底釣りと決まっていますので底で食わせなければなりません。ところが水温が層によって分かれている場合は、ヘラブナの快適温度に留まってしまってもう1段階底に潜ってくれないんです。
 その原因のひとつが中層に漂う餌の存在です。如何に底に餌を運ぶかが大きな課題となっていますが、うどんの場合はノリやドロで剥がれにくくしたりしますが、その結果当たりが出ない餌を作ってしまっていることになります。また団子餌の場合は中層に漂わないように締めてしまうと全く当たりが出なくなりますので、締める方法は効果的ではない事になります。


 そこでバラケ性を押さえて底にまで食いに行かなければ餌にありつけない演出をしたいわけです。しかし全くバラケないようでは集魚効果が出ませんので、いったい何をすれば良いだろうと結論が出ない無限ループに陥ってしまいます。
 つまり快適な水温の層には出来るだけ餌を置いてこないようにしたいのです。そこで重要になるのがまぶし粉の付け方剥がれ方のコントロールです。


 結果として最後の最後に取る方法は、うどんにどの程度のまぶし粉を附着させるかで釣果が決まってきますので、どの程度の量をどのタイミングで剥がれるのか、またどの程度の集魚効果を求めるのかも重要な要素となっています。
 着底した段階でうどんにどの程度のまぶし粉が附着しているのか。着底してからどの程度で剥がれるのか。その前にうどんが着底するまでにどの程度のまぶし粉が剥がれているのかです。


 結論的にいいますと、一投目から数投は微粉末のまぶし粉を使って、ある程度の集魚効果が出た段階で粒のサイズを大きくしていきます。そしてしっかり集まってからはうどんの半分にだけまぶし粉を着けてるように、まぶし粉の両そのものを減らしていくことで、集めすぎによる底釣りの崩壊を未然に防げると思っています。
 この考え方は団子餌の底釣りをする場合も同じですが、団子餌についてはまたの機会に書いてみたいと思います。


*バニラ香については面白い事が解っています。実はバニラはバニラビーンズの種が香り成分ですが、そのシードをこそぎ取るととても良い香りがします。高級なアイスクリーム等にはそのバニラビーンズが含まれていますので黒い粒が見て取れますが、多くは合成で作られた香り成分でバニラエッセンスやバニラオイルとして売られています。
 このバニラの香り成分をバニリンというのですが、母乳の成分の1つとしてこのバニリンが含まれています。その為に人間だけでなく哺乳類全般に本能的に好まれる香りということが解明されています。
 人間が好む香りなのでヘラブナも好む香りだろうと想像して、団子餌にのバニラの香りがする餌がありますが、魚は哺乳類ではありませんので好まれる香りではないと思うんですが如何でしょう。


 同じ理屈でニンニク臭についても疑問があります。人が食欲を感じるガーリック臭ですが元々ニンニクには強い殺菌効果と防腐効果があるアリインが含まれています。防腐剤の効果が強いガーリック臭を魚が好むものなんでしょうか。