両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り マゾヒストかサディストか

 最近になってつくづく感じるのですが、ヘラブナが間違いなく寄っているにも拘わらず食わせる難しさについてです。


 今までは取り敢えず寄せるべしでひたすら寄せることに照準を合わせていました。元々ヘラブナが100枚いたとしても100枚釣れることはなく、100枚いても10枚程度しか釣れてきません。その10枚を釣り上げたとしてもまた次の10枚を寄せるような、次々と寄せる数を増やしては釣り上げる事を繰り返すのですが、単に寄せることを繰り返しているだけでは釣果が上がらないと感じています。
 今までの餌に対する考え方は、集魚効果を上げるためにはヘラブナが敏感に反応する餌を探せば良いと、そればかりに興味を持って色々と調べてはそれなりに対応していたのですが、結果として寄せることが出来たとしても調子よく釣り上げられているときは良いのですが、どこかで調子を崩すと寄るばかりで当たりを出すことが出来なくなってしまいます。
 結果として寄るばかりでは釣り方としては崩壊状態となり、それ以上の釣果が望めないなんて事にもなります。


 方法論としてですが先ずスタート段階で食い気のあるヘラブナはサッサと釣り上げないことです。養殖場でもそうなのですが餌を撒いても一斉に喰い出すことはなく。先ず初めに餌を見つけたヘラブナが食いだします。その食っている音を聞きつけて周りに居るヘラブナは餌が撒かれている事を認識して、一気に食欲が高まり喰い出すようになるのです。
 その為に餌打ちをして最初に食い気のあるヘラブナを釣ってしまうと、食い気の連鎖が起きにくくて次のヘラブナの食い気を誘発できないので、出来るだけ最初に当たりを返してくれるヘラブナは釣らない方が良いと私的には思っています。
 ただ面白いことに食い気が一気に上り詰めたとしても、餌そのものを目視して食っているのでなく、取り敢えず口をパクパクとさせてそこらにあるであろう餌を食う行動に移ります。


 釣り堀の場合は餌を打つ前から目の前のポイントにはヘラブナが居るはずですが、そのヘラブナが餌を打たれた音で逃げるのか餌と認識して食い出すのかはその時の状況に寄るのでしょうが、釣り堀のヘラブナは長らく飼われた状態が続いているので、仕掛けを振り込んだ音で餌が打ち込まれたことを知り、音に続いて餌の臭いを認識してそこで食い気を出すように学習しているはずですが、同時に釣られたことのあるヘラブナは警戒心も出てしまいます。
 この餌に対する反応と警戒心とのせめぎ合いをしているはずですか、その警戒心を取り除くにはどうすべきかです。やはり警戒心以上に食欲が勝っる状況を作り出す事ですから、取り敢えずは餌を打つべし打つべしと餌打ちを繰り返します。


 水温が安定していない時期であればコレが正解だと思うのですが、水が温みだして食い気が盛んになって来ますと、打つべしを繰り返していると食い気が盛んになりすぎて、ポイントを見ていると解るのですが水面近くにまで上ずったヘラブナを見ることが出来ます。


 それ程に食い気が盛んになってしまうと警戒心は既に取れていますので、我先にと食い気が先行して盛んに口をパクパクとし出します。この状態を作ってしまうとカッツケでは鰹の一本釣りのような餌を打てば浮きを引き込む状態になってしまいます。しかし底釣りやある程度の深い層を釣っている場合は実は決して良くなくて、食い気が盛ん過ぎると打ち込んだ餌を途中で食いだして底や狙った棚まで餌が保たない状態になります。


 いわゆる底釣り崩壊状態となってしまいます。打ち込んだ餌が仮に底にまで届いたとしても、表層や中層にいるヘラブナが動き回っていますので糸ズレが頻繁に出て、浮きは上下動を繰り返して安定しないので当たりがとても読み辛くなってしまいます。結果としてヘラブナは集まっているのに食い当たりが出ないという状態に陥ってしまいます。


 浮きは動けど食い当たりが出ない。つまりスレ当たりが頻発してしまって浮きの上下動が止まらないので、よくこれはジャミの仕業だという方がいますがジャミも確かに上下動をさせる場合もありますが、圧倒的にヘラブナのスレによる上下動だと思った方が間違いないと思っています。


 さぁ大変です。この状態を修正するのがまた一苦労で先ずはヘラブナを落ち着かせる必要があります。
 いわゆる床休めをするのですがどの程度時間を掛けるかはなかなか難しいのですが、取り敢えず餌打ちを一端ストップします。釣友がいれば様子を見にウロウロするのも方法でしょう。トイレ休憩も良いかもしれませんがそれも思ったよりゆっくりと時間を空ける方が良いと思いますが、釣り座に戻って餌を打ち出すと余り時間を掛けていない場合は、直ぐに当たりが出て1枚か2枚釣れて良かった良かったとなるのですが、またまた元の状態に戻ってしまって後が続かないのです。
 かといってしっかりと時間を掛けすぎてしまうと、あれだけ集まっていたヘラブナがどこかに消えてしまって、当たりが全く出なくなりまた最初から寄せに専念しなければならないこともあります。この床休めの時間はなかなか難しいと感じています。
 実は床休めよりも有効な手段があると思っているのですが、それはまた次の機会にこの場で発表致する事と致します。


 もう一つの問題は漂う餌に興味を持たせてしまうと針に着いた餌をなかなか食おうとはしない事です。うどんのまぶし粉でも団子餌でも剥がれた餌は水中を漂います。その漂っている餌をパクパクと食い出すと塊の餌を食ってくれないんです。
 そうなるといったいどうすれば良いのだろうと悩む事になるのですが、団子餌やグルテン餌を使っていた場合は、少し締め気味餌作りをすることで漂う餌を減らすことが可能ですが、反対に一気に当たりが出なくなってしまいます。


 締めることで漂う餌が減ったことにより、はしゃいでいたヘラブナも落ち着きだしてスレ当たりが出なくなったのですが、スレ当たりだとしても餌打ちから直ぐに動いていた浮きが長めの時間を静止してしまいます。静止しているために今度は当たりが出るのまで気持ち的に待てなくなってしまいます。
 そうするとまた少し開き気味の餌を打ちたくなるのですが、それをすると元の木阿弥ですからグッと我慢して食い当たりを出すようにします。


 その1つの方法が締め気味の餌だとしても針付けてしてから団子を少し指で押さえてひび割れを作ることです。このちょっとした方法で漂う餌は押さえられているのですが、餌が開く速度を早めることは出来ますので、食い当たりを早い時間に出すことに繋がるはずです。


 ではうどん餌の場合はどうかですが、釣れないからとまぶし粉を多く着けていた場合に浮きは動けど食い当たりが出ないなんてことになりますので、まぶし粉を極端に減らすことから始めます。もう一つはまぶし粉を着けて直ぐに使わないことです。まぶし粉はうどんに附着しているのですが、時間が短いと直ぐに剥がれてしまいますのでついついドロやノリを使いたくなるのですが、それよりもホンの少し間を置くことで付着力が増して簡単に剥がれなくなります。
 但し時間が長くなりすぎると今度は簡単に剥がれなくなってしまって、この場合も食い当たりが出なくなってしまいますので、この時間コントロールはとても重要で難しい作業となります。特にドロやノリを使っていると簡単には剥がれなくなってしまいます。


 な~んて偉そうなことを書いていますが、私自身も1日7~8時間の釣り時間の中で食い当たりが頻発する時間帯があるのですが、反対にピタッと止まってしまってなかなか釣り上げられない時間も出てしまうんです。その時間を如何に短くするかが次のお話に繋がりますが、多くはお昼近くにこのような中弛み時間が訪れます。そしてランチを済ませて餌打ちを再開しても、ポンポンと釣れた後はまたまた止まってしまって改善するのがとても難しい時間帯となってしまいます。
 この時間を如何に短くするかが釣果を伸ばすポイントだと思っているのですが、なかなか上手く行かないんですよねぇ。


 アレコレと悩みながら一つ一つ解決策を見つけようとするのですが、見つかったと思うとまた次の問題にぶち当たってしまって、解決策だと思った事がまだ道半ばだったことに気づかされています。
 実はヘラブナをコントロールするよりも釣り師側がヘラブナに合わせる方が余程簡単なのですが、底釣りルールの中で解決策を見つける必要があるからこそ、難しさの中にヘラブナ釣りの面白さがあると、マゾヒストのような気持ちになっているのではと思ってしまいます(笑)。


 ん?じゃあ反対にヘラブナに襲いかかるような攻めの釣りを展開している釣り師はサディストなんでしょうかねぇ。


 あなたはヘラブナに待たされるタイプのマゾヒストですか?それとも攻めの釣りを展開するサディストでしょうか。
 何れにしても逃げ回るヘラブナを釣り上げるいるいわゆる釣り味を楽しんでいるのですから、釣り師は基本サディストである事は間違いなさそうですね。