両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 当たりが出ない出せないその時

 いつものように沖の底釣りであり両うどんの底釣り限定のお話です。宙釣りは全く別の論理になるでしょうから当て嵌まらないでしょう。


 少しずつ池の水も温みだしてヘラブナも活発に動き出しています。それを裏付けるかのように浮きに触りがよく出るようになります。ただ触りが出て今にもツンと落としそうに見えていて一向にツン当たりが出ない時があります。浮きを見つめ続けて今か今かと待っていても、いつしか触りが出ていた浮きも当たりも出ないまま静かになってしまいます。


 そんな時は一体どうすれば良いのでしょう。焦っても仕方がないのですがしっかりとした食い当たりが出ないまま触りだけが出続けていると、それらしい当たりが出たときについつい合わせてしまいます。しかしその当たりらしい浮きの動きはスレの延長戦であって、やはり決して食い当たりではないく、カラツンだとかジャミ当たりだと嘆きの言葉として聞こえてきます。


 過去に私が経験した事を少し整理してみたいと思いますが、この場合の多くはジャミ当たりでもないはずです。夏期になるとジャミも成長して活発な動きをし出しますが、その頃に出る浮きの動きは極端な上下動を繰り返すことで解ります。その中から節当たりを見つけて探りを入れるのですが、やはり食ってないのでしょう空針を引いてしまいます。


 両うどんの場合はワラビうどんを使うことが多いのですが、粘りが強くて簡単に食い千切る事が出来ません。その為に端を咥えたジャミが引きちぎろうと引っ張ることになります。その結果として浮きは大きく上下動を繰り返してしまいます。
 このように餌を咥えるのでジャミによるツン当たりは滅多に出ず、多くはヘラブナのスレ当たりと解釈した方が良いと思っています。


 浮きが大きく上下動を繰り返す場合にその動きを解消するには、随分と軟らかく煮た食用うどんを使うことで解決するのですが、柔らかいうどんで釣っていてそーっとうどんを回収すると解るのですが、うどんの周りを小さく食いちぎっている様子がわかります。ところが粘りの強いワラビうどんでは食いちぎれずに引っ張ってしまいますので浮きにその動きが伝わってしまうのです。


 しかしそんな時ですら案外ツン当たりは少なくて、ツン当たりらしい浮きの動きはスレですから合わせてもカラツンとなってしまいます。


 私的には浮きに出る最初の当たりが食い当たりであれば釣れるのですが、食い当たりらしい浮きの動きの場合はカラツンとなってしまうのですが、それは単に食ってないだけですから如何に食わせるかに腐心しなければ解決しないわけです。


 反対に浮きに出るツン当たりも1番目は捨てて2番目の当たりを合わせる方法があります。これはなかなか試練というか我慢が必要なんですが、釣り人の習性として当たりが出れば合わせてしまうんです。それをグッと我慢して2番当たりを合わせると案外カラツンが減る場合があります。
 ただ実際はそんな2番当たりを合わせるよりは、1番当たりが食い当たりとなるように工夫する事の方が解決が早く釣果も伸びます。


 では如何にして1回目の当たりを食い当たりに繋げるかですが、確かに餌打ちを開始して直ぐに浮きが動き出すと合わせを入れたくなります。またそれで釣れてしまうことも案外多いのですが不思議と後が続かないことも起きます。そんな時の対処方法は一体どうすれば良いのかと考えてはアレコレと実験を繰り返すのですが、私の場合は両うどんの底釣りですからうどん餌は変える事が出来ませんが、一番最初にすることはそのうどんのサイズを小さくすることで食い当たりに繋げることが出来るようになります。


 個人的な感覚ですが如何にエサを目立たせるかも重要なのですが、そういう意味では少しでも大きなエサの方が良いはずです。ところがエサを大きくすると団子餌でもそうですが、食い頃のサイズになるまで触りはあっても食い当たりにならないのと同じで、うどんはサイズが変化しませんので初めから食い頃のサイズにしてしまう事で、いち早く食い当たりに繋げることが可能と思っています。


 そして次にまぶし粉を工夫したり浮き下の再調整したり浮きそのものを交換してしまう方法で探ります。
 まぶし粉についてはまぶし粉そのものを違うものを使うのではなくて、先ずはペレットの粒の大きさを変えてみることで4Cを使っていたのであれば3Cに、3Cを使っていたのではあれば2Cに、2Cを使っていたのであれば顆粒に、そして顆粒を使っていた場合は4Cへと、まぶし粉のサイズを変えるだけで当たりの出方が変わってきます。


 またしっかりとコロコロで押さえていた場合はソフトな押さえ方にまたは押さえないようにするとか、ドロやノリを使っていた場合は使わないようにしたりまたは反対に使うように。まぶし粉の剥がれ方をコントロールするだけで1回目の当たりが食い当たりに出来たりします。
 ただ最低限ヘラブナを多く寄せようとはアピール度を増すようにとの思で、まぶし粉をタップリと着けてしまうと当たりは遠くなってしまいますので、人間的感覚よりはヘラブナの方がお淑やかですから、まぶし粉は極力減らしてしまう方が良いと思っています。勿論食欲旺盛な盛期は別です。


 先ず初めには取り敢えず寄せることに専念し、ある程度寄せた後は食わせることにするのですが、寄せる時間食わせる時間とに分けてしっかりとメリハリを付けることをします。初めから当たりを取って釣り上げようとしないで、寄るまでは少々の浮きの動きは無視して寄せに専念します。その後触りも活発になった段階で食い当たりを出すようにします。それが成功すると連釣出来るようになります。それこそ入れポン状態を如何に演出するかが創意工夫な訳です。
 何れにしても決してカラツンをジャミのせいにするのではなく、またヘラブナのスレ当たりをカラツンと誤解することなく、カラツンは単に食ってないだけと思うことで、食わせる工夫が出来るのではないかと思う訳です。


 但しもし本当にジャミ当たりが多く出るのであれば、もっともっとヘラブナを寄せるべく餌打ちを多くして、ジャミを蹴散らすように対処することで良い結果を導き出せるように思うのです。ヘラブナが多くより出しますと決まってジャミはヘラブナより上層に集まり出しますので、ジャミがエサを突くことは随分と減ってしまいます。
 但しこの方法も水温が高くなる前までのことで、水温が適水温になって行くと上ずったりはしゃぐヘラブナが多くなり、それこそ食い当たりを出すのが至難の業となりますので注意が必要です。


 寄せが成功し食い当たりが出せるようになりますと、餌を打ち込んで浮きが立ちスーッと餌が沈んでなじみ巾分沈み、一呼吸置いてツンと当たりが出ればそれこそ入れポンが演じられるようになります。これがまたとんでもなく楽しいんですよねぇ。難しい食わせ方だからこそ連続ツン当たりが出せると、まさに中毒症状のように高揚してしまいます。


 ヘラブナ釣りは如何に食わせるかに尽きると思うのですが、食ったらそれでいいのではなくて如何にスマートに食わせるか。やはり紳士の釣りとしてスマートでありたいと思うのであります。