両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 両うどんの底釣り師から見る釣り方

 ヘラブナ釣りに於いて基本釣り堀でのマナー違反を書いてみましたが、関西と関東または釣り方の違いでマナー違反の種類が違うのではないかと思うのです。
 実際にはマナー違反ではなくて釣り方の違いでしかないのですが、関西人の特に両うどんの底釣りをしている者にとっては、一番違和感のある釣り方が段底や段差の釣りです。この釣り方はいつ頃からあるのでしょう。それこそ昔から行われていた釣り方だったのでしょうか。
 次にカッツケや浅棚釣りもヘラブナの習性を利用しているのですが、底釣り師としては安易な釣り方として敬遠してしまうのです。


 私はヘラブナ釣り界は新参者ですから昔の話は殆ど知らないのですが、私の回りで釣っていた人達のなかで極端なハリス長の段差をつけて釣っていた人はいませんでしたが、基本1本針は禁止の釣り方だったのは間違いなさそうで、2本針が常識的な釣り方だったことを覚えています。


 私の知る限りですがメーカー主催の大会規定の中に、2本針規定か書かれているのはがまかつの大会のみです。つまり規定に書くまでもない程の常識的ルールなのでしょう。
 他の対象魚の場合は1本針が基本となる釣り方の方が多いのではないかと思うのですが、対象魚によってまた釣り方によっては2本針3本針多段針とありますが、1尾ずつ釣り上げる場合の多くは1本針~3本針ではないでしょうか。キスの投げ釣りの場合は2尾3尾と同時に釣り上げるために多段針ですし、船の深場の胴付き釣りも多段掛けを狙った釣り方もありますので針の本数は多くなります。


 しかしヘラブナ釣りの場合は2枚同時のリャンコ釣りは、関西では下手くその代名詞ですから、我が天釣会での大会は無効扱いとしています。
 つまり1枚ずつ釣り上げるのが基本なわけですが、1本針は簡単に釣れてしまうために釣り堀では禁止となっていました。ところが段差の釣りは上針は寄せ餌を付けるための針であって食わせる目的の針ではありませんので、名目的2本針ですから事実上の1本針仕掛けとなっています。実際上針は針である必要はなくラセンでもいいはずです。小鮎釣りの撒き餌はそのラセンに団子状のシラスを着けて釣りますが全く同じ理屈ではないでしょうか。


 面白いことにヘラブナ釣りは撒き餌禁止ですが、針に着いていれば撒き餌効果を狙ってもいいのですからとても不思議なルールと思うのです。そんなところにどこか紳士的な振る舞いを良しとする意味合いがあるのではと思うのです。
 しかしその撒き餌は禁止であったとしても、段差や段底ではビックリするほどの大きな団子を上針に付けます。その団子がバラバラと落ちていくところに下針があるのですが、上針に着けた団子の撒き餌効果によって下針の餌を誤飲させるわけですから、どこかスマートさに欠けてしまっているように感じてしまいます。
 その為に両うどんの底釣り師から見ると、あんな釣り方をして!となるのですが、当然確立された釣り方ですから堂々と段差の釣りをされたらいいわけで、餌メーカーもその釣り方に合った餌を多数発売していますので、ヘラブナ釣りとしては世間的に認知されています。


 自由池だとしても両うどんの底釣りをしている隣で、段底などの釣り方をされるとやはりマナー違反だと思ってしまいます。実際その釣り方を指摘されることはないのですが、わざわざ両うどんの底釣りをしている隣で釣ることはないだろ!と怒られてしまいます。その為に池によっては棲み分けされていて自由池だとしても底釣り用桟橋が指定されています。


 関西の底釣り専門池では上下の針段差も規定されている池があり、私の知る限りですが10㎝の段差が許容範囲の最大のはずです。つまり段差の釣りのような数十㎝の段差の釣り方は禁止されています。
 ただ今更そんなことを指摘しても仕方ないので、段差の釣りまたは段底をされる方は続けられたら良いのですが、失礼ながらあんな釣り方をしてと底釣りをしている者からは白い目で見ているのです。別に確立されている釣り方ですから自由池では自由にされたら良いのです。


 私を含めてですが懐古趣味的な周りの釣り人達からは、底釣りをしてみろ!簡単に釣れる釣り方をしてどこが面白い!難しいからこそヘラブナ釣りは面白いのだ!!なんて言葉が聞こえてきます。


 ある釣り人はこちらは両うどんの底釣りをしていると、隣で団子を使った段差の釣りをしてポンポンと釣り上げ、私はこんなに釣り上げる事が出来るのだと自慢げに振る舞われた事があるようですが、両うどんの底釣りをしていた釣り師はその釣果の差については全く意に介さなかったようです。


 不思議と2本針が当たり前だと思って子供の頃から釣っていました。ただ子供だったわりには2本針が絡むと釣れないだろうと、何というのでしょう二股とでもいうのでしょうか、少し太目のナイロン糸を赤いテープで巻き松葉状に広げた繋ぎの小物でしたが、それを使うことで絡まないだろうと思って使っていました。その当時の大人達はそんな松葉は使っていなかったと思いますが、子供なりに辛み防止を考えた釣りをしていたのを思いだします。その時も5㎝程度の段差を着けていたのでがどこからの知識だったのでしょうね。


 50年以上前の話にはなるのですが釣り餌として関西ではうどんが定番でした。ヘラブナ釣りからそうなったのかどうかは全く知りませんが、野池でマブナを相手にする場合でもうどんが餌だったのです。釣具店に行くと海苔の佃煮の倍ほどの大きさの瓶に入れた、いわゆる瓶詰めのうどんが売られていました。とても柔らかくて長いうどんでしたから、小さくカットして使うのですが、ブリキのうどんカッターとまぶし粉を釣れる部分とがセットになっていた物があり、マブナ釣りにはまぶし粉としてサナギ粉を使うのが定番でした。
 その瓶入りうどんもいつしかガラス瓶から割れにくい塩ビ風の入れ物に変わり、長いままのうどんがカットされた状態でも売られるようになっていたのです。


 私の子供の頃はそれを買ってサナギをまぶし、野池で10㎝から20㎝程度のマブナを相手に釣っていたものです。それ以外の餌は刺し虫(ハエの幼虫)いわゆるウジ虫か赤虫そしてミミズが餌として売られていました。
 流れる川ではうどんは柔らかすぎて使えないのですが、刺し虫やミミズでは余り釣れなかった記憶がありますので基本は赤虫を使っていました。


 余談ですがそのころの関東の情報は知らないのですが、少しすると関東ではカネヒラなどのタナゴが釣られていることを知ります。関西では全く相手にされていなかった魚で、ボテジャコと称して下劣な魚下魚としての扱われ方しかしていなかったのですが、琵琶湖などでモロコを赤虫で釣っていてもボテジャコが釣れるとポイッと捨てていました。
 そのタナゴ釣りではチシャの虫か使われていたはずですが、虫そのものではなくて虫の腸を引っ張り出して針に巻き付けて釣りますが、関西では全く相手にされていなかった魚ですが、高価な竿が作れてたりして独特の文化として関東には根付いています。


 何も自分の釣り方が正解だなんてことはこれっぽっちも思っていません。釣り人達が知恵を出してアレコレと考えた末での釣り方が確立されていくのですが、ドボ釣りのように幾ら釣れると解っていても大会では禁止とされています。またカッツケ禁止や棚1m以上とか色々なルールが設けられているのも簡単に釣れすぎることへの警告でしょうか。


 ある一定のルールの中で競い合う楽しさもあるのがヘラブナ釣りです。使用竿の尺数限定などもその1つでしょう。難しい釣り方をする事で余計に1枚を釣り上げる歓びがあるように思っています。それはアジのサビキ釣りのように簡単に釣れる釣りは面白くないと感じているからです。自分を難しい釣り方に追い込んでそこで釣り上げる1枚の重みはやはり違いを感じます。その難しい釣り方をして尚且つ大助が釣れると天にも昇る歓びを感じることが出来ます。
 50年選手の超ベテランさんでも大助を釣り上げると大満足との声が聞こえるのです。ただだからといって大助しかいない釣り池で大助を釣り上げても全く面白くないのです。
 なんかいつも以上に理屈っぽくなってしまいました。お許し下さい。