両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 雨ニモマケズ 風ニモマケズ

 日曜釣り師としては余程の悪天候でない限り釣行してしまうのですが、少々の雨でも出かけるのですが、当然晴れた日であれは間違いなくノコノコと出かけてしまいます。ただ幾ら晴れていたとしても風の強さまではどうしようもありません。昨今の天気予報では1時間毎の風向きと強さについて発表されていますので、基本的には背中から風を受ける位置をポイントとして選ぶのですが、大会などで席が決まっている場合などでは、どんなに風が強くてもその釣り座から移動することは出来ません。


 当然その風の強さに対応した釣り方をしなければ釣りが成立しないのですが、簡単な方法としては短竿にするだけで一気に釣りやすくなるのは間違いありません。ただだからといって風によって水流が起きてしまうと短竿だから良いとは言えないはずです。また短竿ほど小型の浮きを使っているはずですから、余計に一定に保つことが難しくなってしまいます。


 中長竿の場合は向かい風ならまだしも横や斜め前から吹く強い風ほど始末が悪いことはありません。それでも風の強さが一定していればまだ良い方で強弱混ざってしまうと、それこそ一体のポイントで釣り続けることは至難の業です。
 そんな中でもベテランさんはコントロール良く餌打ちをされるのですが、私などでは右へ左へと嫌になってしまいます。場合によっては風に押し戻されてポイントに届かないなんて事も起きてしまいます。


 そこで取り出すのがしっかりとオモリの乗る浮きです。こんなに巻いて良いのだろうかと思うほどの量の板オモリを巻くのですが、この場合は2つに分けた方が良いのでしょうか。多段シズは違反とのことですが間隔を開けずに2つか3つに分ける程度であれば許していただけるでしょう。


 餌打ちをするとドボンと着水音が聞こえてきそうな程のオモリの量ですが、それ程の重いオモリを使うことで風にも負けずにポイントへ餌を運んでくれます。


 風にも負けずとのフレーズではつい宮沢賢治の詩が思いだされます。


 雨ニモマケズ
 風ニモマケズ
 雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ


 ここまでの文は誰でも知っていることですが、早とちりをする人がいてこの文の後に


 サウイフモノニ
 ワタシハナリタイ


 いつ頃だったかテレビのCMでも単純にこの5行で終わらせていることがありました。しかし宮沢賢治はそんな丈夫な身体を持ちたいといったのではなくて、この後に続く文内にこそ意味を持たせていたのです。
 読みにくいので仮名文にして表示します。


 慾は無く
 決して怒らず
 いつも静かに笑っている
 一日に玄米四合と
 味噌と少しの野菜を食べ
 あらゆることを
 自分を勘定に入れずに
 よく見聞きしわかり
 そして忘れず


 自分のことよりも周りをよく見ることとしたのです。そして


 東に病気の子供あれば
 行って看病してやり
 西に疲れた母あれば
 行ってその稲の束を負い
 南に死にそうな人あれば
 行って怖がらなくてもいいと言い
 北に喧嘩や訴訟があれば
 つまらないからやめろと言い
 日照りの時は涙を流し
 寒さの夏はおろおろ歩き
 みんなにでくのぼーと呼ばれ
 褒められもせず
 苦にもされず
 そういうものに
 わたしは
 なりたい


 ここまで読んで初めて「雨ニモマケズ」の本来の意味が理解できるわけです。ただこの詩の内容は宮沢賢治のことではなくて斉藤宗次郎の生涯だとする説があります。実際は解りませんがキリスト教徒だったがために日露戦争当時に住民達から酷い迫害を受けていたのです。9歳の娘は斉藤宗次郎の娘だとして腹を蹴られ腹膜炎を起こして亡くなったしまうのですが、その後もキリスト教徒としての博愛の精神で過ごすことになるのですが、49歳の時に花巻から東京へ移り住むことになります。当然迫害を受けていた土地から離れるときになって斉藤の活動が認められたのか、町長をはじめ町の有力者教師生徒など身動きがとれないほど集まり、駅長は停車時間を延長し汽車がプラットホームを離れるまで徐行させたのです。その群衆の中に30歳の宮沢賢治がいたとされています。


 「雨ニモマケズ」は35歳の頃に手帳に書いていたもので生前に発表された物ではないのです。死後になって手帳に残されていたもが発見されて世に出たことになります。


 なんか同じようなことを以前にも書いたような気がしますが、横道に逸れきってしまいましたがヘラブナ釣りに話を戻しましょう。


 しっかりとしたオモリを背負う浮きを使うのですから、当然感度が極端に悪くなるはずです。盛期であれば少々感度が悪くとも当たりとして出るでしょうが、強風が吹く頃は決まって季節風ですから冬期の北西風と相場が決まっています。そんな時に使うのですから幾らポイントに入る浮きだとしても当たりが出るかどうかはとても疑問ではあります。
 ただ風や水の抵抗は細い仕掛けにすればするほど軽減されるのですから、ドボンと音がするほどのオモリを着ける前に一気に細仕掛けにするのも方法ではあります。私的には年中0.8号の道糸に0.5号のハリスを使っているのですが、強風が解っているのですから0.6号の道糸に0.4か0.3号のハリスで挑む方が、少しでも風の抵抗を軽減させることが出来るのではと思うんです。


 ただそれを使いこなすほどの力量が私には備わっていないので、解っていても簡単に使うことが出来ないんですよねぇ。
 ってことで風にも負けないオモリをつけてドボン!!と大きな水音を出して釣ることと致しましょう。