ヘラブナ釣り ダイワ兆 インプレッションNo2
約1ヶ月前に1度兆のインプレッションを公開しましたが、その後1ヶ月使い続けた結果もう少し違う印象を受けましたので付け加えてみたいと思います。
前回はダイワ兆の17尺限定でのインプレッションでした。その後16尺も手に入れましたので両方を使ってみた結果の感想となります。
先ず感じたことは、前回にも書きましたが全体がとてもスリムに仕上がっていることです。これは同じダイワの枯法師にも通じる仕様となっていますが、枯法師の方が穂先を細く仕上げられています。
枯法師 17尺 穂先0.8mm 手元11.2mm
兆 17尺 穂先1.1mm 手元11.2mm
この差は枯法師の方が穂先が細くて柔軟度が有りますので若干の先調子に成っています。兆は穂先がしっかりしている分胴の曲がりが余計に感じる胴調子に仕上がっています。それは他の竿と比べるともっと如実に表れる差と感じました。
またロッド色の視認性の問題もあるのでしょうか、水中に浸けている穂先が随分太く感じます。実際太く仕上がっているのですが数字以上の太さを感じてしまいます。とはいえ水切れが悪いかというと、胴のしなりが効いているので上手く水から抜けるように感じます。
ヘラFX 17尺 穂先0.9mm 手元12.3mm
FXと比べますとFX方がテーパーが強く出ていますので、先調子に仕上がっている関係か、とても良い感じの水切れで合わせられます。同時に振り込みも竿全体の反動というより穂先の戻りで振り込む感覚ですが、兆では穂先の反動というよりは竿全体の反動を利用して振り込む感じでしょう。またタスキ振りもしやすく感じました。
枯法師 16尺 穂先0.8mm 手元10.6mm
兆 16尺 穂先1.1mm 手元10.5mm
龍聖 16尺 穂先0.9mm 手元11.3mm
1番新しく発売されましたのが龍聖ですが、龍聖はもっと硬調子にフラれていますので、その違いはまさにこの写真のような弧の形状の違いとして表現出来るでしょう。
この弧のように兆は手元近くから曲がりますので、大助の突進にも耐えやすい反面寄せには時間が掛かります。それはチカラで寄せる竿ではないことを意味していて、チカラ技で寄せを早くするには龍聖が適していると思いますが、同時にある程度の腕力が必要と感じます。その点兆は手元から曲がり竿全体として受け止めていますが、穂先の強さのせいでしょうか案外沖の方で浮かせることが出来ます。そういう意味では竿の感覚的柔軟度よりもパワーが備わっている印象を受けます。但しそのパワーは龍聖のような釣り人の腕力を必要としていませんので、ある程度お年を召した方でも使いこなせる竿だと思います。事実80歳の高齢の釣り師がこの竿を駆使して大助を釣り上げておられますので、私のような腕力が乏しい者でも使えています。
ここに来て兆についてダイワの解説にある文句が理解出来るようになりました。それは次のように解説されているのです。
「兆」は「龍聖」と同じくオールラウンダーを謳う竿である。そして両者の差はズバリ、その掛けカーブに表れている。同じ硬式オールラウンダーでありながら、先にスッと抜ける先調子的な楕円形を描く「龍聖」に対し、「兆」は胴に乗ってくるふくよかな胴調子的楕円。よりシャープでスピーディな取り込みなら「龍聖」、よりゆったりと曲がりを楽しむなら「兆」、という棲み分けとなるだろう。T.P.Oに応じて使い分けるもよし。純粋に好みで選ぶもよし。「兆」と「龍聖」のコンビがへら竿の歴史の新たなる幕開けを告げる。
まぁ私的には龍聖は硬調過ぎますので使いこなせないと思っています。実は先代の龍聖を持っていたのですが、その龍聖すら硬調な仕上がりだったために使いこなせなかったのです。それが新龍聖になってより硬調に仕上がっているのです。それがこのカーブに現れています。また掛け調子の分付図にも硬調さが表現されています。
いい釣りをしたいその時に選ぶ竿の筆頭に位置するのがダイワ兆のように感じます。17尺と16尺では1尺の違いしかありませんが、同じように胴から綺麗に曲がる様は上手くヘラの動きにを制限させるように仕上がっています。まさに良く出来たショックアブソーバーの如く対処してくれますので、身体に優しいお薦めのヘラ竿といえるでしょう。
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