両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナの養殖飼料から見る釣り餌

 ヘラブナ釣り師としては、ヘラブナの養殖に使われている飼料が、当然食べ慣れている餌ですから、釣りに有効な餌だと思っているはずです。


 そこで少しだけ養殖用の餌について解説してみます。


 元々は鯉用の飼料が使われていた事は、今までのブログにも書いてきましたが、何がどのように違えるとどのような結果になるのかを、内水面試験場がテストされています。
 鯉の需要が減っている現在、それに変わる養殖魚としてヘラブナが飼育されるようになったためですが、今では実はモロコの方が手軽に飼育出来て、歩留まりも良いために全国で飼育されるようになりました。
 実は水田で米を作るよりモロコを飼育した方が、経済的生産性が高いとされているからです。またモロコとヘラブナとの飼育の方法としては、遙かにモロコの方が手軽である事もその理由となっています。


 素人がヘラブナを飼育しても、1㎏を超える魚体にまで育てるのは至難の業で、そういう意味ではモロコの方が手軽だということです。


 さて、ヘラブナの飼育飼料としては、当然ペレットとなるのですが、ペレットには魚粉と大麦の糠(フスマ)、第一リン酸カルシウム、ビタミン類、ミネラル類等が配合されています。
 この内、魚粉と大麦糠の割合を変更する事で、粗タンパク質量が決定します。その割合を15~35%で試験されているのですが、鯉用とされているのが35%程度です。
 この割合も単純に表示出来ないのですが、それは元々の魚粉のタンパク質量が一定していない事で、今回の試験で使われた魚粉は、タンパク質量65%の原材料が利用されています。


 先ずは試験結果を結論から申し上げますと、魚粉含有量は25%のペレットが1番成長した飼料となりました。
 今回のペレットは15%、20%、25%、30%、35%の5種類含有量の違いでテストされたのですが、15%<20%<25%>30%>35%の結果で成長率に差が出ています。
 厳密に言いますと、25%までが上昇曲線が描かれているのですが、30%になると15%と同じ成長率で、35%に増やしても20%の成長率と同じとなります。
 人間的感覚で言えば、タンパク質量が多い程太らせると思うのですが、多過ぎるのは成長を阻害する事がわかった結果です。
 また、第一リン酸カルシウムについても結果が出ていまして、1.5%が適当であり2.0%に上昇すると極端に成長率を下げてしまう事もわかっています。その為鯉用のペレットは魚粉率が高くリン酸カルシウムの率も高いために、ヘラブナの養殖用には適さないとの結果が出ました。同時に鯉の成長に必要な飼料量の60%程度の給餌で、ヘラブナの成長率が一番高く、それを増やしても成長には寄与しないこともわかっています。
 これも本来なら給餌量を増やせば増やす程成長すると思うのですが、そのような結果にはならなかったとの事です。


 ヘラブナには胃がないと言われています。その為与えれば与える程食べ続けるので、ヘラブナ釣りに於いても、餌を打ち返せば打ち返す程良い結果になるとされているのですが、生産現場では、そのような事はないとの結論に達しているようです。


 とまぁ、色々な事を書いてきましたが、養殖場の魚体の成長という生産現場の話と釣魚としてのヘラブナとは、考え方に違いがありますので、この話は参考になるかどうかは全くわかりません。
 つまり養殖場で使われているペレットを入手したとしても、それがそのまま釣りの餌として適しているかどうかは、全く別問題だともいえると思うのですが、最低限私的に断言しておくとすると、魚粉率が高いのは避けるべきだと思っています。
 これはペレットだけでなく団子用の餌でも、素材質表示を見ると次のように書かれています。
 主原料として 麩、魚粉加工品、酸素処理サナギ、養殖用ペレット、藻類、香料
 栄養成分として 粗タンパク21.6%以上、粗脂肪0.4%以下、粗灰分2.7%以下、炭水化物72.9%以下
 または、粗タンパク26.2%以上、粗脂肪4.9%以下、粗灰分15.0%以下、炭水化物49.8%以下


 このようにタンバク質量やカリシウムの含有量も細かく表示されていますので、その配合割合によってタンパク質量のコントロールが出来ます。
 団子としてのバラケ方や硬さなどの、餌としての特徴だけでなく、その配合成分にも関心を持つ事で、また違った結果になるように思いますが如何でしょう。


 ヘラブナ釣りに限らないのですが、釣りは全て科学的根拠があると私は思っています。