両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 冬期の水温上昇は不漁の兆候

 冬期のそれも極端な低水温の状態の場合は、ヘラブナに食い気がなくて当たりを出すことそのものがとても難しいのですが、天気が良くなって若干水温が上がりだした時こそ釣果を得るのはとても難しくなります。


 先ずは低水温時のことですがヘラブナそのものに食い気がないため、餌が目の前に落ちてきても食うことなく無視してしまいます。それでも食わそうとするのですから個人的には馬鹿げたことだと思っているのですが、ただ単に食い気がないときは誘いを掛けるなどをして、無理矢理に餌を食うというより口を使って触られることは出来なくもないと思うのです。


 それが日によってヒーターベストも脱ぎたくなるような陽気の頃こそ実はとても厄介で、ヘラブナは食い気を見せてきますので簡単に寄せる事が出来てしまいます。ただ寄せる事と食わすことはまた別のことで、特に私のような底釣り専門にしていますととても困ってしまう現象が現れます。


 陽気が良くなっているのですから日差しもとてもいいのです。そのため表面水温が上がりやすい状態になります。当然ヘラブナは変温動物ですから適水温も20度前後と高めですから少しでも温度の高い層に移動してしまいます。
 つまり照らされる日差しのために表面水温だけが上がりますので、水温の上昇と共に餌打ちをするとあっという間に寄せることが出来るのです。ところが底の水温は低いままですから食い気のあるヘラブナほど上層に向かい、結果として底釣りが成立しなくなってしまいます。


 この状態はなかなか焦るのですが、集魚効果が出ているにも拘わらずどうして食わないんだろうと、でも理屈は至極当然で食い気るあるヘラブナは上層に移動していますので、底にヘラブナがいたとしても食い気の無いヘラブナばかりとなってしまいます。


 そこで対策としてですが食い気のあるヘラブナを底に向かせなくてはならないのです。その方法とは如何に・・・ですが、正直なところ残念ながらコレが正解とはなかなか導き出せていません。


 試す事はいくらでもあります。先ずうどん餌の場合ですが、まぶし粉の剥がれ方のコントロールです。単純にうどんからまぶし粉を剥がれ難くする方法があります。それによって上層で出来るだけまぶし粉を落とさないようにして底に導く方法です。ただ剥がれが余りにも遅くし過ぎると集魚効果がとても出難くなってしまいますので、圧力の掛け方やペレットのサイズなども色々と試す事になります。


 またハリス長の変更もあります。短くした方が良いのか長くした方が良いのか。短くすることで上層での剥がれ難くなりますので底に導きやすくなります。但しアピール度は落ちてしまいますので、その日の状況を見定める必要があります。


 次に浮きの変更です。冬期だからと繊細な浮きを使ったがために、餌の沈下速度が遅くなっていますので、余計に上層に餌をばら撒いている可能性があります。そんな時は浮力の高い浮きを選択してオモリを多くし、一気に餌を沈めるのも方法と考えています。実際冬期でも太めのパイプトップを使っても綺麗なツン当たりが出ますから、冬期だからムクトップなどの繊細な浮きが適しているとは限らないと思っています。


 そしてもう一つが餌のサイズです。大粒ほど集魚効果は高いのですが集魚効果が高いからこそ上ずらせているので、小粒の餌に変えて集魚効果そのものを落としてしまうのも方法だろうと感じています。


 勿論使用する餌を変更してしまうのも方法で、集魚効果の薄いまぶし粉をつかうのも方法と思っています。何が何でも集魚効果の高い餌が適しているとは限らないと思われる時期があると思っています。
 来月号のヘラ専科ではヘラブナの刺激物質を取り上げていますので参考にして戴ければと思いますが、その刺激物質も使いようで弊害がある可能性もありますので、まさに時と場合によって使い分ける必要が出てきます。


 団子餌にしても同じ事で如何に素早く底に沈めるか、同時に底では如何に早く開かせるかがポイントですが、団子餌の集魚効果が悪い結果を導く可能性がありますので、集魚効果の薄いグルテン餌を使うのも方法だろうと思います。この場合のグルテン餌はバラケ性の少ないタイプが適していると思いますが、それもその日の状況を見定めて餌の変更や手直しで対応する必要も出てくるでしょう。


 案外勘違いされているのが気温が低い日ほど全層循環といいまして、冷えた水が底に入り底の水が上層へ回りるような循環運動をします。良くいわれるような底ほど水温が高いというのはただの思い込みか勘違いとなります。表面水温が低いほど循環するのですから反対に表面水温が上がると、その循環が止まってしまって底ほど水温が低い状態が維持されてしまうのです。
 その状態を理解している管理池では水の循環を促す対策が取られています。エアーレーションがされていたりポンプが稼働していたり水車が回されています。


 朝の気温がやや高くて今日は寒くないねとの会話が聞こえると、そんな日ほど難しい釣りとなる可能性が高くなりますので、いつもの釣り方では釣れない可能性があります。何某かの手直しをする事も視野に入れて、今日一日の釣りを組み立てる必要があると考えています。