両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 生態系のお話 2023年6月より罰則

 ヘラブナは2倍体でありマブナ(ギンブナ)は3倍体であることは以前にもご紹介していますが、染色体数が2倍体の個体と3倍体の個体では生殖が出来ませんので、マブナとヘラブナの交雑種は生まれないのです。
 ただ他の2倍体とは交雑することが出来ますので、コイは2倍体ですから大型のヘラブナにはコイとの交雑種を多く見かけています。コイには2対のヒゲがあるのですが交雑種には1対のヒゲがある場合とヒゲそのものがない場合がありますが、顔を横から見ると明らかにコイの顔をしているので判別できると思います。


 この交雑種ですが自然界でも起きているので、ヘラブナの種として交雑させない研究もされていています。実験段階では既に3倍体のヘラブナをバイオテクノロジーの利用で作り出されています。


 また3倍体には多くの場合生殖腺そのものが出来ないため、3倍体は農業分野に取り入れられているのですが、種なしスイカなどはその良い例で2倍体のスイカと4倍体のスイカを掛け合わせて3倍体を作るのですが、3倍体のスイカには種が出来ないので種なしスイカが出来るのです。


 身近なものとしては実はバナナが3倍体で種が出来ないため種のないバナナを食べているのですが、原種のバナナには種があり小豆大の種が含まれているのですが見たことはないですよね。


 しかしなんでヘラブナで3倍体を作り出そうとしたのか、また4倍体も作られているようですが、幾ら自然界での交雑を防ぐためだとしても3倍体は生殖腺が出来ないのですから、そのままでは絶滅してしまいます。
 それこそギンブナならオスを必要としない無性生殖で雌性発生をしますからクローンばかり生まれてきますが、ヘラブナが3倍体でも無性生殖が出来る個体であれば交雑することなく純粋種が継続されることになるはずですが現実問題としては無理です。


 実際どれほどの交雑種が生まれているか解りませんが自然に任せるべきだろうとは思います。それよりも人為的に金魚の放流やコイの放流など自然界に存在しない魚の放流は慎むべきで、金魚を放流したとところで目立つので他の捕食魚の餌になったり鳥の餌になってしまいます。もし生き残ったとしても金魚と交雑したフナや鯉が生まれてくるとどうなってしまうのでしょう。それこそ生態を崩す原因にってしまいますので現に慎むべき行為と思っています。


 最近はメダカの飼育も盛んになっているのですが、飼えなくなったからと川や池に放す行為も問題で、原種の黒メダカですら地域差があるので採取場所以外に放す行為は慎まなければならないのですが、人が作り出している色の付いたメダカ等はもってのほかで、生態系を崩している自覚がない人がいます。
 メダカを扱っている業者が販売する場合には、決して川などに逃がさないように指導すべきで、もし飼えなくなったら返品を受け付けるべきでしょう。


 その昔カダヤシと称して卵胎生のメダカを輸入して蚊の発生を防ごうとしたのですが、結果は在来種のメダカが絶滅危惧種に追いやっただけで、蚊の発生対策には実質的には何ら効果がなかったと感じてしまいます。


 ヘラブナ釣りをしているとミドリガメ(アカミミガメ)の成長した個体をよく見かけますが、ミドリガメも子供の個体は緑色して可愛く綺麗に見えましたので夜店などで亀釣りとして売られていて、それを持ち帰ったは良いけれど成長して飼えなくなり池や川に捨てに行ったため今は大量発生してしまっています。危険なカミツキ亀も同じで超大型になる亀ですから家庭では決して飼えないのですが、いい加減な業者が売ってしまって今に至っています。


 日本も随分と温暖化が進んでいますので熱帯性の魚も越冬できるようになっています。ガーパイクやテラピアはよく目にしますが、プレコの種類も大型化した個体が川で生息しています。アメリカでは輸入禁止になっているピラニアも未だに日本では売られていますが、ピラニアが生息する川があってもおかしくないと思えるようになりました。
 どうして後先を考えないのか不思議ではあるのですが、人の欲が判断を鈍らせてしまうのでしょうか。


 上皇様は1960年にシカゴ市長から送られたブルーギルを放流されたことで謝罪されたことがありました。この時に持ち帰えられたブルーギルはたった15匹だったのですが、水産試験場で数千匹に繁殖されて琵琶湖だけでなく全国の沼や川に放流されたのです。
 当時はまだ皇太子でしたが食糧難を防ぐ目的だったのですが、食用としては定着せずに今では在来種を食害する厄介者になった現状に対して謝罪のお言葉を述べられたのです。


 謝罪された当時は天候陛下でしたが天皇自ら事の重大性を認識され謝罪されているにも拘わらず、どうして漁業関係者や魚を扱う人たちは無頓着なんでしょう。もう少し生態系について考えて頂きたいと思うのですが、実際日本中の渓流には存在しないはずのニジマスがいるのですから困ったもので、当然漁協が放流した魚で専門家集団が安易に放流する裏には、経済的理由が含まれているのですが、そこには生態系を崩すほどの価値があるのでしょうか。


 所詮釣り人が出来る範囲はたかが知れていますが、魚の専門家でもあると思いますので、飼育されている魚の取り扱い程度はアドバイスできるのではと思うのですが如何でしょう。


 特に今年の6月からはアカミミガメとアメリカザリガニを野外に放つことは法律で禁止になります。個人の場合でも3年以下の懲役あるいは300万円以下の罰金となり、法人の場合は1億円以下の罰金となかなか厳しい罰則が科せられますので注意が必要です。
 釣り場などでアメリカザリガニが釣れたりしますが、安易に持ち帰ると始末に困りますので注意して下さい。