ヘラブナ釣り 反射神経なんてない
以前このブログでも取り上げた事があるのですが、歳と共にどうしても反応が鈍ってきています。浮きに出る当たりに対して、反応できずに見送ってしまうことも多数です。そんな時に使われる言葉が反射神経です。
結論を先に言うと実は反射神経という神経は存在していません。
反対に感覚神経は存在しています。熱いものを触って一瞬で手を引き込む事が出来るのは、手の触感神経が熱さを関知して脳へ運び、熱いことを理解して手の運動に伝えることで、手を引くことが出来ています。厳密には脊髄レベルでの処理ですから早く反応が出来ます。
この一連の動作を反射神経と言い換えていることになります。
この伝達は電気的信号を素早く処理しているのですが、厳密には細胞内外のイオンの出入りを媒介として情報処理をしています。
一方内分泌系のいわゆるホルモン作用を伝達する神経があり、血流によって目的の場所で作用しますので速度は遅くなります。興奮状態に入ることで運動能力を高めるのもこの部類ではないかと思います。
さてヘラブナ釣りに於いて素早い運動をする必要があるのは、間違いなく浮きに出た当たりに対して、素早く竿を立てる行為でしょう。ただここで少し分けると面白い事が解ります。
ヘラブナの食い当たりは、特に両うどんの底釣りの場合は、何の前触れもなくツンと1節程度の当たりが出ますので、間髪入れずに掛け合わせる必要があります。
そこでその当たりをどのように判断しているかです。
ゆっくり入る当たりはスレの場合が多く、ツンと入る当たりは食い当たり、口の近くのスレ当たりで出ますが、基本ツン当たりを食い当たりと判断して、それ以外の当たりはスレと判断して合わせません。
この行為は当たりの種類を判別していますので、脳で処理していると考えられます。
一方同じ瞬時にでる当たりでも、大きな当たりが出た場合は、ツン当たりであるかないかは別として、瞬時に出た大当たりにはそ瞬間合わせしまいます。この判断は脳で判断しているとは思えないのです。脳で判断しているとすると、大当たりはスレの場合が多いので合わせないはずです。ところが大きな当たりが出れば出るほど、鋭くて強い合わせをしてしまいます。目から入った情報を脊髄反応しているのではと思うのです。
同じように当たりを見ていても、その当たりを的確に判断する脳の反応と、勝手に身体が動くような脊髄反応があるのではと思えるのです。
しかし現実のヘラブナの食い当たりは、人が想像しているものとばかりとはいえず、また吸い込んだ餌を瞬時に吐き出す事も多いので、脳で処理していては遅いのです。
つまり脳で処理して反応しても針がかりするのは、ヘラブナが瞬時に吐き出さなかった事になります。ということは吐き出したくならない餌作りが必要となります。
またヘラブナの食い気を増幅させることで、いってみれば食い意地が張ったような、我こそ先に食いたいと食い気旺盛にすることにより、食ってか吐き出すまでの時間が長くなる、または吐き出さないのではないかと思うのです。
その域にまでヘラブナを誘導できなかった場合は、浮きに出る当たりを脳での処理をするのではなくて、脊髄反応をすることで瞬時に合わせる事が出来ますので、カラツンも一気に減ると考えます。
実は浮きがツンと沈む途中で合わせる。そんな芸当が出来ればカラツンは一気に減ると思っています。事実1日の内で数度程度ですが浮きが沈む途中で合わせる事があります。それは一種の予知というか今当たりが出そうと、何らかの情報を察知できたときですが、団子餌の場合は前当たりが出ますので、案外合わせやすいと感じています。
それこそ反射神経が素晴らしいと1人悦には入るのですが、そもそも反射神経なんて神経はないのですから、経験から来る素早い行動が出来ているんでしょうね。
ホント人は経験から学ぶことが出来ます。惣菜屋さんは手に乗せるだけで重量がピタリとわかり、熟練の寿司職人は握る米粒は一定だとか。それだかこそヘラブナ釣りのような瞬時に半量する必要がある釣りでも、年長者の皆さんでも釣りが続けられているのではと思います。
やはり50年選手は素晴らしいって事ですね。私なんかは到底及ばない領域です。
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