ヘラブナ釣り へら専科未掲載原稿 餌打ちポイントと科学的根拠
へら専科が休刊されましたので、投稿予定であった原稿をこちらで発表いたします。
ヘラブナ釣りでは、極当たり前にしている事も実は、科学的根拠の裏付けがある事が多々あります。今までに書いてきましたように、針が上唇センターに掛かる理由、ハリスの柔軟度の重要性、道糸を沈める理由、竿の水切り、スコープの見え方、床の取り方、臭覚と刺激物質、道糸とハリス、これにには全てには、物理の法則など科学的理由が存在していました。
実は何の気なしに打ち込んでいる、餌の落とす位置に対しても、科学的根拠が拘わっているのです。まず最初に考慮するべき点は、餌と道糸ハリスに掛かる水の抵抗です。
仕掛け糸に対して、直線側には水の抵抗が少なく、横方向には抵抗が多く掛かることです。仮に1mの仕掛け糸があるとして、直線方向の抵抗は弱いために、スーッと移動する事が出来ますが、横方向は抵抗が高いために動く事はありません。横に移動しようとすると、力点を支点としてV字に折れてしまいます。
V字になるためには、両端が力点に近寄ってくる必要があります。

つまり振り切りで餌打ちをしたとすると、オモリ位置が力点となりますので、オモリ位置でV字に折れて沈みます。しかし片方は穂先に結ばれていますので移動しませんが、餌側はオモリに近寄ってきます。その場合の中間点に浮きがありますので、浮きが端となってオモリ位置から沈み出します。
その場合、仕掛け糸だけでなく、餌も水の抵抗を受けますので、オモリの軌道に引かれて、浮きの下に近づくような軌道を描きます。

餌の軌道に合わせて集魚効果が発揮される事になります。矢印は魚のイメージです

これが落とし込みであれば、ほぼ浮きの下に縦方向で沈んで行きますので集魚効果も縦方向となります。

集魚効果が発揮されやすい時期か、それとも簡単に寄りにくい時期なのか、それを踏まえてどのように集魚効果を発揮させたいのかを考えて、餌打ちポイントを決めるようにします。
また落とし込みでも、スレ当たりが頻発する場合は、浮きを中心として左右に打ち替えるのも方法で、極端には横方向に1m程度離したところに餌を打つようにすると、最大2m巾を設ける事が出来るので、スレを軽減させることも出来ます。
また底釣りの場合は、どうしても上ずってしまう場合がありますが、降りきりであれば中上層にいるヘラブナは無視をして、底に集まるヘラブナを対象に擦るのも方法ですが、どうしてもその位置のヘラブナも上ずり加減になった場合は、この場合も左右1m程度餌打ちポイントをズラス事で、当たりを復活させることも出来ます。
何れにしても水中の様子をアレコレと想像し、今どのような状態になっているのかを考えて、それに対してどのように対処すべきか。この対処がピタリと当たるとまた面白いのです。