ヘラブナ釣り 偽善者から極楽浄土へ
もう11月30日です。今年もあと1ヶ月で終わろうとしていますが、月日の過ぎるのがとんでもなく早い。歳と共に駆け足で時間は過ぎていきますが、その時間に取り残されないためにも、充実した日々を過ごしたいものです。
残されている時間も限られています。それまでは十分に人生を楽しみたいと思うのですが、やはり歳を取っても楽しめる釣りは良いものですね。特にヘラブナ釣りは腰を落ち着けて、それも体力の消耗も殆どない釣り方ですから、幾つになっても楽しめると思うのです。
ある釣り人は良い趣味が見つけることが出来たと喜ばれていましたが、人生に彩りを付け加えるものとして、ヘラブナ釣りが役立つとするならば、とても喜ばしいものとなります。
趣味としてのヘラブナ釣りを改めて感じるのは、大人の趣味を満足されるところがあります。その1つが工芸品でもある竹竿でしょう。工業製品としてのカーボンロッドはとても優秀ですが、やはり竹竿の良さにはまだまだ追いついていません。
また同じ竿師による竿受けや玉の柄なども、工芸品として位置づけることが出来ます。そうそう万力にもとても凝ったものがありますので、大人として満足させるものとなります。
そしてカーボンロッドに至っても、とても高価な物から入門ものまで揃っていますが、大人の趣味として満足させるだけの品揃えが出来ています。この部分は他の釣りでは味わえない部分でしょう。
そんな道具類に対する魅力もさることながら、やはりどこかで狩猟本能をかき立てるものもあるのではないでしょうか。釣り味と一般に表現しますが、平均サイズが尺程度だとすると、他の釣りで尺前後が揃う釣りは少なく、チヌ釣りやグレ釣りも強い引きで楽しませてくれますが、1日に30枚40枚をコンスタントに釣れることはとても少ないです。
いってみれば1日である程度の釣果が得られるのですから、手軽に満足のいく釣り味を楽しませてくれる釣りとなります。
この釣り味はやはり使用する竿の恩恵を受ける部分が大きく、竹竿は特に良いのですが、メーカーのフラッグシップ竿ほど釣り味を追求されています。フラッグシップ以外の竿は、軽くて操作性が良いとか、早く取り込めるとか、大型魚に対応しているとか、それぞれの特徴が設けられているのですが、フラッグシップはそれらを全て網羅して尚、釣り味を追求されている竿となります。
ただ穿った見方をしますと、その狩猟本能を満足される釣り味とは、ヘラフナの断末魔の動きを手に感じているに過ぎません。生き物の生存本能を釣り味として楽しんでいるのですから、罪深い遊びには違いないとも言えます。
釣り堀にはヘラブナの供養塔が設置されているところもあります。生き物の命をもて遊んでいるのですから、心した釣り方にすべきだろうと思ってしまいます。そのため釣れ難い釣り方であっても、その方法で釣れるとするとしてやったり、そう思える底釣りをこよなく愛するのであります。まっ勝手な言い草ではありますが・・。
如何に自分に厳しく釣りをするかです。スレを出来るだけ掛けない。早合わせは慎む。違反行為はしない。ルンペンや斜め打ちはもってのほか!!との思いで・・・出来ているのかなぁ。ちょっと心配ですが、自分なりのルールを設けて釣るのも、偽善者としては正当なルールのように思えてしまいます。
そうそう所詮私なんてただの偽善者ですから、ヘラブナの命をいたぶる釣りを続けているのです。延暦寺の高僧から言われたことがあります。釣っては逃がしているのですから殺生はしていないと伝えたのですが、命を粗末にしていることに違いはないぞ!と指摘されました。まさにごもっともと思ったのですが、未だに辞められずにヘラブナ釣りを楽しんでいます。
人は生きているだけで罪だと思っていますが、これからも偽善者を続ける事になるのでしょう。いつしか善人になるときが来るのでしょうか。う~ん・・・暫くは無理そうですね。
では次の日曜日にもヘラブナ釣りへと、ご一緒に偽善者街道まっしぐらと行きましょう!!
そういえば「同行二人」って言葉があります。弘法大師と共に西国巡礼の旅をする事をいいますが、お遍路さんは白装束です。実は巡礼の旅の途中で命を落としても良いとする思いから、白装束で身を包むのです。
その白装束の背中には南無大師遍照金剛と書かれています。これは弘法大師空海の光輝く慈悲、金剛石のような智慧を心から信じて頼りにしますという意味になります。
なにもヘラブナ釣りに行くのに白装束は必要ありませんが、行き帰りの安全と釣り場での事故を防ぐことも必要です。朝には元気に出かけ夕には元気に戻ってくる。それが留守を預かる家人に対する思いやりです。
仏さんになるには早過ぎます!!冥土へはまだまだ先の事としても、極楽を味わいに出かけるのも良いのではないでしょうか。
さぁご一緒に極楽浄土を味わいにヘラブナ釣りに出かけましょう。
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