両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 底釣り

 個人的に両うどんの底釣りが好きなので、この釣法を続けているのですが、ある時期はそれが有効とされています。一般に言うところの待ち釣りを強いられる厳寒期こそ、待つ事が出来るうどんに軍配が上がるとされています。


 個人的には、両うどんの底釣りが冬季限定とは全く思っていず、関西の一部の池では年中両うどんの底釣り限定の規定があります。一昔前までは、関西の多くの池でその釣法が採用されていたのですが、時代の流れか団子釣りも可能となり、棚規定も撤廃されている池が生き残っています。うどん釣り師に惜しまれながら閉店したうどん池も多数ありました。


 そんな中で我がホームグラウンドの淀の釣り天狗池は、数少ない両うどんの底釣り専門池ですから、当然両うどんの釣りをこよなく愛する人達が、今でも訪れる池となっているわけです。そういう意味では両うどんの底釣りを年中しているのですから、冬期専用の釣り方ではありませんが、カッツケのように100枚を超えるような釣果も望めないかもしれません。といって60枚70枚の釣果を上げる事も可能なんです。


 ここで言いたい事は、釣果枚数が上げられる釣り方という事ではなくて、ヘラブナ釣りに慣れていない人、長年ヘラブナ釣りに親しまれている釣り師にも、是非両うどんの釣りを体験して頂きたいと思うからです。勿論、両うどんに限定するのでもありません。団子でもグルテンでもいいので、両方の針が底に定着している状態の釣り方、いわゆる底釣りを是非体験して頂きたいと思っています。


 ヘラブナ釣りの入門するには、とても高いハードルを感じるはずです。ヘラブナ釣り用の竿を揃える必要があり、竿掛け、玉、道具箱、竿ケース、釣り座、パラソルと初期投資はそれなりに高額になりますし、ベテラン釣り師に混ざっての釣行は、それなりに勇気が要ります。
 私自身がそうでしたから、若い人達にはとてもハードルが高いと思っているはずです。増してルアー釣り等をしている人達には、場違いな雰囲気で取っつき難いでしょう。
 そんな雰囲気の中でもエイヤ!と飛び込む時には、棚もわからない宙釣りより床取りさえ出来れば、それなりに成り立つ釣り方である床釣りから始めると、入門しやすいと思っているのです。


 当たりも宙釣りに比べてわかりやすいです。ヘラブナらしい小当たりを見定めでの釣り方は、一種独特の雰囲気を醸し出してくれます。小さな節当たりを合わせたときの、してやったり感は、何ものにも代えがたい優越感のような、ヘラブナに勝った!と思わせてくれます。
 確かに隣で団子餌をバンバンと打たれしまうと、寄りの遅い両うどんでは太刀打ち出来ないと感じてしまいますが、実はそんな事はなくて、団子餌にも負けない釣果が望めるのです。


 始めに冬期の待ちの釣りに適しているとの評価があるといいましたが、団子のように溶けて無くなるわけではありませんし、グルテンのように針にグルテン繊維がしがみついて、残っているグルテン繊維を食わせようとするのも、うどんのような溶けて無くならない餌として、グルテン団子が開発されたわけですが、うどんだから溶けないのでいつまでも待てるという事と、待ち釣りをする事とは全く別な話です。


 両うどんだとして待っていては、ヘラブナは簡単に答えてはくれません。やはり食い気を起こさせる努力が必要となります。ベテラン釣り師は、もう何パレット打った!と打ち返し数を誇示するのですが、打ち返した数と比例して釣果が伸びるのも、両うどんの底釣りの特徴でもあるのです。


 集魚効果の高い団子餌を打ち過ぎてしまうと、ヘラブナが寄りすぎてしまい、結果として釣り難い状態を作ってしまう事になります。寄せ効果の少ないグルテンでも水面を黒くさせる程、ヘラブナを寄せすぎてしまう事があります。そうなると糸ズレが頻発してしまい、的確な食い当たりが出せずに、釣果を上手く伸ばせなくなってしまいます。
 確かに水温の高い時期になると、流石の両うどんの釣り方をしていたとしても、寄りすぎてしまう事も起きてしまいますので、それなりにコントロールする必要があるのですが、両うどんだからそんなに数は釣れないと思われるのも、うどんに対する先入観というか、誤解がそのように感じさせてしまうのです。


 両団子に比べて両うどんの寄りは確かに遅いです。所詮うどんにまぶしている粉だけが、寄せ餌であるわけですから、団子餌の何分の一かわからない程少量です。だからこそ水面が真っ黒になほど寄せ過ぎなくて、安定した釣り方が続けられる事になるのです。


 また両うどんの話になってしまいましたが、バラケを押さえた両団子の底釣りであれは、同じような釣り方が出来ますので、うどんに対する抵抗感が残っている場合は、両団子か両グルテンやバラグルでも良いので、床釣りを経験して頂きたいと思っているのです。
 宙釣りとは、極端に当たり方に差があると思うのですが、私のような関西人にとっては、その小さなツン当たりこそ、ヘラブナの当たり方だと思っているのです。


 餌が床に着き浮きが静止した後、黒線程度のツン当たりが突如として現れる。その小さな当たりを見逃さずに合わせをくれると、ヘラブナの重量感が竿に伝わります。
 ヘラブナのサイズによって、合わせた竿の立ち上がりが全く違っています。根掛かりをしたように、上げる竿がゴンと途中で止まり、その後にどっしりとした重量感が伝わってくると、それは間違いなく40㎝を超える大助の登場と感じる事が出来ます。
 底で掛けたヘラブナのあの重量感は例えようがないほどですが、同じようなサイズだとしても、水面近く出かけた場合では、遙かに軽く感じてしまいます。


 貴重な出会いをより多く楽しめる長竿の底釣りは、キット虜にしてくれる事でしょう。



 追記:
 底釣り、床釣りは2本バリの両方が底に付いている状態です。
 上針トントンが基本的な状態で、上針で床計りをした水深で釣ります。
 共ズラシは、カラツン対策など食い渋り時に、床の水深より数センチ深く浮きの調整をした状態です。
 オモリベタは、浮きとのバランスを取ったオモリが床に着いる状態で、ハリス全体が底についています。その為短いハリスを使いますが、このスタイルは禁止されている場合があるようです。
 段差の底釣りは、下切りだけが床に着いている状態ですので、底釣り専門池では禁止されています。