両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ダイワ HERA R インプレッション①

 インプレッションを前にご注意!最近ネットでダイワの兆やシマノの独歩のコピー商品が出回っています。よく見ると違いがわかるのですが、竿袋まで似せていますので注意してください!


 今回はダイワHERA R16尺のインプレッション①です。今回は初めて1日中使ってみた印象を述べますが、もう一度使ってみて再度インプレッションしたいと思います。それは1回目と2回目では印象が変わる可能性があるからです。そのため今回は1回目の経験した感想ですから、次回のインプレッションと合わせて読んで頂ければと思います。


 現在中心的に使っている竿は軽量系のHERAFやSです。そのFやSと比べで何がどのように違うのか、また同じように感じるところが多いのか少ないのかを確認してみました。


 今回のHERA Rはダイワ製としては高価な部類に入る竿です。以前から気にはなっていたのですが、やはり高価ですから幾ら気になっていたとしても、なかなか購入するまでには行かなかったのです。まぁ当初はそれ程に食指が動かなかったのも事実です。それはFやSとは、カタログ上でそれ程の違いを感じることが出来なかったからです。


 価格的にはシマノの閃光Lにぶつけてきた製品で、長尺を用意したことでアドバンテージを取ったのでしょう。しかし閃光LもⅡになって長尺と短めを出すことになり、双方が真っ向勝負の様相が見て取れます。その結果として釣り人からの支持も二分されることでしょう。ただ塗装などの仕上げを見ると、閃光に分があるように見えてきます。


 ダイワは1958年に創業していますが、シマノは1970年に釣具事業部が発足していて、釣具としてはダイワの方が老舗でもありますので、個人的にダイワの製品が優秀との印象を持っていました。しかし企業内容や規模を単純に比較すると、シマノに大きく水をあけられている形になります。またこのところはシマノ製の品質が良いとの評判のためか、人気的にもシマノ製が優位に展開しているような印象を受けます。


 発売されたのはいつだったのか調べてみますと2020年の10月です。ということは既に3年余り経過していることになります。初期はそれ程に欲しいとは思わずにいました。それは本式や兆のような優雅な曲がり方をする竿が好きだったためです。またFとの違いもそれ程感じず、その当時は軽量竿特有のヘラブナから伝わる手応えが好きになれず、既に持っていたFも使わずにいましたので食指は動くことはなかったのですが、このところまたまた軽量竿に嗜好が変わってきましたので、ダイワの軽量系としては最高峰のHERA Rを使って見たいと思うようになったのです。
 ただ何度も言いますがスペック表を見る限りですが、Fとの違いが見いだせないとの否定的な思いもあって、購入までには至らなかったのです。


 それがまたまた魔が差してしまってHERA Rの16尺を衝動買いをしてしまったのです。実は釣具店では品薄が続いていてなかなか入荷しないようで、今回は偶然16尺が手に入ることとなり、思わず買ってしまったのです。


 先にも述べましたが同じ16尺でHERA Fを持っていますので、そんなに違いはないだろうと思ってはいるのですが・・・。実はHERA Rは17尺からSUPER-SVFナノプラスが使われていて、16尺はHERA FやSと同じ超高密度SVFカーボンが使用されています。同じ素材を使ってどのような味付けの違いがあるのかを確かめたくて購入することといたしました。
 その味付けの差が価格差を埋めることが出来るのかどうかが評価のポイントになると思います。もし同じような印象を受けたとすると、Fの優秀さが改めて知ることとなりますが、やはりこの高価格帯が納得出来る事を期待します。


 まずスペックです。今回手に入れましたので16尺ですから、16尺で比べますとRが71g、Fが76g、Sが79gです。この程度の差はまさに誤差の程度で、殆ど実感出来るほどの差ではないはずです。閃光LⅡは16.5尺となりますので、重量を単純に比較できないのですが75gです。またRの17尺は16尺と同じ71gですから、この軽さは17尺から素材がSUPER-SVFナノプラスを使った結果と解釈できます。


 また穂先と元竿の太さの差でテーパー度がわかりますが、テーパーが強いほど竿先が軽く感じますので竿の扱いは楽になりますが、表で見る限りこれもそれ程大差ないように見えてきます。


 下記がそれぞれもスペック表です。


 また竿の曲げ調子はFとRは殆ど同じって事になっています。曲がりが腰の強さを表しますのが、比較表だけではやはりFとの違いは見いだせません。

 そして尺数の違いによる調子の表ですが、12~13と28~32尺はわかりますが、15~16と17~26尺はなんとなく解りにくいですね。
 他のへラ竿の調子としては、短竿になるほど本調子側になるのですが、同時に柔らかな調子になりますが、このRは反対に本調子によりながら硬くなる調子体系になっていますが、ダイワの調子体系がこのような調子になっているようです。
 HERA R

 他のダイワの調子体系です。

 シマノの調子体系です。シマノ製の方が短竿になるほど胴調子で柔軟度が高いことが解ります。


 竿袋はなんと金色です!!これはなかなか恥ずかしい色ですが、シマノの普天元 独歩も竿袋は金色でした。ただ独歩の竿袋の方が竿名なども刺繍でしたから、高級感があったように感じます。
 今回のRはこの袋に関しいえば、正直に金色=高級イメージはどうかと思いますが、またHERA Sの竿袋と同じように、一重式で二層式にはなっていません。たしか竿同士がぶつかって傷を付けるのを防ぐこことから二層になっていたと思うのですが、どうして一重を採用しているのでしょう。ただ布地そのものは2重になっています・・・。考え方は色々って事ですね。


 竿はとても地味です。何の変哲もない印象を受けます。釣り場でも栄えることはありません。

 あえて特徴的部分は握りでしょうか。ただ握りそのものはF・S・Xと同じ新触感へらグリップですが、違いとしては新触感塗料かされています。ちょっとラメが入っているような塗装です。餌の汚れが付かない仕様は好感が持てます。


 竿を持った印象では、数値的に違いがないはずですが握りの違いでしょうか、Fよりとても細身に感じます。


 振り込み調子について
 実際に仕掛けを着けて振り込んでみますと、数字以上にとても軽さを感じます。全体としてはとても先調子ですが、胴の張りがあるにもかかわらずその固さを感じさせません。これにはびっくりしました。硬いのに竿さばきはとても軽快に出来ます。この感覚は今までには全く経験したことがありません。


 ただ振りきりでは何の苦もなく振り込めるのですが、送り込みは先調子の竿特有の振り込みにくさを感じます。やはり少し胴調子に振ったFのほうが送り込みは楽ではと感じますが、この点はまた確認したいと思います。


 合わせ調子についいて
 先調子といえばシマノの神威や嵐月ですが、胴が硬すぎて私には手に負えませんでした。それが同じような調子にもかかわらずとても合わせも楽で疲れません。神威では簡単に伸された経験もあります。嵐月では1日使い続けられないほど腕に負担を感じたのですが、それが全く感じません。これには驚きを隠せませんでした。
 空合わせも短竿のように軽く出来てしまいますので、とても楽で使いやすい竿との印象を受けます。


 掛け調子について
 この曲がりを見て頂くと先の方だけが曲がっているのがわかります。ヘラブナのサイズも小さいものでしたから余計ですが。驚くほど楽に引き寄せられます。



 次にもう少し大きなヘラブナを釣り上げたときの曲がりです。やはり圧倒的な先調子に感じます。


 そして35㎝を釣り上げたときの曲がりです。このときもあまり胴から曲がる印象はありません。またヘラブナが突っ込んだときには胴がしっかりと曲がって受け止めていました。ただ他の先調子のサオのように、空いている方の手を添えて引きに耐える必要は全くなく、片手で軽くいなしながら寄せが出来ます。


 このときのヘラブナです。

 35㎝でもとても軽く簡単に浮かせる事が出来たのも驚きです。


 全体としての感想です。
 硬式先調子としてはHERA Vがとても手に入りやすい価格でダイワから販売されています。実は先にVも16.5尺と13.5尺を手に入れたのですが、どちもとても胴が硬くて先が重くて、竿単体の重さからは感じられないほど使い辛かったのですが、このHERA Rの使いやすさにはビックリさせられました。


 正直言いまして高価格帯ですから優秀でなければ困るのですが、想像以上の優秀さを感じました。
 ダイワのコマーシャルメッセージには次のように書かれていました。
「その剛さ想定外!」大型べらにも負けないパワーを確保
軽量=弱いの常識を覆すパワーを実現。
株理論設計による絶妙なバランスと、スムーズな曲がりでパワーを逃がさない『V-ジョイントα』やカーボンブランクスに竹の節のような構造を加えることで、軽量肉薄でもパワーを蓄えられるチャージリングなどにより大型べらを深場から持ち上げる十分なパワーを実現。


 まさにこのコマーシャルメッセージの通りで、腕力を必要としないパワーロッドだと感じました。これには心底驚きが隠せません。スペック上では決してわからなかったことが、実際に餌打ち、餌切り、掛け合わせ、取り込み、どれも一級品と感じました。


 以前HERA FXも所有していまして、Fの硬調子との位置づけでしたが、それに比べてももっと腰が硬くて扱いが軽い竿です。何度も言いますが腰が硬くなればなるほど疲れる竿になるのですが、それを微塵も感じさせないのですから凄い!と感じました。
 まっ大助サイズがまだ釣れていませんので、重量感たっぷりのヘラブナを掛けたときの調子は解りません。いつ釣り上げられるかは解りませんが、その時の感想が書ければと思います。


 F・S・Rの比較です。単純に比べますとFはとても軟調子に感じます。SはFを硬くした印象ですが、Rとの差ほどの違いは感じません。まさにRは次元が違った軽さと硬さを示します。ただしあくまでも16尺で比べたものですから、もっと短竿や長尺では違った印象になる可能性があります。特に17尺からは使用されるカーボン素材が変わりますので、印象も一気に変わるか可能性が高いです。


 今のところ12尺や13尺でRを使うのが良いかどうかはわかりません。個人的には重量なども含めてSで十分だろうと感じています。私も14や15尺はSを利用していますが、今のところ全く不自由は感じていません。実はRの16尺ではなくてSの16尺を手に入れようかとも思ったほどです。


 ただ敢えてRの難点を取り上げるとすると、小ベラでは即浮かせてしまいますので引き味が楽しめません。兆のような本調子の方が余程楽しめますので、何を求めるかによって使用する竿は使い分けるべきでしょう。


 最後に価格に見合った竿なのかどうかですが、日常使いとしてはFやSで十分ではと感じます。敢えてRを購入する必要はないと思うのですが、購入して失敗だとは感じないでしょう。やはり価格には意味があると改めて感じられるものでした。
 実際他の竿では購入して即失敗だと感じるものもあったのも事実です。期待も込めて購入したにも拘わらずガッカリさせられるのです。メーカーの技術者は別として、釣り師としてアドバイザーはどのように感じられたのだろうと思ってしまいます。長い経験を通して竿作りにアドバイスする立場でしょうから、底から出来てきた新製品を紹介する段階で、誰でも使いやすいような美辞麗句を並べているのは困ったものです。


 日曜釣り師は素人集団です。我こそはとの腕自慢だったとしても、竿さばきが全て上手いとは限りません。そんな日曜釣り師が使う竿として竿作りに協力し、どんなシチュエーションに向いているのかは、竿の特徴をしっかりと説明する責任があると個人的には思っています。それこそ非力には向いてないとはいえないのでああれば、腕力のある人向きとの紹介でも良いのではと思います。まっメーカーお抱えですから難しい立場なんでしょう。


 そういう意味からも素人の私が使ってみての感想ですから、理解して戴けるのではと思いますが、同時に私より遙かに釣技に優れた方が使用すると、もっとその良さが解って戴けるのではと思う今回のHERA Rでした。高価格帯ですから誰にでもお勧めとは言い難いのですが、お薦めの竿の1本には違いないと思いました。


 今回の印象が再度使うことで同じ印象を得られるか、それともまた違った側面が見えてくるか。次の出番はまだ先になりますが、また使ってそのときの感想を取り上げたいと思います。