両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 浮きの動きによる演出

 仕掛けに浮きをセットして浮きに合ったオモリも付け餌をつけて振り込みますと、基本的に浮きが立ってから針と餌の重さで静かに浮きが沈んで行きます。そしてバランスを取れたところで静止するはずです。そこが餌が付いているいわゆるなじみ巾が出た状態です。そしそて餌が落ちて浮きが戻った位置が餌落ちメモリとなります。


 浮きが立つメカニズムは浮きとバランスが取れたオモリによるのですが、そのオモリによって浮きを水中に引き込むためには浮きが立ち上がる必要があります。浮きが立ち上がるためには水面に横たわっている浮きが水の表面張力から解放される必要があります。


 表面張力については大人なら誰でも知っているはずで、コップになみなみと入れた水がコップの縁より盛り上がって見える状態をいいますよね。蓮の葉の上をコロコロと転がる水玉も表面張力によるもので実は水は球体になりたがるのです。この現象をロータス効果といいますがこの解説はまたの機会として、ではどうして表面張力が起きてしますのでしょう。これは分子間力によるものなんです。水分子には+と-がありそれらか結びついている状態つまり互いに引き合っているのですが、そのチカラを分子間力と表現します。


 さて餌を打ち込むと浮きは水面に横になって浮いています。浮きが水面に接している部分には表面張力が働いています。そのために水面から簡単に剥がすことが出来ないのです。
 手を洗うと手が濡れますよね。乾いたタオルで拭き取らない限り何時までも手が濡れたままになります。簡単に水は剥がれずに手に附着していますが、同じ事が浮きににも働いているために浮きは簡単に立ち上がらないのです。


 そうそう子供や若い人はシャワーを掛けてもポロポロとはじかれて落ちますが、歳と共にシャワーの水が身体にまとわりつくようになったと思いますが、それは身体の表面のシワや乾燥などの状態によって水が付着しやすくなっていることを意味します。つまり浮きも汚れが酷くなると表面張力が強く働いて、簡単に浮きが立ち上がらなくなってしまいます。


 浮きが立つためには附着している水面から引き剥がす必要があるのですが、そのチカラは浮きとのオモリバランスを取ったものですから、幾ら早く立たせたいと思ってもオモリを重くすることは出来ませんな。


 つまり浮きを素早く立たせたいのであれば、表面張力を出来るだけ働かせないために浮きを常に綺麗にしておくことで、塗装も塗り立てがよく古い浮きになればなるほど表面に細かな傷がついて、水との粘りが強く出るので立ち上がりが遅くなってしまいます。また表面積の差でトップが短いほど早く立ち長いほど簡単には立ち上がらない浮きになります。


 基本浮きのトップの素材や形状によって立ち上がり速度に違いが出るのですが、トップが硬いほと早く柔らかいほど立ち上がりが遅くなります。その特性を上手く利用して当たりの出し方に繋げることも可能になります。


 つまり何が何でも早く立ち上がられる必要はなく、反対に状況に寄って遅い立ち上がりは釣果に結びつき難くなります。
 当然のことですが狙った棚が浅いほど素早く立ち上がった方が良く、深いほどゆっくり立ち上がれば良いことになるのですが、それもまた状況に合わせて調整をする必要がありますので、浮きによるコントロールをしようとすると、思った以上に浮きの種類は必要になったりします。
 ただ浮きのサイズを段階的に揃える必要はなく、多く使用するサイズで畜養の違う浮きを用意するのが正解と思っています。浮きを変えるだけで当たりが出るようになった経験もされていると思いますが、案外その浮きの立ち上がり速度の差かも知れません。是非色々と実験されて自分なりの答えを見つけてみて下さい。