両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 道糸とハリス 1

 仕掛けを作る時にはどのような基準で道糸やハリスを選ばれているでしょう。メーカー名でしょうか。価格でしょうか。正確な情報は持ち合わせていないのですが、価格差は製造技術差に置き換えることが出来るのではないかと思っています。勿論企業努力をされていて低価格でも製品の安定性を確保されているメーカーもあるとは思うのですが、高品質な製品を作るためにはどうしても原価率が高くなるのが当たり前です。ただ反対に低価格の粗悪品もあるのも間違いなく、仕掛け糸は一般社団法人日本釣用品工業会で釣用品の標準規格(JAFS)が決められています。
http://jaftma.or.jp/standard/pdf/nylon.pdf


 ただここで決められているのは号数に対して何㎜かとの直径の規格であって、強度は全く関係ないのです。一応の目安があるのですがメーカーとして保証する強度はのある糸にはld(ポンド)表記されています。ざっとした換算ですが1号の糸が4ldとされていますので強度は1.8㎏になります。つまり1.8㎏の強さで切れるのであって1.8㎏に耐えるという意味ではありません。反対にいいますと1.7㎏では切れないのです。
 しかし本来は1号の糸の規定は0.165㎜との規定があるだけですから、強度にはバラツキがあるはずで、粗悪品は直径の安定がありませんので細くなっているところに集中してチカラが加わりその部分が伸びて切れてしまいます。


 正確に何㎜と確認したわけではありませんが、低価格な製品でも強度のあるタイプがあるのですが、実は工業会の規定より比較的太く作られていると感じています。あくまでも感覚程度ですからメーカー名は省きますが、高価格な製品にはメーカー独自の場合によっては特許技術を利用して作られています。その1つが東レの製品です。


 特に道糸に求められているのが「寸法安定性」です。道糸は魚とのやり取りをしている間には伸びたり縮んだりを繰り返し、ヘラブナを取り込んだ後は伸びた量だけ元に戻ってくれなければなりません。もし伸びたままになると棚ボケを起こしてしまいますので、元に戻る性質はとても重要です。また的確な合わせエネルギーが針先にまで伝わらなければなりませんので、極端に伸びては困りますが適度な柔軟度でなければなりません。

 *このスーパープロプラスは特に柔軟度が高い製品ですから、細仕掛けを使う場合に最適と感じています。


 ただ道糸が的確な合わせエネルギーを伝えたとしても、道糸より細いハリスは簡単に破断してしまいます。そこでハリスには良く伸びる性質が付けられています。但し道糸にあるような寸法安定性は付加されていなくて、極細でも切れない高性能な製品となっています。そのため伸びがとても良いのです。伸びることで破断を防いでいますので、合わせショックで切れることは少ないのですが、寸法安定性が付加されていませんので何枚も釣り上げることで伸びている可能性があります。


 その結果棚ボケを起こしている可能性もありますので、当たりが遠くなったり当たりの出方が変わったと感じた場合には、再度床取りのし直しをして浮き下の確認をすることでしょう。また何枚も釣り上げている場合はハリスの交換も考えなければならない可能性もあります。
 


今回のブログについては東レ・モノフィラメントフイッシング部のご協力を得ました。
 参考文献:
東レ・モノフィラメントフィッシング部