両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 針の形状

 何度かヘラブナ釣り用の針については書いていますが、もう少し針について深掘りをしてみたいと思います。


 現在の釣り針の産地は兵庫県の西脇市周辺ですが、元々その技術は京都から持ち帰ったとされています。また世界最古級の釣り針は沖縄から発見されて2万3千年前の物とされています。ただその釣り針は釣りを知らない人の意見ではないかと思ったりしています。この形状で魚が掛かるとは思えないんです。実は縫い針としてはロシアで5万年前の物が発見されているので縫い針ではないかと思うのですが如何でしょう。
 

 こちら縄文時代に発見された針ですが現在の針の形状をしていますので釣り上げられるでしょう。


 
 また私の記憶が間違いなければU字型の釣り針も発見されていますが、それ以前の撞木針の方が古い形状だったはずです。ということはU字型の針の方が新しいはずですから最古の針が湾曲していること自体が間違いではないかと思ったりしています。
 現在撞木針として売られているのは一般的な釣り針の形状をしていますので別物で、撞木針の形状は木綿針を思い描くとわかりやすく、片方が尖っていてもう片方が糸を通す穴がありますがその穴をなくして両端を削った1本針です。その1本針の真ん中に糸を結びつけるのですが、その真っ直ぐになっている針にミミズやゴカイを刺して魚に食わせ、その糸を思いっきり引くことで魚の口の中でその針が横になって刺るので釣り上げられる寸法です。
 この写真の下にある両端が削られている形状が撞木形の針です。


 スタートから横道に逸れてしまいましたが、ヘラブナ用の針形状は私的には今のところ関東スレ以外は使わないようにしていますのでこの深掘りも意味がないのですが、色々な考えの基となる情報が発信できればと思って整理の意味も込めて書き出してみたいと思います。



 まず針のヘラブナ釣り用針として基本形状は関東スレと改良ヤラズだと思っていますが、針は餌やヘラブナの食う角度などを考慮されて考え出されたと思うのですが、針掛かりの良さや針外れなども重要な要素だろうと思います。



 針の掛かり方という意味で話を進める上で少し横道に逸れてから話を戻すことと致しましょう。


 まず針掛かりとしてとても重要な釣り方があります。それはなんといっても鮎の共釣りでしょう。鮎の共釣りとはご存じのようにおとり鮎を、野鮎が持っている縄張りに侵入させて、それを追い払うように追いかける野鮎を掛けて釣る方法です。
 この場合の最良の掛かり場所が背掛かりと称する鮎の背中に掛かった状態です。つまりヘラブナでいうところのスレ掛かりですが、針先が鈍ったりしていると鮎の腹やヒレ近くに掛かってしまうのですが、針先さえ鈍っていなければしっかりと背中の何も変化のない部分に掛かります。


 この鮎の共釣りで使う針も多数の形状が用意されているのですが、鮎針の基本形が狐と称する針です。

 このキツネ針で背掛かりするのですが、ヘラ釣り用の改良ヤラズと形状が似ていると思いませんか?
 キツネの形状は改良ヤラズよりは針先が内向きですが、それは3本イカリや4本イカリを作っておとり鮎に取り付けていますので、どうしても針が川の底をゴトゴトし引きずるようにもなってしまいます。そこで針先を保護するためと瀬に針掛かりしてしまわないために内向きになっています。
 ただもっと早く掛ける溜の針は針先が開いているタイプで新改良スレ針があります。コレなどは明らかに外向きに開いていますが、より掛かりが早い事を想定して作られている針です。


 そこでヘラブナ用の針ですが団子餌を想定して作られている改良ヤラズは鮎釣りのキツネ針の形状に似ていないでしょうか。結果として関東スレの形状よりスレ掛かりしやすいのではと思ってしまいます。


 鮎釣りはスレ掛けが基本ですからよりスレになりやすい形状は当然ですが、鮎釣り用の喰わせ針はやはり軸は長いのですが針の基本形をしています。つまり喰わせ針はヤラズの形状をしていないことが解ります。


 ただ面白い事に渓流用の針は少し事情が違っているのか、鮎のキツネ針と同じ形状をしているのです。ただその針もマス針と称する形状がこれです。半スレですから返りが付いています。



 不思議なことに同じ渓流魚にも拘わらずヤマメ針は関東スレと同じ形状となっています。


 ついでの話ですがスズキ(フッコ)用の針は改良スレ型なんです

 マスやとセイゴ(スズキの若魚)は肉食魚のために口内深くまで飲み込んでしまいます。その為に口内深くに針掛かりしないために、滑り出して唇近くに掛かる形状となっていると想像できます。


 このような事情で私的には関東スレ限定で使っていることになるのですが、だからといって関東スレを使うとスレ掛かりしないかというとそうでもないのです。下記の図で解るように関東スレは懐が広く針先が立っていますので、改良スレより掛かりが良いように感じますが、針先が掛かっても軸と針先が平行ですからポンと外れやすいのかも知れません。
 改良ヤラズは針先が内向きですから一端針先が掛かると軸に対して内向きですから、より深く刺さり込み外れることはない形状と感じています。
 つまり口の中に掛かり易さからは関東スレに軍配が上がると思いますが、しっかり針掛かりする形状は間違いなく改良スレと思われます。


 もう一つ悩ませているものとして針先にひねりが掛けられている形状です。ひねりが付いているために口掛かりしやすいと言われているのですが、私的には???と疑問が多く付いてしまって使っていないのですが、実はひねりも針先から見て右に傾いているものを「ひねり」と称し左に傾いている形状を「かねり」と称します。
 ではひねり加工がされていない針形状は何というかですが実はベタと称するのですが、余り知らなくて良い情報だったかも知れないですね(笑)。


 針がどうして口の中で刺さるのかはこのブログで以前書きましたが、物理の法則で間違いなく針先から口の中に入るようになります。1度実験されたら良いのですがハリスを着けた針をストローで吸い込んでみて下さい。針がどちらに向いていたとしても間違いなく針先がストローの方へ向くはずです。
 この物理の法則は軽い方が引かれることに起因しています。軸より針先側の方が短いので間違いなく針先側が軽いためです。しかし抵抗なく針先が回転してくれるためには、ハリスの柔軟度はとても重要ですからハリス選びもその点を重視することになると思います。