両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 邪道な底釣りのすゝめ2

 福沢諭吉の学問のすゝめはとても有名ですが、何故か間違った捉え方をされている場合があります。有名な台詞のある箇所だけがどうも一人歩きをしているようで、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」の解釈を「人はみな平等だ」と捉えられています。
 もしその意味が正解だとするとなにも「学問のすゝめ」を書く必要はないのですが、本来福沢諭吉が言いたかったことは「賢人と愚人との別は」との台詞に現れています。 「人は生まれながらにして貴賤貧富の別なし。ただ学問を勤めて物事をよく知る者は貴人となり富人となり、無学なる者は貧人となり下人となるなり」と書かれているのです。
 つまり学問を学ぶことで賢人となる、学問を学ばなければ愚人となるとのことで、まさに学問のすゝめとなります。人には生まれながらの差がなかったとしても学問を学ぶものと学ばざるもとには違いが出るという意味です。だから「学問のすゝめ」となったわけです・


 ヘラブナ釣りに於いて学問のすゝめを解説しても意味がないのですが、今回は底釣りではタブーとされる上ずりを敢えて起こしてしまおうとのお話です。元々底釣りを成立させるためには上ずりは厳禁で、底の餌を食わなくなるので如何にして上ずらせないかがとても重要な要素となっていました。それは至極当然の解釈ではあるので決して間違いではないのですが、今回は上ずりを恐れずに餌打ちを繰り返して、それでもなお底釣りを成立させてしまおうとするお話です。


 底釣りで上ずらせるとヘラブナは上へ上へと餌を求めるがために底釣りが崩壊してしまう。これは1つの確信でもありますが人が勝手に想像で作り上げた思い込みも含まれています。結果的に少々上ずらせたところで釣果が落ちるより、思った以上に釣果が伸びる場合があるのです。そのため少々の上ずりなど気にする必要はないと思えるのです。ただし上ずりを気にしなくて良い時期は限られていて、盛期のアッという間にヘラブナが寄っててしまう時期や、水深がとても深いポイントでは成り立ちません。


 イメージとしては水深が2.5m以内のポイントで理想的には2mより浅いポイントが良いように感じています。少々上ずったところで底にもヘラブナがいる状態でなければならないからで、水深の深い場所では流石に上ずりが強いと底では食い難くなくなります。そのためどこでも通用するというものではありませんので様子を見ながらではあるのですが、また注意すべき点として底釣りを静かにされている釣り人の横で上ずらせると流石に嫌がられますから、釣り人の少ないポイントで試す事です。


 上ずるといってもあくまでも底釣りを成立させるのですから、浮くような軽い餌や中層を漂う餌は使えません。あくまでも重い餌で底に沈む餌である必要がありますが、上ずらせようとした餌の使い方ではなくて、底釣り用の餌を繰り返し打ち込むことで結果として上ずってしまう現象を作り上げるのです。つまり上ずりを怖がらずに頻繁に餌打ちをする事で、ポイントにヘラブナを集めてしまう方法です。


 うどん餌の場合は上ずらせないためにまぶし粉を押さえつけたり、ノリやドロを使って剥がれにくくするのですが、それを敢えてまぶし粉を簡単に付けてそのまま打ち込んでしまいます。当然剥がれ易くなっていますので上ずりが激しくなります。ただまぶし粉には重さがありますので自然に底に沈んでいきます。また全てが水面で剥がれることはありませんので、うどんに附着したまぶし粉がうどんと共に沈んで行きます。


 これは団子餌でも同じ事で底釣り用の餌を使いながらも、押し練りを控えて開きを早くした餌の状態で餌打ちを繰り返します。集魚効果は水面を見ていればわかるほど寄って来ますから、その段階でもう一団押し練りをして開きを抑えてしまいます。そうしなければ上で揉まれて餌が底まで保たないのです。または上で食われてしまって底釣りではなくなってしまいますので、あくまでも底釣りを成立させるためには底で食ってくれる状態の餌に仕上げなければなりません、


 邪道とされている上ずりを気にせずに餌打ちを繰り返すことは、集魚効果を狙った釣り方ですから食い当たりが出るのも早く、1日中当たりが出て大釣りが出来る方法となります。ただあくまでも邪道ですから他の釣り人に嫌われる可能性はあるのですが、底釣りは1つのスタイルではあるので底でさえ食わすことが出来ればそれでいいともいえるのです。釣りの形を守るのが本来ですから、底釣りらしいツン当たりを求めながら釣果を伸ばすことになります。今回はヘラブナを如何に釣り上げるかがの目的ですから、いわゆる底釣りのすゝめではなくヘラブナ釣りのすゝめと表現すべきでしょうか。
 だったら始めから宙釣りをすればとの声がどこからか聞こえてきそうですが、やはり底釣りのツン当たりを求めたい天邪鬼的思いがあるのです。


 実際上ずったところで全てのヘラブナが上ずっているわけではなく、底・中層・上層と棲み分けていますので、それを上手く利用して釣果を伸ばそうって事です。


 写真のように浮きの周りに寄ってるのが見える状態にまで持ち込むのです。