両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 養殖場の餌から釣り餌を考える

 養魚場用のペレット餌については以前少し書きましたが今回もう少し掘り起こしたいと思います。


 ヘラブナの養殖飼料にはペレットが使われているのが基本ですが、そのペレットの内容物については随分と違いがあるようです。
 ある一定のサイズで飼育を目的とした成長抑制飼料などもあるようで、ある一定のサイズに達すると成長を遅らせて同じサイズばかりが揃うようにします。基本的には成長させるためのペレットであると思って良いのでしょうが、養殖用の飼料ですから病気に罹りにくいとか水を汚さないとかの条件がつきます。そういう意味では飼料と釣り用の餌とは随分と違っているはずです。


 生産者側からの論理でいえば低コストで生産したいに違いありません。その為にも病気や水質悪化を防いで目減りを少なくするのが最も重要な部分ではあるのですが、毎日与えている飼料そのものも低価格であった方が良いに決まっています。というのも養殖業として原価率が高いのが飼料で原価の約70%を締めるととされています。


 ペレットというと主成分は魚粉となっています。海水魚の場合は成長過程にもよるのですが50%~80%もの高比率で配合されています。淡水魚の場合はそこまで必要ではないのですが、比較的魚粉率が多いのがコイで断トツに多いのはウナギ用です。ではフナ用はどうかというと50%以下のものが多いようです。


 ペレットの主成分は魚粉ですが他に多いのが大豆カスそして米ぬか等です。この成分の中で一番高価なのが当然魚粉ですからこの魚粉の代替え品が模索されていているのですが、魚粉に使われている魚としてはジャックマカレル・カタクチイワシ・マイワシなどが使われています。ジャックマカレルなんと魚名は聞き慣れないと思いますが外国産のアジの仲間です。

 輸入物だとしてもそこそこ高価ですから代替え品はないかとなるのですが、当然ヘラブナ用の飼料よりは海水魚の鯛などの方が余程生産が盛んですから、鯛などの飼料から研究がなされて、これはシルクロース®として認知されれるようになっています。


 初めに手を着けたのがオキアミです。海水魚の食いが良いのは既に解っていましたので難なく生産に漕ぎ着けられているのですが、この傾向はフナやコイの養殖にも取り入れられています。
 次が昆虫です。昔からコイの餌や釣り餌に使われていた蚕のサナギです。コイに与えるときはサナギをその形のまま池に撒いて食わせているのですが、飼料に含有させる方法も取り入れられています。
 次も昆虫ですがワカサギ釣り餌としても売られているハエの幼虫やサナギです。こちらも科学技術振興財団によってテストされて有効性が証明されています。


 実はもう一つチキンミールなるものが使われています。チキンミールには色々悪い噂はあるのですがペットフード安全法に則って生産されている場合は危険は無いとされています。チキンミールとは鶏の可食部分を取り除いた部分をいうのですが、頭部や足・内臓そして羽根が使われています。


 この含有物の中で釣り人が極普通に手に入るのが魚粉・オキアミ・サナギでしょうか。ハエの幼虫は生き餌ですから使えませんしチキンミールは素人には手に入らないものです。


 サナギは釣具店で簡単に手に入りますが、ヘラブナ釣りではそれ程有効とは私的には思ってないんですが、オキアミの粉末と魚粉は海水魚用の餌が売られている店では手に入りますが、こちらも実験してみましたがあまり有効性は認めることが出来ませんでした。サナギ粉同様に使い方を間違えていたかも知れませんが全く有効とは感じなかったんです。


 養殖場はある特殊な環境の中にあると思っています。給餌時間が決まっていて条件反射的に飼料が撒かれると争って食っています。その環境の中であれば少々好みではないものが混ざっていたとしても、結果として魚体が成長し生産性が上がれば良いのですから、釣り餌とは根本的なところで考えか方の違いがあるのではと思います。


 またアミノ酸が有効である事も実は解っているのですが、ヘラブナ釣りに於いてはある程度の有効性があるのは認められています。ただ私も過去に水産試験場の試験官から教わったアミノ酸グリシンとアラニンを試してみたことがあります。今は使わないようになっているのですが不思議とヘラブナの動きを活発にする添加剤でした。


 他にも有効成分があります。それはビール酵母です。大量に使うと上ずったりヘラブナがはしゃぎすぎて釣りを壊してしまいますから使用量にはとても注意が必要な添加剤で、イメージとしては5%では多すぎます。ふりかけ程度と考えるべきだろうと思うのですが、私のような両うどんの底釣りをしているものが使うと、簡単に上ずらせてしまうので厳寒期に極々少量をふりかけて使用するようにしています。
 これは1つの答えになってしまいますがいつもいつも有効ではなくて、いや良く寄るのですが効果がありすぎる盛期には使うのは控える方が良いようです。


 ビール酵母には元は同じものですが使用目的によって違っています。人が食する健康食品レベルのものから、猫などの家畜に使用する動物飼料レベルのもの、そして土壌改良に使われるような農業レベルのものがあります。
 人用はやはり一番高価ですから動物用を使用するようにしています。といっても殆ど使わないんですけどね・・・。


 ヘラブナ釣り用の餌には色々なものが販売されています。内容物については殆ど詳しいことは書かれていないのですが、大まかなことが書かれていますのでその含有物の違いでその餌の特徴が出ているのは間違いなさそうです。
 その内容を良く読んで自分なりの餌を作り上げて、他を圧倒することが出来たとするとそれはそれは気持ちの良いものではないでしょうか。


 な~んて書いていますが私的には最後の最後にたどり着いた餌は、実は何の混ざりもないマッシュ粉だったのです・・・というオチでした(笑)。


 冬季限定ですがもう一つここに訪れられた方に対するサービス情報です。実はペレットの中に撒き餌用が売られています。本来の使い方はヘラブナ用ではなさそうですが、その撒き餌用ペレットには大中小とペレット粒のサイズ違いがあります。そのサイズ違いで実は成分が違っているのですがお薦めはその中の大のサイズです。実はこのペレットにだけ魚の内臓も原料として使われているのです。他のサイズのペレットとは明らかに臭いが違っているので確認できると思いますが、その強烈な匂い成分が冬期のヘラブナに対して有効だと私的は思っていますので、貧果に落ち込んでしまったときに1度試されるのは如何でしょう。他の餌よりとても安価ですから有効でなかったとしても後悔はしないのではと思います。
 ただとても乾燥したペレットですから砕くのが大変です。コーヒーミルで砕きますがそれはれそはチカラが必要で途中で嫌になってしまいました。