両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り ナイロン道糸の選び方・考え方

 仕掛け糸に関しては何度か取り上げているのですが、仕掛け作りの理屈として再度取り上げてみたいと思います。


 まず道糸ですが色々な種類があったとしても基本はナイロン糸でしょう。ナイロン糸は吸水性があるために時間の経過による変化が起きてしまいます。その為に高級な道糸は吸水性を抑えた加工をしてナイロンの性質を変える技術が使われたりしています。
 その加工によって吸水性が抑えられるために、引っ張り強度の劣化なども起きにくいこととなり、結果として結び目でのラインブレイクなども起きにくい製品となっています。但しそのような加工や色々な技術が使われている製品は高価ですから、高級品を購入するだけで信頼の置ける道糸であることは間違いなさそうです。


 ただ実際1日の釣りの中でどの程度の変化が起きているかどうかです。簡単な考え方として仮に道糸に変化が起きていたとしてもその変化は道糸の全長に比例するはずですから、8尺より18尺の道糸の方が変化が大きいはずです。


 その一つの変化は道糸の吸水によって道糸が重くなり、浮きのバランスが変化してしまうことです。仮に餌落ちメモリが10節の内7節目だと仮定しますといつしか6節目程に沈めてしまっている場合があります。その結果としてカラツンが増えたり当たりが小さくなったりと、最終的には釣果に影響が現れると考えられます。


 もう一つの変化は道糸の吸水による伸びです。吸水することで柔軟度が増して道糸全体が柔らかくなり、ヘラブナを何度か掛けることで伸びてしまいます。こちらの場合も浮きの出方が変わっている事がありますが、それ以上に伸びているのですから浮き下に変化が起きてしまいます。特にバランスの底釣りの場合は再度床を測り直して浮き下調整をし直す必要があります。


 もう一つは不思議と縮んでしまうことがあります。どうして縮むのか解らないのですが、想像するとナイロン糸は引っ張ると伸びるのですがその力を抜くと元に戻ろうとします。この時戻りが多く出てしまって結果として縮んでしまっていることを考えられます。勿論この場合も浮き下に変化が起きていると思って良いはずです。


 この現象による影響は宙釣りよりもバランスの底釣りの方が変化が感じやすくて、床が最初に測ったときよりズレている事で確認できるのです。ただその場合の多くは道糸の伸び縮みではなくて、床が掘れたと解釈されている場合が多いと感じています。


 では8尺程度だと変化は感じるのかどうかですが私的には殆ど感じていません。ただ18尺の場合は竿の柔軟性を利用してやり取りできていますが、8尺ではショックアブソーバーとしての役割が小さいためにラインブレイクしやすいと感じています。


 そこで一つの考え方として18尺では0.8号の道糸を使っていたとしても、8尺では1号を使うことでライントラブルは減るのではと思うのです。ただ反対の考え方もあって18尺だからこそ変化しにくいように1号を使うべきだとの考え方です。さぁて困りました。実際はどちらが正解なんでしょう。
 その答えの一つが、高級品の道糸を使っている限り0.8号で良く、普及品であれば1号程度を使うべきだろうとの事です。とはいえ私のような小市民は低額の商品で0.8号を使い続けています。実際使って見ますと細い道糸ほどとても素直な動きをしてくれて、特に軽いオモリを背負う浮きを使った場合はその特性を強く感じます。反対にいうとしっかりとオモリの背負う浮きを使った場合には、それほどの違いは感じないのかも知れませんね。


 またもう一つの考え方としては、道糸が沈みやすい加工がされているかどうかです。沈みやすいということは比重が重いのですから、全長が長くなるほど余計な沈み込みをしてしまいます。結果として浮きに出る負荷量が違ってきますので、宙釣りやチョウチンでは良いとしてもバランスの底釣りでは浮きバランスを狂わせてしまうので、沈みの良い道糸は釣り方として楽ですが使わない方が良いようにも感じます。


 私のような小市民は普及品より安い低価格品を使っていますが、低価格品は高級品のような加工がされていません。反対に強度を出すために実は低価格品は高級品よりやや太く作られていたりしますのでラインブレイクが置きにくいんですよね。
 また低額の道糸であればあるほど平行巻がされているかどうかを確認して、少しでも真円が維持できている事を担保として使うようにしています。実は有名メーカーの低額商品があるのですが、重ね巻きがしてあるためか簡単にラインブレイクしてしまうんです。


 でも低額商品はどんなものを選んだとしても絶対的強度が不足しているのは事実のようで、先日ですが我が天釣会の菱田規定委員長が高切れされたので道糸を掛けて救助していたら、まだヘラブナが掛かったままだったこともあり仕掛けを引っ掛けると走られて、こちらの道糸が簡単に切れてしまったのです。聞くと同じ0.8号だったのですがやはり高級品の方が強いことが証明された一瞬だったのです(T-T)。