雑談 絵画鑑賞
私はにわか鑑賞家ですからいい加減なものですが、何度か通うことで色々と発見することがありました。それを少しお伝えしておくと、鑑賞時に少しは役立つのではとのお節介なお話です(笑)。
絵画鑑賞される方に一度体験して戴きたいのですが、西洋画を見る場合の最大のポイントは、絵画を見る立ち位置です。つまり絵画までの距離そのものです。ルーペンスの教会画のように遠くから眺める絵は、展覧会でも距離を取って見るとその絵の真意が伝わり、その絵が何を伝えたいか如実に理解できます。光の方角から風の向きやその強さ、何を強調したいのかも理解できます。それをなにもかも一緒くたに近い距離で見る人がいますが、それでは本来の価値の半分も見いだすことが出来ないのです。
また日本画の場合は、岩絵の具が使われるのですが、天然岩絵の具と人工岩絵の具があります。天然の方がとんでもなく高価ですが、人工岩絵の具でも泥絵の具に比べると高価です。勿論人工でも水彩絵の具とは比べものにならないのですが、白色などは胡粉が使われていて、盛り上がるように塗られているので、胡粉が使われているかどうか直ぐに解ります。この胡粉は貝殻を砕いたもので多くはホタテ貝で、我が家の近くで作られている工場がありますが、貝殻がうずたかく積まれていたりします。
岩絵の具が使われている日本画を近くで見ると、使われている素材がキラキラと光を反射して良くわかります。ただ日本画は西洋画と違って輪郭線を書くのが好きになれないところです。日本画の特徴でもあるので仕方ないのですが、西洋画では陰影で輪郭を表現するのに日本画は・・・まっ良しとしましょう(笑)。
反対に近くから見ることで理解できるのが浮世絵です。版画を近くて見る事で刷り跡も見る事が出来ます。本物の浮世絵は木版画ですが、擦られた木の年輪までクッキリと見る事が出来るのです。
またフェルメールの「青いターバンの少女」は、近くで見れば見るほど青の鮮やかさが見て取れます。カタログやプリントされた本やポスターからは、決して感じ取る事が出来ない鮮やかさで、それはそれは素晴らしいと感じることが出来ます。その光の演出は日本画では感じないところですね。
そしてもう一つが写真を見るポイントですが、それは片目で見ることにつきます。カメラは1眼で撮られていますので、裸眼で見るような立体感のある奥行きが感じられません。しかし撮ったカメラと同じように片目で写真を見ると、アラ不思議!奥行きのある立会写真となります。これはピントが合っている被写体が浮き出て見ることが出来るからです。
まぁ私なんかもにわか美出鑑賞家でいい加減なものですが、一頃は美術館の年間会員になって見に行っていたものです。残念ながら最近はヘラブナ釣りが忙しくなり余裕がないんですよねぇ。
また行きたい思うもあるのですが、ヘラブナの釣り味が足を池へと向かわせてしまいます。ヘラブナ釣りも鑑賞に堪える代物であれば良いのですが、釣りファッションは到底ルアー釣りには及びも付かないんですよね。