両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り ヘラ竿の購入前に

 先のブログで今更ながらの竿選びとして書きましたが、今回はもう少し具体的な例として書き上げてみました。


 竿を選ぶ場合どんな基準で選ぶでしょう。1つは価格であるのは間違いありません。その場合懐に優しい価格帯であるのも大きな条件になると思うのですが、その場合の価格帯とはいったいどの程度のものを言うのでしょう。


 15尺で見てみますとダイワであれば陽舟はオープン価格ですが、天峰総塗は17,000円、月光は31,000円、ヘラXは47,000円、ヘラFは56,500円、聖は64,300円、ヘラSは67,000円、ヘラFXは73,000円、龍聖は80,000円、兆は80,500円、荒法師は87,000円、枯法師は97,500円となっています。
 シマノでは、かすみでは16,700円、刀春は25,700円、景仙 桔梗は34,600円、剛舟は47,900円、月影は54,000円、翼は55,400円、朱紋峰 本式は76,500円、飛天弓 閃光XXは83,600円、神威は84,300円、朱紋峰 嵐月は84,300円、朱紋峰 煉は85,200円、飛天弓 皆空は87,000円、普天元 独歩は106,400円となっています。
 ダイワとシマノであれば実勢価格としては3割程度の値引きがされていますので、もう少し手に入りやすい価格になります。


 このように一般的なアイテムでも価格差が大きく上位機種はなかなか手が出ないのですが、かといって低価格帯のヘラ竿は何となく納得しがたい部分があると感じています。私自身低価格のダイワ陽舟も持っていますしシマノのかすみも持っています。ダイワの天峰剣なんてのはとても好きな竿の調子ではあるのですが、今では竿が魚に取られても回収が困難な池限定に使っています。一般的なヘラ師の皆さんは野池にも行かれるでしょうから、野池こそ高価な竿を使って鯉にでも取られてしまうと簡単には回収できませんよね。低価格帯の方があきらめが付くといいますか、紛失したとしても精神衛生上でも安心して釣り込めるというものでしょう。


 ある程度の経験を積んでからの竿選びとしてはどうなるのでしょう。勿論高価な竿を使ったから良く釣れるというものではありません。竿選びはあくまでも自己満足の範囲になるのではないかと思うのですが、竿の銘柄や調子より尺数の方が重要な判断材料となるのでしょう。
 しかしヘラブナ釣りは趣味性の高い釣りですから、何を持つことで満足できるかとなるはずです。そうなると価格も重要な判断材料になるのではないでしょうか。当然そこには銘柄として竿の知名度も加味されてもおかしくはないでしょう。
 各メーカーのフラッグシップの竿はとても有名で、ダイワの枯法師にシマノの独歩は超有名どころでしょう。今年シマノでは獅子吼が発売されて15尺で114,000円ともう一ランク上位機種が出ましたので、これからは高価格帯競争が始まるのかも知れません。


 竿の名前に釣られて買ってはみたが腕力や釣り方など、使いこなせないなんてことも起きてしまいます。低価格のヘラ竿ならまだあきらめが付くでしょうが、高価格帯になればなるほど落胆度合いは増えてしまいます。
 やはり竿選びに失敗しないためにもその特徴をしっかりと捉えておく必要があるでしょう。つまり価格よりも竿の調子の方が重要となるはずです。しかし実際釣具店で竿を繋いだとしてもはっきり言いまして釣り調子とはかけ離れています。腰が強くて腕力が必要な煉を単に竿を繋いで合わせ動作をしても、とても軽く腰の強さや水切れの抵抗感など想像すら出来ません。釣り場で仕掛けをつけて振り込み合わせ動作や取り込みでのヘラブナの引きに耐える状態など、釣具店で感じた竿の軽快感などどこかに消えてしまったかのようなしっかり感を強く感じてしまいます。


 釣具店で繋いでぶんぶんと振ったところで竿の特徴は何もわからないというのが本音ではないでしょうか。そんな失敗をしないためにも釣友が使っておられたら、1度でも良いので実際に使ってヘラブナを掛けてみることで、そのヘラ竿の持つ特徴がわかるというものです。


 今まで色々と試した結果私の持つ印象を書き出してみました。あくまでも私の印象は2m~3mまでの底釣りでの印象です。深場のチョウチンや浅棚や宙釣りでは違った印象があるかも知れません。


17尺での他の竿との比較です。あくまでも私個人が感じたイメージです。
 腰の強さ、神威>煉>ヘラX>龍聖>月影>ヘラFX>ヘラS>ヘラF>閃光>本式>兆
 先調子、神威>月影>ヘラS>ヘラF>ヘラFX>閃光>龍聖>ヘラX>煉>本式>兆
 腕力、神威>煉>龍聖>ヘラX>月影>本式>兆>閃光>ヘラFX>ヘラS>ヘラF
 軽快感、 へらF>ヘラS>ヘラFX>閃光>月影>本式>兆>神威>龍聖>ヘラX>煉


 この比較は調子が良いとか悪いではなくて単に印象の差でしかありません。腕力のある方にとっては神威や煉はとても使いやすいでしょう。反対に私の腕力では伸されてしまって竿が立ち上げられないのです。逆に上手く立ち上げることが出来れば随分沖でヘラブナの顔を出すことが出来ます。その結果として取り込みは早いのですがヘラブナの引きを楽しむ時間は減ります。
 つまり竿に何を求めているかということになります。最近兆や本式が気に入っているのですが、これはまさに本調子に近い胴を曲げてゆったりと取り込む、ヘラブナの引きを十分に味わうことが出来る竿の良い調子だと感じています。ただ実はこの調子は昔の低価格帯の1員であるダイワ天峰剣がとてもよく似た調子なのです。しっとりとした引き味はまさに天峰そのものと感じられるのです。違いをあえて探すとするなら重さでしょうか。同じ17尺を使っていると天峰では1日使い続けるのがつらいと感じるのです。これは不思議なことなんですが実は重量はほぼ一緒なんです。大きく違ったとしても10gも差がないのです。それでも重さを感じるか軽快感を感じるかはそれこそ価格差なのでしょうか。


 あくまでも私の感じたイメージですから使った感覚は違っているとは思います。また尺数が違いますとこの印象はがらっと変わります。あれほど腰が強くて伸され気味だっ神威が13尺ではとても柔らかく感じますし龍聖も単に細身の竿との印象に変わります。月影もガンガンの強い竿と感じられる方も多いそうですが、9尺になるとへなちょこな竿との印象になります。
 反対に長尺では使い辛いと感じた煉やヘラXは、15尺以下になりますと重さも気にならずヘラブナの引きに対しても主導権を持ってやり取りできる使いやすい竿と感じます。
 竿の特徴は同じ銘柄で一貫しているように見えてそうではないとい私は感じています。同じメーカーで同じアイテムで尺数を揃えるのも方法でしょうが、他メーカーや違うアイテムによって自分の理想とする組み立てをした方が良いように感じました。


 私の場合は15尺が分岐点となっているのですが、15尺以上は軽量系と本調子に近いもので揃え、15尺以下は重量に関係なく比較的腰の強い竿を揃えるようにしています。


 つまりヘラブナの引きを十分に味わって釣り上げたいのか、誰よりも早く1枚を釣り上げて次の当たりを待つ。まさに競技的な釣り方をしたいのかが大きな分岐点と感じています。私自身ヘラFやFXを手にした場合と兆や本式を手にした場合では、釣り味の差があまりにも大きくてビックリしたのです。
 こればかりは好みの違いですからどちらが良いとはいえませんが、この差こそが現代になってもヘラブナ釣りだけは竹竿が使い続けられているのだろうとの答えの一つだと感じました。
 
 以上の感想が竿選びに少しでも役に立てれば良いのですが・・・