両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 30度と10度の壁

 ヘラブナ釣りは1年を通して成立する釣りの一つですが、それも釣り堀や管理池に限ったことでしょう。真冬の野池で竿を出しても、何の反応も出ないなんて事は当たり間のことだと思うのですが、その管理池や釣り堀ですら反応の出ない水温があります。それは池によって違いがある前提ですが、水温が30度を上回ったり10度を下回ると一気に当たりが減ってしまいます。やはりヘラブナの最適水温が20度前後というのが良くわかる現象です。


 盛夏の池でなおかつ水の入れ替わりが悪い池では、簡単に30度の水温を超えてしまいます。近年アオコが発生している池を見受けることが多くなったと思うのですが、アオコは15度を超えると発生し出しますが、水面を覆うようになるには少なくとも25度を超える水温であり、少雨・渇水・水の停滞と水の入れ替わりが減少して、窒素、リン濃度が極端に増えることで大発生をします。池の水が上手く攪拌されなければ表面水温との温度差が激しくなりアオコが発生します。アオコに水面が覆われてしまいますと、余計に表面水温が上昇してしまうので大量発生を招いてしまいます。


 こうなると水面だけでなく小さな塊として微小群体と表現しますが、水中を浮遊しだしてしまいます。この大発生したアオコの死骸が腐敗すると硫化水素が発生し、酸欠などヘラブナそのものに悪影響が出てしまいます。


 そんなアオコが発生している池で釣りを成立させようとすること自体が間違っていて、池の改善を池主にお願いする以外ないのですが、一番簡単な方法は水を抜いて新しく入れることです。簡単な方法ではあっても現実的ではありませんね。井戸水や湧き水が期待できる池では良いのですが、自然の雨や流れ込みだけの池ではそうはできません。


 一つの方法は大量にエアーを送り込むことですが、もう一つは水車を回して酸素の溶解量を増やす手段を執る必要があります。
 またアオコを分解するバクテリアを入れることのようですが、どこまで効果があるのかは知りませんが、環境省が随分古くから研究されていました。バブルの頃は日本中で発生していました。海の赤潮が問題になったのも記憶に新しいと思うのですが、詳しい研究論文に興味をお持ちの場合は、次の文献を読まれると詳しく書かれています。


アオコの増殖及び分解に関する研究   環境庁 国立公害研究所
https://www.nies.go.jp/kanko/kenkyu/pdf/972092-1.pdf#search='%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%B3%E5%88%86%E8%A7%A3'



 随分堅い話になってしまいましたが、高水温の時期はヘラブナも口を使わなくなってしまいます。寄せようとして集魚効果の高い餌を使ってみ見向きもされません。夏バテしているときに脂っこいステーキを食べたくないのと同じではと思うのですが、単なるマッシュ系の餌で攻めてみる方法が一つの方法でしょうか。


 また反対に10度を切る低水温になるとまた口を使わなくなります。これもまた集魚効果の高い餌を使ったとしても見向きもされませんが、高水温より低水温の方がまだ釣りが成立すると思っています。
 食い気と共にアピール度を増すことで、ついつい口を使ってみたくなる。そんな演出が効果的ではないかと思うのです。


 軽い浮き、長いハリス、小さな針、目立つ餌等と、つい食べてしまったとなるような組み立てをすると、微動だにしない浮きが動くことが案外ありました。


 とはいえ10度を下回り8・7・6・5・4と下がっていきますと、もう絶望的で偶然前を通りかかったヘラブナが、餌らしき物をつついてしまったことによる当たりが出るのが関の山で、餌を多く打ち込んで寄せてやろうとするのは大変な労力と気力が必要でしょう。それこそ待ちの釣りへと切り替える方が良さそうですね。


 盛夏も一段落していよいよヘラブナ釣りの好時期となります。身体に気をつけて楽しいヘラブナライフを送ることにしましょうか。そのためにはやはりヘラブナの顔が見られる池に行くことも重要ですよね。釣れない池で余計にストレスをためないようにしましょうか。


 さぁて、取り敢えずは試行錯誤を繰り返してがんばりましょうか。