両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り ヘラ竿のカーボンのお話

 メーカーの誇るフラッグシップヘラ竿に続いてカーボン素材の話です。
 ヘラブナ釣りに於いて今なお一定のポジションを得ている竹竿ですが、圧倒的なシェアーはカーボンのヘラ竿ではないでしょう。そのカーボンヘラ竿の諸元表にはカーボン何%と書かれています。これは初期のカーボンロッド全般にいえることですが、高価なカーボン素材がどの程度含まれているか、まさに素人判断としてはカーボンの含有量が多いほど高価な竿であるとの認識がありました。それが未だに残ってしまった表現だろうと思うのです。当然一般的な樹脂よりカーボンの方が高価なのは間違いないですが、、、


 カーボンロッドはカーボンシートが何重にも巻かれているのですが、その巻き方やどのタイプのカーボンシートを使うかで竿の性能や性質が変わってきます。当然カーボンと樹脂との割合も操作することで、柔軟度や曲がり特性やねじれ防止など色々と工夫されているのですが、まこれらはさに企業秘密に属する部分となっているはずです。


 ところでそのカーボンシーツの最高級品であるZ-SVFカーボンはヘラ竿には使われていないと思われます。そう思うとしかいえないのですが公表されているデーターには載っていません。このシートが使われているのは超高価な鮎竿に使われているのですが、3m(30尺)で390,000円の価格が付いています。シマノの閃光Lの30尺では183,000円でダイワのヘラFXの30尺では173,000円ですから、同じ尺数でその差は倍以上の開きがあることになります。またカーボンにチタン合金を混ぜたスーパーメタルトップなるものを装着したものまであるのですが、実は鮎竿だからこそ使えるのであってヘラ竿には使えない代物だと思えます。


 いろいろなカーボンがある中でも安価のものはノーマルカーボンと称されるもので、樹脂の割合が高い素材ですが、その分弾性が強くありませんので曲がりが良いといえそうです。反対に鮎竿で使われているような超高弾性のZ-SVFカーボンでは、固すぎてヘラ竿のような当たりがあると合わせ動作をしなければならない竿には不向きでしょう。また高弾性が故の高伝達性であるがために、ヘラブナの動きがダイレクトに伝わりすぎて腕にかかる負担が大きくなると考えられます。
 反対に鮎竿の場合は、その高伝達性のためにオトリが追われている状態や、コツコツととても小さな前当たりも伝えてくれますので、野鮎がかかるまでの情報を的確に伝えてくれるのです。まっそれは金属糸なども使うほどですから余計に伝わりやすいのでしょう。


 昨今のヘラ竿は軽量化が図られているものにはスーパーSVFカーボンが使われていると思うのですが、単純に高弾性のカーボンを使うだけでは初期に発売されていたような、金属的なピンシャンとした竿ができあがってしまいますので、1番から5番のパーツにはそれぞれ違う弾性のカーボンを使ったり樹脂の割合を変えたりと、それは細かく組み合わされて作られていますので、単純に諸元表からでは竿の調子など全く読み取ることが出来ません。そのため諸元表のカーボン含有量なんてところも、あまり意味がないと思うようになりました。
 特にダイワのフラッグシップモデルである枯法師などでは、7尺のカーボン率は74%程度しかなく、17尺を超える当たりから99%のカーボン含有率となります。カーボン率だけで竿の優劣を見ていると、7尺で47,500円もする竿のカーボン使用量が74%と少ないのは納得できないなんてことになってしまいます。
 しかし全てが計算された結果となるのですから、カーボン素材も色々とあるって程度で今回のお話はお終いです。