両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣りに使う道糸はこれに限る 糸その5ー1

 時代はPEへと移っているが、ヘラブナ釣りに利用する人はとても少ない。
 その1番の理由は軽いことです。


 ヘラブナ釣りとしては、道糸が沈んでいることが絶対条件です。


 これは自転車のブレーキと同じ原理に基づいています。
 自転車のブレーキは、鋼鉄製のワイヤーが利用されています。単純に考えるとブレーキレバーを引くことで、ワイヤーが引かれてブレーキパットが自転車のリムを押さえることでブレーキが掛かります。現代的には自転車にもディスクブレーキが導入されていたりしますが。ここで問題なのは、ワイヤーの働きです。
 ワイヤーがブレーキレバーで引かれるとその運動力がブレーキパットに伝わると考えるのは誰しも理解出来るところですが、実はワイヤー単体では運動力は全く伝わりません。
 運動力が伝わるためには、ワイヤーに伝わった力が分散されないようにしなければなりません。その為にワイヤーは硬質のビニールチューブの中を通っているのです。
 ブレーキの制動力を得るには、如何に力の分散を起こさせないかになりますので、ビニールの硬質性も重要になるのです。
 ではヘラブナ釣りに当て嵌めると、竿を上げてその運動が道糸から針まで伝わり針掛かりするのですから、その時に道糸が空中にあると道糸に加わった運動力は空気中に分散して針に届かなくなります。
 これが水中にあると力の分散は起きずに針にまで伝わることになります。厳密な測定をすると夏より冬の方が水の密度が上がりますので伝わる力が多くなります。つまり寒くなればなるほど竿の操作は小さくても針に伝わることになります。
 この力の伝達の原理を利用するには、絶対条件として道糸は水中にある必要があります。
 となると、PEは軽いのでヘラブナ釣りに適さない糸となります。
 ついでに言いますと、PEの強度はとんでもなく強いので0.1号程度でいいのですが、ピシッした合わせショックにはとても弱いために切れてしまいます。


 沈み過ぎる糸は使えない


 では、沈む糸であればあるほど適したい道糸なのかとなるのですが、合わせに関して言えば正解です。極端な話、道糸が水底に沈んで水圧で押さえられている方が合わせの運動力が伝わりやすいのです。
 その為に沈みやすい糸としてフロロカーボンが利用されています。
 ですがヘラブナ釣りの場合は、当たりを取るのが繊細な浮きを利用していますので、沈みすぎる糸は調整したオモリ以上に沈めてしまうことになります。
 短竿でしたら影響は少ないのですが、15尺以上の長竿になると明らかに浮きを引っ張り込んでしまいますので沈み過ぎる糸つまりフロロカーボンは使えないのです。


 ナイロンとフロロカーボンの強度はナイロンの方が強いのです。


 次に強度についても少し触れておきましょう。
 フロロカーボンは強度が高いからと道糸に利用される人がいます。ハリスにも多く利用されてはいます。私も黒鯛釣りにはフロロカーボンを多用していました。それは明らかにナイロンより強いからです。ですがここに落とし穴がありました。


 フロロカーボンが強いのは、メーカーがフロロカーボンの強度不足を太さで誤魔化しているからです。そのため同じ号数であればナイロンよりフロロカーボンの方が太く作られています。それで結果的に強度があると思われています。ここに誤解が生まれる原因がありました。


 ナイロンで沈む糸


 結論としては、ナイロン糸で沈むタイプを選ぶことでしょう。
 積極的にナイロン糸を選ぶ理由は3点あります。
 1つは、比重が水に近いので極端に沈み込み込まず、浮きを引き込むのもとても少ないのです。
 2つは、信頼できるメーカーの糸の強度は高いことです。価格が高いから信頼できるのではありません。
 3つは、適度な伸びがあるので合わせ切れしにくいことです。


 高価な糸は汚れが付着しにくいのもありますが、得てして視認性の高い糸ほどゴミが付く傾向にあるようで、それは糸の表面の粗さに起因しています。ゴミがつくと沈みにくくなるので、交換を早めるか視認性が悪くても透明系を選ぶことです。
 表面がなめらかに作ってあるほど着きにくく、竿を引いて道糸を水に沈める作業をしなくて良いので、1日の釣りとするととても楽になります。


 ここではどのメーカーが良いとは指摘しませんが、色々と試してみて自分の釣り方に合った糸を見つけるようにすることでしょうか。
 それを探すのも楽しい作業と思います。


結論としては、素材はナイロンが適しているのです