両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り ハリスと針の関係

 毎週ヘラブナ釣りをしては色々と試していると、結果として色々な答えを返してくれます。その内の1つがハリスについてです。
 結論的には柔軟性のあるハリスに軍配が上がりました。堅いハリスの有効性を見いだせなかったのも間違いないのですが、メーカーが色々とテストを繰り返してでも、堅いハリスが世に出ているのですから、なにがしかの有効性があるはずです。それを私は見つける事が出来なかったので、根本的に釣り方の差であろうとの結論に達しました。


 私の釣り歴で一番長いのがチヌ(黒鯛)釣りです。その次が鮎の友釣りですが、実は両方とも堅めのハリスのフロロカーボン製を、磯のチヌ釣りではハリスとして、筏のチヌ釣りでは、道糸とハリスの通しとして、鮎の友釣りでは、水中糸とチモトのつまみ糸、4本イカリを結ぶのにも使っていました。渓流釣りもフロロカーボンを使っていたように思います。
 そういう意味では、とても良い糸と思っていたのです。1つは根ズレです。磯釣りではどうしても沈み磯に触れて根ズレを起こしてしまいますが、ナイロン製ではひとたまりもなく切れてしまいますが、フロロカーボンでは、比較的丈夫だと感じていました。実際に魚とのやり取りで根ズレを起こすと簡単に切れるのですが、実はフロロの硬さが磯に巻き付くような触れ方をせず、硬さ故の磯に対する当たりの少なさが良かったのでしょう。
 また筏のチヌ釣りも、ナイロン製より糸ふけが出難くまた伸びも少ないので、短い竿で深い水中の魚に針掛かりさせるには、有効な糸だったと思っています。


 鮎の友釣りでも同じ事がいえて、伸びの少なさでおとり鮎の動きが、ナイロン糸では消されてしまう感触が、フロロでは竿に伝わる感触が敏感だった記憶があります。今では金属糸などもっと敏感な糸が使われるようになったので、フロロカーボンの需要も減っているかも知れません。


 いわゆる糸の特徴を理解していたかどうかは別として、その釣りに適した糸があるのは間違いないと思っているのです。


 ナイロン糸は一昔前の製品に違いなく、開発としては一番取り残されているのではないかと思うのですが、他の釣り方からヘラブナに手を染めたものにとっては、どうしてフロロカーボンが使われていないのだろうと疑問に思っていたものです。


 始めに道糸にフロロカーボンを使ったときは、簡単に沈んでくれますので、とても楽だと感じたのですが、よくよく見ていると長尺では、糸の重さが浮きの出方にも影響を与えてしまい、浮きのオモリバランスから余計に沈めてしまう事に気がつきました。
 これでは当たりを消してしまう事になりますので、道糸として使わないようにしましたが、ハリスは有効だろうと思っていたのです。
 ただ実験を繰り返す毎に感じるのは、カラツン率の高さです。やはり吸い込みが悪いのだろうと思いました。ただハリスの長さや水温によっても違いが出るだろうと思ったのですが、こちらも実験を繰り返しても良い結果を出す事が出来ませんでした。
 つまり両うどんの底釣りに関しては、余り良い結果は出ないと個人的に結論づけました。反対に言うなれば、宙釣りや短竿での釣りなど、私がしない釣り方では、良い結果が出る可能性はありますので、フロロカーボン製の釣り糸を決して否定しているわけではない事をお断りしておきます。


 さて、そのようにナイロン糸がハリスに適しているとの結論なのですが、底釣りにおいては、針とハリスの関係も無視する事は出来ません。
 宙釣りなら吸い込みが悪い時期などでは、比較的軽い針に交換すると良い結果が出る場合があります。または号数を下げて軽くする方法もあると思うのですが、底釣りの場合は、底に安定している事が必要で、チョットした水流で針が浮き上がったり流されたりすると、綺麗なツン当たりが貰えなくなってしまいます。
 私の使用する針は、関東スレと決めているのですが、それは比較的太軸で重く強度もあるからです。チヌ釣りでもチヌ針より伊勢尼を使っていたのですが、針らしい針というか針の原型の形状が好きなのでしょう。ヘラブナではヤラズ針の形状がありますが、チヌ針でも海津というヤラズに似た形状がありましたが、針掛かりしたときにより深く刺さる事を念頭に選んでいますので、結果として関東スレの形状と柔軟性のあるナイロンハリスの組み合わせが、一番カラツンを減らし針外れも少なく釣り上げる事が出来るとの結論に達しました。
 つまり柔軟性に富んだナイロンハリスと重めの針の組み合わせが、ナイロン糸の柔軟性を寄り高めてくれると思います。もし軽めの針を使うと柔軟性がスポイルされてしまい、堅いハリスとなってしまうからです。


 これはあくまでも私の釣り方に適したハリスと針ですので、それぞれの釣り方の違いによって何が有効かは、実験を繰り返して見つけて頂く必要があります。
 竿の長さ、道糸の素材と竿に対する長さ、浮き自体の重さに浮力とオモリの関係、ハリスの柔軟性と長さ、使用する針の形状と重さ、使用するうどんの大きさや重さなど、それぞれのバランスをどこのところで成立させるか、そのバランスも年中同じではなく、その時期に合った仕掛けバランスを見つける事で、楽しいヘラブナ釣りライフが送れるような気がします。
 最低限厳寒期の仕掛けと盛期の仕掛けは全く別のものにしていますが、年中同じ仕掛けで通されている釣り人は、そのバランスが合った時期のみ良い釣果が上がるように思います。


 心静かに魚との対話を繰り返し、その時期に合った取組をする事で、とても楽しいヘラブナライフが送れると思っています。
 釣れないのは池のせいではなく、自分の攻め方や組み立て方だとして、もう一度見直す事で釣果が伸びるとすると、悩む時間も楽しいものになるような気がします。
 釣行当日だけでなく、下準備している時から釣りは始まっていますからね。