ヘラブナ釣り なじみ巾の捉え方
前日の浮きの軌道記事の続きです。
ヘラブナ釣りでは浮きに出るなじみ巾はとても重要なシグナルです。そのなじみ巾が出る意味は既に理解されているはずです。
宙釣りではそのまま餌の重さですが、底釣りでは餌の重さというよりも、餌を着けたことで、素針で床を取った状態より仕掛け全体が重くなっている事を意味します。
簡単な理解としては、餌の着底位置が浮きの真下ではなくて、少し前方に着底したためです。しかしどうして餌が前方に着底するのかです。振り切りでの餌打ちであればその現象はより強く出ますが、落とし込みでの餌打ちであれば、浮きの近くに餌打ちをしたので、それほど前方に着底しないはずです。
勿論着底位置はどの程度ズレているのでしょう。これはピタコラスの定理によって計算が出来ます。
仮に2mの水深の池において、浮きになじみ巾が3㎝出ていたとすると、仕掛けは2.03の位置にあるはずです。その場合の底辺は床許りした位置より前方に着底していることになります。
この場合の計算はa×a+2×2=2.03×2.03
a×a+4=4.1209 a×a=4.1209-4=0.1209 √0.1209
a= 34.7㎝
つまり仕掛けは34.7㎝前方に着底していることになります。
但し!!! 仕掛け糸はナイロンですから、真っ直ぐに張っていることはありません。斜め線は間違いなく放物線を描くはずです。
残念ながらこの曲線になると私の能力では計算できません。方法としては曲率半径の公式があるのですが、放物線の半径が一定でないため、私では全く計算できませんので、数学的能力の高い方に答えはお譲りしますが、ヘラブナ釣り師では感覚的にこの距離は理解できているはずです。
この図が示すように、餌が前方に着底しているのですが、その原因となっているのが、餌を含めた全体の仕掛けの重量が関係していて、オモリの位置が素針の状態より低くなってしまうため、餌がやや前方に着底することになります。
つまりなじみ巾が出る原理は、餌が前方に着底するからではなくて、オモリ位置が下がるために、餌が前方に着底して、その餌の重さがアンカーとなり、なじみ巾が出た状態を維持してしまいます。
そのため餌がなくなると、仕掛けが軽くなるので、浮きが戻り餌落ちメモリが出るのです。
この原理によって、餌が軽い場合はオモリ位置も下がらず、浮きの近くに餌が着底しますので、浮きにはなじみ巾がホンの少ししか現れないことになります。
餌が付いている状態でなじみが出るのですが、餌がなくなったとしても、針が底の何かに掛かりそれが抵抗となり、餌が落ちても浮きが戻らないケースがあるのです。底が荒れていれば余計にそうなりますが、単に土や小石程度に引っかかッ他としても、浮きが戻らないこともあるので、暫く経っても浮きが戻らない場合は、既に餌が落ちている可能性があるので、いつまでも待たずに確認する癖をつけるようにするのが正解です。
反対に餌が軽い場合には、餌が残っていても浮きに餌落ちメモリが出る場合があります。特にグルテン餌でよく現れるのですが、そのため餌落ちメモリが出てからツン当たりを返してくる事も多々ありますので、この場合は反対に餌落ちメモリが出たからと、早めに仕掛けを上げるのではなく、暫く様子を見てから餌の打ち返しをした方が良いケースが案外多く現れます。
道糸とハリス及びオモリ位置の関係
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