ヘラブナ釣りの1部門である底釣りですが、その中でもニッチな釣り方が両うどんの底釣りです。ただ関西では元々両うどんの底釣りが主流でしたから、ニッチとはいいたくはないのですが、残念ながら両うどんの底釣り限定池はとても少なくなっています。

　やはりどうしても団子餌の方が集魚効果も高くて、釣りやすいイメージがあるためでしょう。池にもよりますが両うどんの底釣りが団子餌に負ける事はなく、うどん餌でも50枚程度の釣果を得ることは可能です。

　ただ団子餌にもその池に適した餌があるように、うどんにも各種種類がありますので、それをどのように作り上げるか、その選択と仕上げ方そしてまぶし粉について今回は取り上げたいと思います。

　先ずは通称ワラビうどんです。市販されているワラビうどんの素もありますから、それを利用するのが手軽で、種類も何点かありますので、自分の釣り方に合ったうどんを選ぶ事が出来ます。

　私は小市民的貧乏性ですから、市販されている餌の素や瓶詰めを使う事なく、食用に売られている澱粉を使うようにしています。

　実は慣れるまでは市販されていた、ストローの中にうどんが入っているものを使っていました。今は見かけなくなったと思うのですが、最初は真似をしてストローにどうして注入できるか研究もしましたが、それもまた随分と昔の話で、今は単純にタッパーに並べて入れているだけです。

　この方法も研究に研究を重ねて見つけ出した方法で、如何に楽で使い易いうどんを作る事が出来るかから始めました。元々ワラビうどん同士はとても密着しやすい性質があり、釣り場で剥がすのが大変だったのです。そのためラップを敷いてうどん同士が附着しない方法を取っていたのですが、それもまた面倒ですからもっと楽な方法はないかと、勿論うどん入れ専用の容器が市販されています。

　私は天邪鬼ですから市販品は使いたくないと（笑）、どうすればワラビうどん同士が密着しないかを研究することに、そして見いだしたのが粘度のある蜂蜜やオリゴ糖です。それにワラビうどんを附着されると密着しなくなるのです。

　実は蜂蜜も低価格な製品は、ブドウ糖が殆どで蜂蜜の香りをつけているだけです。ということはブドウ糖で良いとなります。ただこれも価格的に納得出来ず、何のことはないわらび粉を薄く練ることで、粘度のある水が作れるのです。この水を使うととても低価格になります。

　何度もワラビうどんと言っていますが、決してわらび粉を使うわけではなく、本物のわらび粉はとんでもなく高価格ですが、スーパーに売られているわらび粉はサツマイモの澱粉ですが、それでも高価格帯になりますので、他の澱粉はないかと色々と研究していきました。

　澱粉には元の原料によって性質が随分と違うことも解りました。一番身近な澱粉は片栗粉ですが、これもまた片栗の粉ではなくて、ジャガイモの澱粉が使われています。また別の身近なものとしてはコーンスターチです。そしてもう一つが一世を風靡したタピオカ粉です。

　今はタピオカ粉100%で作るようにしていますが、それも電子レンジで簡単に疲れますので、昔鍋で煮ていたことを思うととても手軽に作れるのです。

　このわらび粉が全盛となって使っていたのですが、ある池でワラビうどん禁止となりましたので、昔の食用うどんを使う事になったのです。

　この食用うどんはスーパーなどで市販されている茹でた袋麺ですが、一玉30円程度から100円近いものまであります。他には冷凍うどんや流水麺なども手軽に使えます。
　他に生麺と乾麺がありますが、サイズと粘りに違いがありますので、好みのものを探すことになります。一頃太めの伊勢うどんを多用していたことがあるのですが、最近その伊勢うどんは手軽に厚みを出すためでしょうか、C型になっているのです。これでは釣り餌としては使えません。

　そこで次に探したのが讃岐うどんや吉田うどんです。讃岐うどんの特徴は既に全国区になっていると思うのですが、吉田うどんはまだまだローカル色が強いと感じます。吉田うどんは名前の通り山梨県の富士吉田市で作られているうどんです。

　吉田うどんはとても硬いのが特徴ですが、それをじっくりと煮ることで太さのあるうどんが出来上がります。ただ製造上の問題でしょうか、太さに随分とバラツキがあるのです。食用として利用する場合は、歯触りの違いなどで楽しめるのかも知れませんが、釣り餌とするには太さの違いは使い難いのです。

　結果的に従来通り讃岐うどんにたどり着きます。ただ家人曰く人間用のうどんは、一玉30円で釣り用がなんでそんな高価なうどんになるのよ！！と・・・。これにはぐうの音も出ませんが、仕方ないと諦めて貰っています。

　その昔は製麺機を用意して、自分で太いうどんを作ってみようかと思ったこともありますが、ワラビうどんを知ることで手軽に好みの太さが作れ、市販されている食用うどんにも種類がある事を知ることで、製麺機を購入することはなかったのですが、もし購入していたとすると、埃がかぶってそれこそ家人に白い目で見られていたことでしょうね。

　ただでさえ釣り道具で多くの場所を占領していますので、これ以上肩身の狭い想いは避けなければ、それこそ熟年離婚になりかねませんからね。

　しかしうどん1つで離婚の危機になるのですから、男は気楽な生き物だと思えてしまいます。そういう意味では家人はとても繊細な・・・。このへんにしておきましょう。

　ってことでうどんのお話でした。（笑）。