両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナとの化かし合い

 釣り堀のヘラブナは、とても警戒心が強く当たりもとても小さいのですが、野池程の大きな当たりも面白くないでしょう。その当たりも団子餌よりもうどんの方が小さく、グルテン程ややこしい当たりもしないので、小さくカチっとした当たりを返してくれ、それを的確に合わせたときの気持ち良さは、両うどんの底釣りを経験していない人にはわからない快感です。


 この快感を求めて日曜の度にのこのこと出かけては、返り討ち合ってしまうのです。その返り討ちは、シーンと静まりかえった浮きの展示会の様相や、カラツン地獄となって逆襲に遭ってしまうのですが、ヘラブナの智恵に負ける釣り人のなんて多いことでしょう。


 ん?負けてないです?負けているのは私だけか(笑)。


 もう随分前になるのですが、ある釣り堀では連日釣り人が押し寄せて攻められている池がありました。また広く開放されていましたので、ヘラブナ釣りに慣れてない人達も多数いる池です。私もヘラブナ釣りは素人ですので、その池には何度となく通ったものでした。
 釣り代も比較的安かったのもあるのでしょう、定年退職された人達は、回数券を買って連日来られている池ですので、余計にスレたヘラブナ達がいたことになります。また池の中心までは遠く、長竿は禁止されていましたので、ヘラブナ達は中心に集まってしまい、竿の届く範囲の魚影は薄く、とても釣り難い印象が持っていました。


 そんな池ですが偶にお見かけする老釣り師がいました。どこかの釣りクラブの会員でもあった様子で、釣り会という程のものではなく、仲間同士で和気藹々とした釣行にお孫さんを連れてこられています。
 お孫さんの相手をしながらも物静かに釣られていたのですが、誰よりも多くの釣果をあげておられました。特別何かをされているようには見えないのですが、回りの釣り人の倍は釣り上げておられたような印象を持っています。


 連日攻められているヘラブナですら、その老釣り師には負けて釣られてしまうのです。何かが違っているとは思うのですが、見ている限りでは全くわかりません。遠く離れたポイントに入っていましたので、余計に細かいことはわからないのですが、今では教えを乞う事になっていたでしょうが、その頃はとても上手い人で単に羨ましいなぁって思って眺めていたものです。


 少しの工夫でヘラブナに勝つことが出来たとしたらどうでしょう。釣れないのは腕のせいではなく、ヘラブナとの知恵比べに負けているだけだとしたら、人としてなんと哀れなことでしょう。


 釣り堀の魚は、野池に比べてとんでもない密度で生息しています。ジャミは致し方なく池で生まれた子ベラも仕方のないことですが、圧倒的に対象魚としてのヘラブナの方が多いはずです。
 カラツンが始まるとジャミが多い!との声が聞こえてきます。確かにジャミも多数いるのですが、毎回毎回ジャミの当たりでカラツンが起きているとは、私には到底思えないのです。
 やはり糸ズレや食ったとしてもタイミングが合ってないなど、合わせ方や当たりの取り方など、釣り人側に落ち度が圧倒的ではないでしょうか。


 そんなとき冷静になって対応する方法があります。両うどんの場合は、ジャミかヘラブナかを確かめる事が出来るのです。
 軟らかく煮た食用うどんを持参して、当たりがあっても合わせず様子を見ておきます。そーっと竿を立てうどんを回収すると、ジャミが当たっている場合は、うどんの回りをとても小さな口で突っついた跡が残っているのです。精々2mm四方の小さな口痕があるのです。ヘラブナが突いていたとしても、そんなに小さな痕は残したりしませんからね。
 またそーっと回収したうどんに何の痕も残っていないとすれば、浮きに出ていた当たりは全て糸ズレだった事を意味しますので、釣り方を直ぐ変えなければなりませんね。


 残念ながらわらびうどんを使っていると粘りが強いために、小さく突いてもうどんそのものが千切れませんので、うどんに口痕が尽きません。その為に浮きにも綺麗な当たりとして出てしまうことになります。
 それをいつまでも当たりだと思って対応していると、それこそカラツン地獄にどっぷりと浸かってしまう事になりますよね。


 これからの季節は、ジャミがとても増えてしまうことでしょう。わらびうどん一辺倒だった冬期の釣りから、水温む季節に合わせたうどんを持参して、これでどうだ!とヘラブナ釣りに挑むのもまた楽しいと思うのです。
 彼の老釣り師には及びも付きませんが、少しでもヘラブナの鼻を明かして、人がヘラブナに負けるようなことがないようにしたいものです。


 ん?ヘラブナには勝てないって?・・・・う~ん・・・そうかも。。