両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣りと餌メーカーと

 私のように両うどんの底釣りばかりしている者は、案外少ないのかも知れませんが、ヘラブナ釣りといっても多種多様な釣り方が存在しますよね。他の対象魚には見られない多様性ではないでしょうか。


 仮にチヌ(黒鯛)釣りでいえば先ずは磯釣りがあります。外海というより湾内や内海の磯ですが、エサはオキアミからサナギに虫餌、貝やエビなど多種ありますが、浮き釣りが基本でしょう。オモリをつけない浮きフカセやしっりかりと沈めた棒浮きでの釣り方もあり、浮きの形状が違っていたりしますが基本浮き釣りで成立しています。
 筏釣りといって湾内の静かな海に筏状に浮かべられた場所から、2m程度の短竿にリールをつけ、エサを団子で包んで落とし込む釣り方が一般的です。
 他に防波堤や汽水域などとチヌ釣りのポイントは多数あるのですが、その場所に適した釣り方をしています。


 カレイやキスなどでは、舟からの釣り以外には投げ釣りでしょうか。共に虫餌かエビのむき身をエサにして釣る方法で特に変化球はないと思います。
 思い浮かぶ鯛、石鯛、ハマチ、イワナ、アマゴ、鮎、鯉と対象魚は色々とあっても、釣り方の違いはそんなに多くはありませんね。


 しかしヘラブナの釣り方はどうでしょうか。いや同じ釣り方をしているとの意見もあるとは思いますが、タナ1つを取っても随分と違うと思うんです。
 表層近くを釣るカッツケ、浅棚、中層、深宙、そして底とあります。浮きもいったい何種類あるのでしょうか。エサの使い方も知れば知るほど多種多様あり、団子1つを取ってもブレンド方法からタッチの違いまで、それはそれは複雑に絡み合っていると思うんです。


 エサメーカーのホームページには、インストラクターがあらゆる釣り方を紹介しています。その釣り方の違いでエサのブレンド方法はこうだ!。タッチはこのように仕上げよう。春には夏には秋には冬にはと季節に合わせた釣り方と餌の配合を紹介しています。
 そのようにするといかにも釣れそうな気になってくるじゃないですか(笑)。でも決してそんなことはないと思うのですが、私のような素人には心強い情報に違いありません。ただもし5種類のエサをブレンドをした方が良いのであれば、どうして初めからブレンドしたエサを作らないのでしょう。


 同じような話がカレーにもあります。ある人は、カレーのルウは2種類以上混ぜた方が美味しいといいます。インスタント珈琲を少し混ぜる方が良いとか、チョコレートを混ぜると美味しくなるとか良く聞く話です。では2種類のカレーのルウをどの割合でどれくらい煮込むと良いのかとなると、全くの目分量でしかなかったりしますが、仮にそれで美味しくなるのであれば、メーカーは売るために努力は惜しみませんから、インスタント珈琲であろうが、チョコレートであろうが、また2種類以上のブレンドが良いのなら、初めからブレンドしたルーを売り出すはずです。
 素人ならあるとき偶然作ったカレーが美味しかったからと、目分量で同じようなものは作れませんが、混ぜると美味しいという情報と記憶が混ぜたカレーを作らせてしまいます。
 メーカーは、あらゆる組み合わせを試した結果として新製品を売り出していますから、素人の思いつきのような工夫など、近寄る余地すらないほどのものが売り出されるのですが、どうしてヘラブナの餌に限っては、いつまで経ってもブレンドを良しとしているのでしょうか。


 素人がある状態のときに偶然良く釣れたことがあったとして、そのブレンドがとても良く釣れると思い込んでいるとすると、もし釣れなくてもブレンドが悪いのではなく、その池の状態が悪い、ヘラブナの調子が悪いと相手に責任をかぶせてしまいます。
 いつだったか覚えてないほどの前に経験をした、その爆釣の記憶が邪魔をしてその記憶を頼りに何種類ものブレンドを続けているのでしょう。
 それを改善するには、人の意見も聞く必要がありますので、ブレンド方法を再確認するのも良いとは思うのですが、反対に人の意見は、その人が良かったであろう過去の思い出にしか過ぎず、今現在爆釣をしているのであれば、今はその釣り方に合う配合やタッチを知ることは良いことと思うのですが、いつかの記憶なんて聞いても仕方ないと思うんです。


 私のような素人には、エサメーカーのブレンド方法は参考になるとしても、全くその通りにして釣ることはないのですが(笑)、やはり自分で確信を持てる釣り方がどれだけ出来るかと思っています。
 釣り方が多数あると言うことは、コレこそヘラブナ釣りの釣り方なのだとは言えないほど、ややこしい対象魚がヘラブナだということも出来るのかも知れません。
 そのややこしい相手であるヘラブナを釣るに於いて、スタイルはコレが正解というものがないのだとすると、自分に合ったスタイルを決めて、それに見合った仕掛けにエサを見つけることで、変に惑わせられずに釣行出来るのではないでしょうか。


 もし、エサメーカーのブレンドが合っているのだとすると、メーカーはどうしてそれを一つのエサとして売り出さないのでしょう。春用冬用や浅棚用や深棚、中層用と決め打ちで良いはずですが、いや確かに餌袋には適した釣り方が書かれています。でも、ブレンドを勧めるのですから、確証が持てないのでしょう、責任の大半を釣り人側に持たせていることになります。釣れないのは釣り人の腕であって餌が悪いのではないと言いたげです。
 インストラクターも釣れないときは、手水を足して団子の調子を変えるように薦めています。ここでも決め打ちはしていませんね。あくまでもその餌を利用する釣り人に責任を持たせています。
 いや、それでいいのです。絶対に釣れる餌があったとしたら、そんなの面白いこともナントもないわけで、破れない金魚すくいのようなものですからね。


 趣味の釣りですから、人より1枚でも多くと競い合うのは、楽しみ方の1つではあるのでしょうが、今日も1日楽しかったと思えることが、人に勝つことだったとしたらなんか哀しいです。
 難しい釣りを克服して1枚でも多く、1㎝でもサイズアップを願う釣りの方が健全だと思うのは、個人的な感傷だとしても趣味の範囲で楽しみたいと思ってしまいます。


 メーカーに惑わされることなく自分スタイルを確立して、楽しい休日を過ごせる事が出来るとすると、それはとても良いことのように思います。
 勿論トーナメンターとなって生計を立てるつもりなら別ですが、趣味の範囲で楽しむ釣りが、苦しみになっては元も子もないですよね。


 多種多様な釣り方があり、それを駆使して楽しむのもヘラブナ釣りの楽しみ方でしょうし、ある固定した釣り方で、ほんの少し季節に合わせた釣り方に変化させるだけで、また違った世界が見えてくると思うのです。
 ややこしい相手の釣りを覚えてしまったのは、果たして不幸なのか幸福なのか・・・


 なんやかやと言っていますが、私的には両うどんの底釣りがただ楽なだけなんですけどね(笑)。
 春の陽気に誘われてまた釣り糸を垂れに出かけましょうか。ではご一緒にどうぞ