両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 冬期の浮き選び

 ここのところ仕掛けの違いを実感する日々が続いています。特に浮きの違いが鮮明に出ているように感じるのですが、単なる思い込みなのか浮きの性格によるものか果たしてどうなんでしょう。


 先ず浮きについて少し考えてみたいのですが、根本的なところで理解が出来てない部分があります。
 物理の法則でアルキメデスの原理は良く知られている原理の1つですが、浮きはまさにそのアルキメデスの原理によって構成されているのです。
 おさらいとしてアルキメデスの原理とは、静止している物体の重力と等しい流体(水)が押しのけられる。つまり押しのけられた水と等しい事になっています。
 浮きでいうところの浮力は、水を押しのける重力に比例することになります。
 重力は地球の引力によってもたらせるので、宇宙空間に存在する場合は、地球上でどんなに重力があろうとも重力としてのエネルギーは存在しません。


 さて浮きに掛かる重力は、計りによって計測することは出来るのですが、素人的ものの考えでいえば、パイプトップの方が重量は軽いにもかかわらず、水を押しのける量は多くなるのは何故かとなります。
 ここに物体の質量を入れて計算する必要が出てくることになります。


 水の密度×物体の水没部分の体積×重力加速度=浮力


 ここで算出された数値が浮きの浮力となりますが、オモリで調整した部分が水没している部分であり、それが毎回違っていますので浮力は毎回違っています


 考え方の説明であり実際の釣りに於いて計算しても何の意味もありませんから計算はしなくて良いのです(笑)


 パイプトップとムクトップ、または胴の太さや長さなどの体積が大きいほど、流体(水)を押しのける量が増えることになるのですが、重量は軽いですが排水量は増えてしまうことになります。
 その量が多いほど浮力がある事になりますので、パイプトップ系の浮きの方が相対的に浮力があると考えることが出来ます。
 この微妙な浮力が、浮きの調整で何目盛り水上に出すかの調整としてオモリを1ミリ単位でカットして調整をすることとなり、その時のカット量を経験的に感じていると思いますが、1目盛り上げるための調整として、ムクトップよりパイプトップの方がオモリのカット量が多いはずです。それこそが浮力の差であるのです。


  ムクトップよりパイプトップの方が仮に同じサイズの浮きの形状だとすると、1目盛りの浮力はパイプトップの方が多いのが前提となりますので、水面上に出ている目盛りの数に比例して、浮きに残っている浮力が多い事になります。つまり5目盛りより1目盛りの方が浮力が少ない事になります。


 浮きへの変化は、ヘラブナの吸い込む力によるものですから、残っている浮力以上にヘラブナが吸い込まなければ、当たりとして浮きへの変化(力の伝達)が出来ないことになりますので、水面上に出ているトップの量が多いほど、浮力が高いのですから感度が悪いことになります。


 パイプトップであれば、浮力を極力なくしてしまうことでムクトップと同じように感度を上げることが可能ですが、それは釣り方にも影響しますので、自分の釣りスタイルがトップを多く出しているのは少なくても成り立つのかで違ってきます。
 それであればどんなに調整をしようとも浮きに残っている浮力は、浮きの材質などの特性に寄りますので、浮きをさっさと交換した方が早いことになります。


 但しここでもう一つ考える必要があるのは、感度が良すぎる浮きは食い当たりの判別が難しいことです。


 感度が良すぎる浮きは、どんなに些細な水流かスレか食いかわかりませんが、浮きへの変化として現れてしまいますので、本当たりを見定める目があれば良いのですが、私のような判断が出来ない釣り人にとっては、ついつい合わせを多くして場合によってはスレをかいてしまい、せっかく寄ったヘラ分を散らせる事に繋がります。


 よくカラツンの場合、浮き下を長くしてズラシを多くしていきますが、あれこそ感度を鈍くして本当たりを見定める方法であるわけですから、感度が良い=良く釣れるではない事になります。


 太いパイプトップを使用することで、当たりの視認性を高めると同時にややこしい当たりを消して本当たりを出す事が出来ますので、繊細さはなくても感度の良い浮きとの表現も出来るかも知れません。


 ただ、冬期の動きが現れにくい状況の中で、浮きの見本市のようにじーっとしている浮きを見つめ続けるよりは、何らかの生命反応を送ってくれる方が疲れなくて良いと思いますので、パイプトップで反応がないまま1日を過ごすより、少しでも回数多く反応を返してくれるようにしていた方が精神衛生上良いように思います。
 禅の修行宜しく手も足も出ない達磨大師を演じるより、カラツンであろうとも合わせる動作をしている方が私的には好きなので、誰も当たりが出ない中をひたすら合わせていると、当たりますか?って聞かれてハイ毎投当たりがでますなんて言ってみたいじゃないですか(笑)。


 ということで、浮きのお薦めは(冬期)
 胴の素材は、羽根でも葦でも良いが胴に張りのない細目のツチノコタイプ
 トップは、ムク素材
 足は、竹でもカーボンでも良い
 オモリ負荷の少ないもの


 このタイプの浮きでの注意点がもう一つあります。それはなじみ巾が大きく出すぎてしまうことです。なぜだか知りませんが、なじみ巾が大きすぎると当たりが出ません。極力なじみ巾を少なくする工夫をして当たりを出すことです。


 次の釣行は初めからこのタイプで挑んでみますが、逆光だと全く見えなくなってしまいますのでスコープ必須ですね。
 本心としては、ムクトップより細パイプを使いたいのであります。ハイ