ヘラブナとの智恵比べに負ける私
今年の冬は暖冬傾向との発表がありましたが、最近の気温は下がってきましたので、例年の12月の気温よりやや下回るようですがおおむね例年通りといえそうです。
水温の変化もどの程度なのか次回の釣行時に計ってみたいと思いますが、井戸水や湧き水を利用されている池であれば、それ程水温の低下はないのかも知れません。とはいえ水温が下がるのは間違いなく、冬期でも口を使ってくれるヘラブナではありますが、渋い釣りが展開される事でしょう。
そんな中でどのような取組をすべきか、迷いの中から答えを導き出せるのではないかと思うのです。
釣り人側の想像によるヘラブナの動き
水温の低下と共にヘラブナの動きが鈍る
これは間違いのない事実でしょう。ヘラフナは魚類ですから変温動物になります。水温の高い時期と低い時期と比べると、明らかに水温の高い時期の方が動きが活発になっています。
ですが、世間の常識である変温動物との認識は正解なのでしょうか!
人間は恒温動物です。主に肝臓からの発熱ですが神経や筋肉を動かす事により発熱します。マラソンに例えるとよくわかりますが、真冬でもしっかりと汗をかくほどの熱を発します。
では魚類は筋肉を動かしても発熱しないのでしょうか。実はマグロや鰹は高速で泳ぎ回っていますので体温が高いのです。ですがトップランナーのような泳ぎ方をしない魚は、それ程の体温上昇は認められていません。
魚類による快適水温の確定
温水系を好む魚がいる一方で冷水系を好む魚がいます。狭温性魚種としては、冷水魚類は10~20℃の水域に生息し、温水魚類は20~30℃ の水域に生息します。いわゆる熱帯魚と称される熱帯魚類 は25℃~30℃に生息しています。
ではヘラブナはどの水域に生息するのかですが、広温性魚類に分類されて0~30℃の範囲で生息出来きます。
単純にこの範囲内であれば死なないという意味であって、活発に稼働出来るかは別問題であるのですが、生息水域つまり適正水温を決定づけているのはなにか!となるわけです。
鮭を例に取ると海水温度の低い地域に生息していますので、仲間であるイワナやヤマメも川の上流域で比較的水温の低い水域を生息地としています。
そこで疑問になるのが魚類は変温動物ですから、少しでも暖かい方が良いのではないかとなるわけです。にもかかわらずどうして冷水域に生息しているのでしょうか。
1つには、魚体内部組織の温度に由来するようで、内部組織温度と外部組織つまり水に晒されている表面との温度差が少ないほどその魚類には適している水域となります。
この温度差は0.5度以内に保たれる必要があるようで、イワナやヤマメなど真冬には淵生息していますが真夏には急流の瀬に出てきます。この状態はまさに水冷エンジンのように水で身体を冷やしている状態といえそうです。
では肝心のヘラブナの好む水温はどうなのかですが、実はヘラブナが孵化した温度に由来するのです。比較的高温時に孵化した個体は高温に耐えられるのですが、低温時に孵化した個体は耐えられず死滅します。反対に低温時に孵化した個体は比較的低水に耐えられますので、低水温になる季節でも活動が出来るわけです。
ハタキの時期より水温の変化によって確定する
ヘラ釣り師であれば誰しもが知っている春のハタキのシーズンを見ていると、早春からハタいている場合もあれば、GWを過ぎてもまだハタいている場合もありますよね。池の平均水温によっても時期が左右される事はあるようですが、その水温が一時的に適正水温となり産卵行動をとったとしても、その後水温が下がりその中で孵化した場合は、低水温時孵化個体となります。
この孵化時の水温によってその個体別の快適水温を決定しているようです。となると放流されているヘラブナはどうなのかとなるのですが、当然偏差値と同じようなある時期に集中した放物線を描いた産卵行動を取り孵化の時期も集中しますので、真夏の高温時と厳寒期の低水温時に活発に活動出来るヘラブナは極端に減ってしまう事になります。
つまり冬期の低水温時には、活動水温になるヘラブナの数そのものが減ってしまいます。それによって池にいるヘラブナの数そのものが少ない事と同じ現象となりますので、絶対数が少ないヘラブナを釣り上げようとするのですから、厳寒期は口を使わないとの常識が形成されてしまうともいえそうです。
大多数のヘラブナは元々最適水温が違うのですから、低水温時に活動出来るヘラブナそのものが減っている事になります。
その最適水温はどの程度で判断しているのかとなるのですが、実は人の温度変化以上に魚類は敏感に反応します。0.5度の差で遊泳層を替えてしまうようです。その為に雨が降り出した、風が吹き出したとの現象によって水温の低下が起きた場合には泳層を移動してしまうようです。
ただ反対に適温域は比較的広いこともあるので、低水温が長く続くとその水温に慣れることもわかっています。その為に急激な水温変化がない限り冬期でも釣りの対象となるわけです。
その圧倒的に動きの悪くなったヘラブナの中で如何に口を使わせるかですが、人間的感覚では高タンパクは食べたくないと思う事と同じで、寒い屋外でこってりした脂っこい食事はしたくないですよね。それがヘラブナにも当て嵌まるのではないかと思ってしまいます。
そこで登場するのがタンパク質の少ないペレットとなるわけです。そしてより以上に繊細な仕掛けを駆使して、少しでも違和感をなくして食い気を誘い釣果に結びつけるかとなるはずです。
とはいえ、圧倒的に活動するヘラブナの数が減ってしまいますので、その中から如何にポイントに呼び寄せて餌を食わせるかは、まさに釣り人との知恵比べとなるのですが、その知恵比べに負けてしまう私ってヘラブナより頭が悪い事になるのでしょうねぇ(笑)
ここだけの話ですが魚はとても賢いのです!
一瞬の判断で餌か餌ではないかを判断しているのですから、その神経の伝達速度はとても速いことになります。その神経の伝達速度はパソコンでの超高性能なCPUの処理速度と同じ事になりますから、やはり太刀打ち出来ないのが普通の事なんでしょうね。
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