両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 人間は考える葦かそれとも

 水温の上昇と共にジャミの猛攻に遭ってしまいます。それこそ浮きがヒョコヒョコと動いて定まらずヘラブナの当たりが待てないのですが、あまりにも浮きが動きすぎてしまって目が疲れてしまいます。そんな動きの中から少しでもヘラブナらしい節当たりが出ると合わせてみるのですが、実際ジャミの当たりが大半ですから空合わせを繰り返してしまうことになります。
 基本私は手袋をしているのですがこうも暑くなると手袋が辛くなってしまいます。辛いからと外してしまうと簡単に掌の皮が剥けてしまうのですから、自分でも軟弱だと痛感するのですが、それほど頻繁に合わせ動作を繰り返してヘラブナが上手く乗ってくれるのは数回で、圧倒的に空合わせを繰り返してしまうのですからホトホト嫌になってしまいます。


 この虚しい時間を何時間も過ごせるほど私は人間が出来てないので、それこそ投げ出して帰りたくなってしまうのです。しかしこの洗礼なしにヘラブナの顔は拝めませんから仕方のないと諦めるのですが、そんな仕方のないことだとしてもやはり簡単に諦めることは出来ませんので、いったいどうすれば良いだろうとアレコレ悩み出すわけです。


 パスカル曰く人間は考える葦だと例えています。葦といえばヘラブナ釣り師にとっては浮きの材料とピンとくるのですが、パスカルによると自然界では弱い例えとして葦を使っているようで、自然界の中で同じように弱い存在の人間は、葦とは違って考える事が出来るのだと言いたいようです。


 ではパスカルの言葉通りにジャミ当たりを嘆くだけでなく、葦よりは少しは賢いはずの人間の頭で考えてみることと致しましょう。でも答えが見つからなかったとすると私の頭は葦と同等かそれ以下だってことを証明することとなるのでしょうか。


 誰しも考える事として餌を餌打ち返しているとジャミが集まってくるのですから、じゃあその餌打ち回数を減らしてみるのはどうだろうということになります。初めからジャミを寄せないようにと打ち返し回数を減らしたとすると、結果としてジャミも寄らないのですからヘラブナも寄ってきません。つまりジャミ当たりもないままに貧果で終わってしまうこととなります。まぁ貧果というだけ釣れれば良いですが、ジャミも寄らないのですから釣れないのでしょうねぇ。


 次によく聞く言葉としては餌打ちを繰り返しているとジャミが集まるが、もっとそれを続けることでヘラブナが集まりジャミを蹴散らしてしまうとの事です。その言葉を鵜呑みにしてひたすら打ち返していると、ジャミは止めどもなく集まりヘラブナも養殖場のように集まってしまって、それこそ糸ズレが頻発してしまって手に負えません。カッツケの回数も増えてしまうのですが、浮きが立つか立たないときに餌をひったくっていくような、鰹の一本釣り状態に陥ってしまうこともあります。


 実際映像を見ている限り団体でジャミが集まっているところに遠巻きでヘラブナはいます。ジャミを押し分けて針に着いている餌は食べようとはせずに、ジャミが突いて分散して漂っている餌をむさぼるように食っていますので、そうは簡単に食い当たりは出ないこともよく経験しています。


 寄せるのは駄目で寄せすぎても駄目なら一体どうすれば良いのでしょう。簡単な話そんな日はエアコンの効いた涼しい部屋でノンビリ過ごすべきなんです。間違いなくそれが最大の方法で結論のはずですが、そこは釣り師としてのバカさ加減が頭をもたげてしまい、ジャミで釣れなかったことなすっかり忘れ、以前には良い釣りをしたとの思い出を糧として性懲りもなく出かけてしまうのです。
 出かけてはまた撃沈してはもう辞める!と怒りとも嘆きの言葉ともいえない一言吐いては、家人にはまた白い目で見られバカじゃないと小言を聞こえるように言われてしまうのですが、そんな言葉も耳に入らなかったかのように、道具類をイソイソと片付けては次の釣行に備えるのですから成長が見られないですよねぇ。


 もう懲りた!なんて言わなくて良いようにするにはどうすべきかです。実は上記の2つの方法を取り混ぜれば1つの解決方法が見えてきます。


 私の場合は基本底釣りですから餌の打ち返しを繰り返したとしても、水面に集めてしまっては失敗に終わりますので、少しでも水面には集めないようにして水中で出来れば水底近くに集めたいのです。その為には当然簡単にバラケては困りますので、団子餌の場合はしっかり底まで保つタイプの餌を選びます。同時に水面で極力バラケては困りますので、ベトコン状態の団子餌にしてしまいます。これも物理の法則で乾燥している餌ほど簡単に水に馴染います。水分量の少ない団子餌は水面で簡単にバラケてしまいます。ベトコンにすれば水分量が多いので団子は簡単にバラケず開く速度も遅くなります。但し溶けるのは水分量の多い方ですから、その加減もなかなか難しいのでありますが、ピタリと合った餌が作れると皆さんが苦労しているときに爆釣できるのですから辞められませんね。


 まぁまぁそんな上手くいコーク事は希ですから、単純な私は餌を繰り返し移しかないのですが、結果としてどうしてもジャミは集まってしまいます。そこでセットの釣りに切り替えてみます。上針はそのままベトコンの団子餌にして下針にはうどんを付けます。そのうどんには何も付けないでいわゆる素うどんの状態のままにします。
 うどんセットの場合でも通常は段差の釣りで使われますので、うどんはバラケの煙幕の中にある事になりますが、バランスの底釣りの場合は集魚材が上から落ちてこることはなく、寄せ餌としては甚だ効率が悪いのですが、それがかえってジャミからうどん餌を守ることになります。ジャミには団子餌を突かせておけば良いって事になるのです。
 ただこの方法は釣れますが数は釣れない欠点があります。やはり如何に素早くヘラブナだけに食わせるか、ヘラブナが食いやすい状態が作れるかどうかに掛かっているわけです。


 もう一つの方法は両うどんの底釣りの場合での話です。両うどんでもまぶしを付けて釣るのですからジャミの猛攻に遭ってしまいます。ジャミはうどんについてまぶし粉に寄ってきて当然まぶし粉を突くのですから、うどんにまぶし粉が附着している間は突き続けてしまいます。
 困ったことにこの時期のヘラブナはまぶし粉程度でも簡単に上ずってしまいます。そこで水面近くてまぶし粉が剥がれないようにと、ノリやドロを付けてコロコロで押さえて簡単に剥がれないようにするのですが、それが結果として何時までもジャミに突かれてしまうことになります。


 取り敢えずジャミ当たりが出だすまで集魚効果を狙って打ち返しを続けます。ヘラブナの寄りと共にジャミによる必要な当たりが出だしてしまいます。そうなったら今度はノリを使わずコロコロでも押さえないようにしていち早く剥がれようにしてしまいます。但し水面で簡単に剥がれてしまうとそれこそ釣りになりませんので、如何にして水面で剥がれずに尚且つノリを使わずに済ませられるかです。


 1つの方法はうどんの片面にだけまぶし粉を付けて数分間放置することです。うどんに付いたまぶし粉は時間と共に剥がれなくなってしまいます。ただでさえ時間経過と共に剥がれにくいのにノリやドロまたコロコロで押さえているのですから、金輪際剥がれないようにしていることになってしまいます。それではいつまで経ってもジャミの猛攻は止まりませんので、まぶし粉の量を半減させて抑えなくても剥がれにくい状態にしてしまうのです。
 最低限うどんの周囲全てにまぶし粉が付いているよりはジャミの攻撃は減りますし、押さえていない分剥がれやすくなっているはずです。


 それでもジャミの攻撃が減らない場合は、一時的に何もまぶし粉を付けない状態で釣ることでジャミの猛攻が極端に減ってくれます。それこそ近くにいる別の釣り師の方へ行ってくれますので、再度まぶし粉を付けて釣り出しても初めよりはジャミの数は減っているはずです。
 ジャミ対策だけでなく大助狙いで素うどんで釣る方法もあります。但しまぶし粉の少ない状態を続けてしまうとヘラブナも減ってしまいますので、当たりは遠くなる可能性が高くなってしまいます。どの時点で切り替えるかまたは元に戻すのかはその時々によって変えなければなりません。
 的確な状況判断をして色々な事に対して細かく変更を加える必要が出てくるのですが、正にその時こそ人間は考える葦になった瞬間かも知れません。


 最低限自然界の葦は浮きの葦として役に立っているのですから、ヘラ釣り師も考える葦程度には・・・・
 そんなことをいっている私ですが浮きの葦より優秀かどうかは難しいところです。葦は毎年生え替わっているのですが、毎日毎日こんな嘆きの言葉を羅列しているのですから、人間的成長は止まってしまっているのでしょうねぇ。