両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 程々の寄せ

 魚の習性なのかわかりませんが、食い気の旺盛な状態を作り上げると、それこそ警戒心などかなぐり捨てて、先を争うように餌を食む状態に陥ってしまいます。自然界でも突如として起こる場合もありますが、往々にして人為的給餌行動によって、警戒心を無くさせる事になってしまいます。


 海釣りを経験された方であれば、サビキ釣りでのアジやイワシにサバなど、アミエビに群がる習性のある魚たちは、それこそ先を争って貪り食う状態となります。また磯釣りなどでオキアミを撒き餌にした場合などでも、いわゆるオセン殺しなどの餌取りが真っ黒になる程寄ってしまい、チヌやグレなどの対象魚にまで餌が届かない状態に陥ります。




 不思議と対象魚が貪り食う状態に持っていくのは難しいのですが、チヌなどでは水に浮きやすいサナギの粒を荒く砕いたものを混ぜて撒くと、潮の流れに乗って流れていくのですが、20m程離れた位置で水面までそのサナギを食べに上がってくるチヌがいたりします。磯際ではなく少し離れた位置であれば、警戒心が薄れるのか海面にまで平気で上がって来る現象が起きます。




 ヘラブナ釣りに於いても他の魚以上に警戒心が薄れて、先を争うように貪り食う状態に陥ります。これは自然界の魚よりも、養殖池で飼われていて人による給餌に慣れてしまっているためでしょう。
 養殖池で飼料を与えている映像を見た事も多いと思いますが、水面が真っ黒になるような状態を見ていると、ヘラブナも例外ではないだろうと容易に想像が付くと思いますが、それだからこそ上ずり現象が起きやすいのではないでしょうか。
 現実的に釣り堀では、毎日のように餌を上から撒いています。多くはペレットをそのまま手巻きしているようですから、釣り堀のヘラブナは養殖状態そのものといえるでしょう。
 その為に昔から如何に上ずらせないかに苦心されてきたと思うのですが、昔のように放流量そのものが少なく、上ずらせてしまうと底近くにはヘラブナがいなくなり、底釣りでは釣りにならなかったのではないでしょうか。


 最近の釣り堀では、定期的な放流が繰り返されていますので、昔に比べて圧倒的に放流量が多いため、少々の上ずり現象などは意に介せずに、打ち込みを続けると上から下まで、びっしりとヘラブナが寄ってしまうと思うのです。
 水温がヘラブナの適水温になってきているために、昨今では余計に寄りやすい状態に陥っていると思うのですが、いくら寄せた者の勝ちといっても、寄せすぎてしまうととても釣りづらく、糸ズレが頻繁に起きてしまい、結果として釣果を伸ばしにくい状態を作ってしまいます。


 何事も程々という言葉があります。寄りすぎによって手に負えない状態を作り上げてしまいますが、寄りすぎたときの対策は何をすれば良いのでしょう。 


 先ず始めにすべきことは、床休めが有効ではないかと思うのです。先を争って食っていた餌が途切れる事で、ヘラブナを落ち着かせる事が出来ると思うのですが、実は多くのヘラブナは、視認による餌を見分けて食っていないととう事です。
 臭い物質を感知して口をパクパクとせわしなく動かしているに過ぎないと思っています。その為に食べるための餌がその場に無くなったとしても、臭いが漂っている限りなかなか散ろうとはしません。ですが様子を見ているとわかるのですが、徐々に落ち着きを取り戻して来ます。


 そこで次にすべきことは、同じように釣りを続けるのではなく、団子餌なら集魚材の少ない昔ながらのマッシュ系の団子にすると良いです。またうどんのまぶし粉であれば、ペレット系からおもゆに変えると、目先が変わって落ち着いてくれます。


 寄りすぎてしまってからの対策として実は案外難しいのですが、初めから寄りを押さえてしまう方法をとった方が良い結果になると思っています。
 集魚材を多量に含んでいる餌ではなく、水中に漂う物質は必要と思っているのですが、集魚効果が出来るだけ少なめの餌を使う事で、程々に寄せる方が結果として多く釣り続ける事が出来るように思います。


 勿論カッツケのように釣り方は別の話です。養殖池の状態を作り上げているのですから、釣れて当たり前というか、餌を与えると集まってくる池の鯉状態で釣り上げる釣法すからね。
 個人的にカッツケ釣りは全く否定しているというか、池の鯉状態で釣れて何が楽しいのだろう思ってしまいます。庭にいる鯉に餌を与えるように見せて、その餌には針が付いているのですからね。そういう意味でも、浮き下1m規定を設けている釣り池が多いと思います。
 いつものように話が横道に逸れてしまいましたが、いずれにしても生きものであるヘラブナを相手にして、駆け引きの中で釣り上げる1枚の重みを、私的には大事にしたいと思っているのです。


 水温が低水温時期から高水温時期に入るまでの、まさに適水温の今は、少し抑え気味の寄せを心がけて、1日中当たりが続く状態を作り上げる事が、1日を楽しく過ごせる方法だと思っていますし、結果として多くのヘラブナを釣り上げる事が出来ると思うのです。
 隣の釣り人が、スタートダッシュを決めて釣果を伸ばしていると、どうしても焦ってしまい、寄せを多く打ってしまう事もあると思うのですが、焦らずにマイペースを守る事で、釣り終える頃には追い着き追い越していると思うのです。


 寄せたいけど寄せすぎない、このジレンマのような難題に取り組むのもまた、楽しいと思うのですが如何でしょうか。