寄る年波で終活を進めていますが、まだまだ終わりそうにはありません。しかし手放した竿でも、今となっては手元に置いておくべきだったかと思う竿があります。
その一番はシマノの本式です。8尺から17尺まで揃えていたのですが、軽量系を手元に残す事にしましたので、全てを手放したのですが、あのしなやかな曲がりから来る釣り味は、それはそれは良い感じだったのです。
同時期に使っていた兆は、同じように胴から曲がるさおでしたから、釣り味は良かったのですが、本体重量は本式の17尺が93gに対して兆の17尺は98gと、両者の違いは殆どないのですが、本式に比べると兆は先が重く、操作感としては腕力が必要だったと記憶しています。
実は兆を先に手に入れて、これは良い調子だと16尺と17尺を使っていたのですが、そこに追いかけて本式の17尺を手に入れると、操作性がとても楽に感じて、一気に8尺まで揃えてしまったのです。
この両竿とも胴調子またはシナリ調子と表現されるような、しなやかな曲がりが魅力的で、釣り味かとても良かったのです。
が!!この両竿を全て手放したので、HERA FやSを主に使い出していました。前者に比べるととても操作性が楽なんです。人は楽を覚えると元には戻れませんね(笑)。
でその後月影を手に入れて使い出すと、これがまたまた調子が良いんです。先調子との触れ込みですが、実際は綺麗に胴から曲がる本調子、但し長尺はそれなりに負担感が強いので、13尺以下で揃えたのですが、これは良い調子だとここで発表する寸前に、シマノのカタログから消えてしまったのです。
今でも月影の調子欄が空いたままになっている調子体系表です。皆空と嵐月の間に月影があったのです。その後翼も消えましたので余計に隙間が空いています。
こちらが月影が載っている以前の体系表です。
先調子と感じるか胴調子と感じるかは、実はヘラブナのサイズだけでなく、釣り人のヘラブナを寄せ方にもよるのです。ヘラブナの引き味をじっくりと味わうような、釣り上げるまで焦らないタイプには、ある程度の先調子感があるのですが、急いで寄せようとするタイプには、胴からしっかり曲がる本調子に感じます。
これは当然ヘラブナのサイズにもよりますが、小型ほどさっさと寄せられて、大型ほど粘られるのですから、その都度竿の性能差を感じるはずです。言い換えればその都度楽しませてくれる竿だと感じています。
残念なのが月影はカタログ落ちしてしまったので、在庫を抱えている釣具店でしか手に入らないことです。探させ案外残っていますので、多分価格も下がっていると思います。手に入れる最後のチャンスではないかと思うのです。
実はモデルチェンジがされるかもと思っていたのですが、今のところ後継機が用意されていませんので、待っても仕方ないかと・・・
ただ月影の面白さを楽しんでいたのですが、胴調子で有りながら硬調のHERA Xに変更すると、いとも簡単にヘラブナを寄せることが出来るのです。そのため手返しは一気に早くなったのですが、釣り味を楽しむ時間は減ってしまいました。
柔らかめの胴調子で釣り味を楽しむのか、それとも硬式の胴調子で素早く取り込むべきか、ヘラブナ釣りに求めるものが何かによるのかも知れません。
まっ・・・その都度使い分けて、楽しみを倍増させるのも方法で、その昔は同尺数で調子違いを釣り場に持ち込み、数時間おきに竿を交換していた事があります。元々竹竿で楽しんでいたのもあるのですが、カーボンでもアイテムによる差がハッキリと解るのが面白かったのです。
流石に今では底まではしなくなりましたが、池によるヘラブナサイズの違いで、使用する竿を変えるのもよく、小型主体の池では本調子より胴調子、または軟調子で釣り上げると面白く、大型主体の池で軟調子は翻弄されすぎて面白さが半減してしまいます。
なんでもTPOってことでしょうか。