ヘラ竿の選び方 迷い3ー3
ヘラ竿には色々な調子があります。最近の傾向としては先調子が多いように思いますが、対象とするヘラブナのサイズが竿選びに大きく影響すると思うのです。また釣行する池の深さによっても違ってくると思うのですが如何でしょう。
新しい竿が売り出されますと、やはり興味を持って見てしまうのですが、そこに書かれている竿の特徴を食い入るように読んでみたとしても、また有名釣り師のインプレッションを聞いたとしても、メーカーの意図する答え以外のことは聞くことが出来ません。
新しい竿は、如何に優秀かを書き連ねているのは、当然売らんが為の何ものでもなく、新製品を出し続けなければ売れ行きが鈍化するのも間違いなく、釣り人の興味をそそるようなキャッチコピーを書き連ねる事になっています。
「穂先に技あり、これこそ新時代の硬式先調子。」
へら竿に初めて搭載された「スパイラルXコア」がネジレとつぶれ、そしてブレを抑え込むことで、振り込み、アワセ、やり取りの各動作においてより精度の高い、力強い釣りを可能にしています。
新開発の細径チューブラー穂先を採用することにより、今までにないシャープな水切りの感覚を実現しています。合わせた時の爽快感は、製品テストのときからすべての名手達に驚きをもたらせたレベルです。
このキャッチフレーズと説明はシマノの朱紋峰 嵐月のものです
「人と釣技を競う“へら鮒釣りの魅力”に着目して開発された競技系軽量硬式ロッド。」
このキャッチコピーはダイワのヘラSです。続けてこのように書かれています。
実釣性能を最優先に考えた調子・機能設定
短時間のトーナメントに留まらず、一日の例会にも対応する7~21尺のフルラインナップ
素早い取り込みを実現するパワー
操作性を重視した軽量設計
ね。何となく使いたくなってきたでしょ(笑)
私は別に競技に出たりしませんし、出来れば1日心静かに釣りを楽しみたいのですが、そこは釣り師としてより多くのヘラを釣り上げたいのは間違いなく、この竿を使うといかにもトーナメンターの境地に立つことが出来るような、変な錯覚が起きる・・ことはありませんが(笑)。やはり使ってみたくなってしまうのです。
ってことでとうとう15尺の竿を買ってしまいました。(爆)
あれほど我慢していたにもかかわらず買ってしまう心の弱さは如何ともしがたいですが、キャッチコピーにまんまと乗せられる愚かな釣り人の一人となってしまいました。
取り敢えず次の釣行時に試してみようと思いますが、はたして自分の釣行範囲の中でこの竿が適しているのかどうかは全くの未知数の状態です。
取り敢えず繋いだ感想は、ピンピンの竿との印象を持ってしまいました。軽量化競争が激しい頃、堅いカーボンシートが使われ巻き数を減らし軽量化が図られた結果、簡単にボキっと折れる竿が誕生していました。
ご多分に漏れず私も18尺の手元を合わせだけで折ってしまったことがありますが(T.T)、それと似た調子と感じています。はたして合わせに耐えうるのか心配ですが、往々にしてダイワの竿は折れにくいと思っています。そこのところはメーカーとして長年の経験と言うべきノウハウとは思っていますが、結果はまたご報告するとしまて、このように竿選びは至難の業で、メーカーのうたい文句だけでは全くわかりません。
誰かが使った感想も良いのですが、やはり自分が使ってみて自分の釣り方に合っているのかどうか。いつも行く池に合っているのかで判断が変わると思っていますが、一応の目安として私的な判断材料があります。
基本長竿が釣り味が良いので好きなので、18尺程度の長竿を基準として釣りを展開しています。8尺程度の短竿では、私の知る限りメーカー別や調子もそんなに違いを見いだせていません。
短竿では、竿の重さも全く無視出来ますし、今では短竿で軟調子の竿は売られていないでしょうから、全く高価な竿を選ぶ必要を感じていません。それこそトーナメンターにでも挑むのであれば、取り込みの時間差などで違いがあるのかも知れませんが、日曜釣り師としては無視出来る範囲でしょう。それより釣り味を求めるためにも長竿を使いたいのです。
長竿で釣り味を求めるためには、釣り師に対する負担が少ない事が絶対条件と思っています。
大助に負けない豪竿だとしても、竿は耐えても私の右腕が耐えられません。ヘラの引きを往なしてくれるような、釣り人に優しい竿でなければ1日を楽しむことも出来ないです。
あるとき右腕が悲鳴を上げてしまい、1年近く右腕で合わせが出来ない事が続きました。上腕骨外側上顆炎を発症してしまいました。俗に言うテニス肘です。
マグカップすら持ち上げるのに痛みを感じるほどの症状が出ていましたので、その年は、左で合わせて右で取り込む、苦しい釣りを続けたものです(それでも釣りを辞めない私は病気か!)
この原因の1つが、40㎝以上の大助対策を取り過ぎて大助に負けないカーボン竿を使い、その負担が全て右腕に集まってしまった結果です。
それまでは竹竿を多く使っていました。ですが竹竿では精々16尺程度までで17や18尺になると重すぎて、それこそ1日振り続けることが出来なくなっていました。竹竿は、カーボンより遙かに重いのですが、自然な曲がりと胴の柔軟さでヘラブナを往なしてくれますので、大助を釣り上げたとしても腕を痛めることはなかったのです。
ところが腰の強いカーボン竿を使い出してから徐々に傷めていたのでしょう、鮎釣りに行って9mの竿を使って鮎をポーンと取り込むために腕を差し上げた瞬間痛みが走ったのです。
それから組み合わせる竿を見直して、腕に優しい軽くて柔軟性のある竿を求めるようになったのです。同時に大助にも負けない竿、つまり柔軟性だけでは取り込みに一苦労するので、変に柔軟性がありながら遊ばれない竿、一見矛盾している性能の竿の選択をしました。
その結果見つけたのが、今でも一番のお気に入りは閃光Xの17尺や18尺です。
反対に胴がしっかりしている先調子の竿の代表はシマノの神威と感じています。
竹竿などでは、胴を曲げることで針ばかりを刺せることが出来ますので、重さが負担とならないのですが、18尺の神威で合わせた瞬間は、精々3番までが曲がって止まり、胴は棒状のまま静止します。その為小さな合わせでも針掛かりするのですが、反対に胴が曲がらないために竿全体を上げて合わせる必要があり、もろに腕に負担が掛かってしまいます。
その時の合わせショックは、ダイレクトに右腕に来ます。
いったん掛かれば胴まで綺麗な弧を描き、胴の張りが強いために沖でヘラが浮き上がり楽に取り込める利点がありますが、右腕の腕力を必要としますので、腕に自信のある方にお薦めしますが、非力の人は手を出さない方が良いと思います。
ただこの豪竿の一種である神威ですら、13尺程度だと全く負担もなく場合によっては腰が弱く寄りが遅いと感じてしまう程の違いを感じます。
私のような非力では、神威の18尺はとても疲れて1日振り続けることは無理でしたので、今では竿ケースから出してしまいました。
ただこの原因は竿だけに有るのでは無いのです。
それは池の深さが原因でもあるのです。
18尺で底釣りをしていたのですが、2m程度の水深しかなく、相当沖の約9m先の淺棚を釣っていることになりますので、合わせた瞬間の竿の角度が低く胴の張りや曲がりを活かすことが出来ません。
その為に力を入れてヘラの引きに耐え、胴の曲がりを利用するまで竿を立てるのに力を有してしまうのです。
釣れたヘラのサイズが大助サイズだとすると、これもまた至難の業で両手で支えられるまで竿が立っていれば良いですが、合わせた瞬間沖に走られると簡単に竿が伸されてしまい、取り込むことが出来なくなってしまいます。
こんな時は、胴の柔らかい閃光Xを使っていると、合わせた瞬間から胴が曲がり、竿全体としてヘラの動きを受け止められますので、伸されることは極端に減ってきます。
もし、その釣り場が5mの水深だったらどうでしょう。閃光Xなら竿先が水中に突っ込んでしまい、竿の良さを活かすことが出来ませんが。神威だとすると、胴の張りで受け止めることが出来るので釣りやすいのは間違いないのです。
このように釣行する池の特徴によって竿を使い分けると、また面白いヘラ釣りが出来ると思うのです。
池の深さやポイント迄の距離、対象とするヘラブナのサイズ、それらを考慮して竿を選ぶと失敗しないと思うのですが、残念ながらメーカーのキャッチコピーでは、そこまでのことはわからないのです。
個人的な感想ですか、経済的理由が許すのであれば、オールマイティーは避けるべきと思っています。どんなことでもそうですが、何でも利用出来るは何も利用出来ないのと同じで、オールマイティーの竿は、帯に短しタスキに長しとどちらにも不満を感じてしまうと思うんです。
短竿から長竿まで揃える人も多くおられるでしょう。ですが同じ銘柄の竿でも尺数が違うと全く別物のように感じることはないでしょうか。
14尺以下の竿では、竿の重量は全く問題になりません。重量より竿の操作性を重視していますので、私的にはヘラXが主流に使っています。
ヘラXは沖でヘラを浮かせることが出来て、横走りも防げますので混在している釣り場では使いやすいのです。
反対に空いている釣り場なら間違いなく竹竿を出してヘラ1枚の引きを楽しんでいます。
競技用のような高価な竿は使うと何がどのように違うのでしょうね。私には買えませんで使ったことはありませんが、早く釣り上げるよりヘラの引きを楽しんだ方がいいように思うんです。
競技では枚数勝負ですから、1秒でも早く釣り上げられるのが良いのでしょうが、日曜釣り師としては楽しい1日を過ごしたいですから、釣り味を大事にしたいと思うのです。
出来れば長竿でも竹を繋ぎたいのですが、反日も持たないのが実際であの重さは大変です。それでも1日使い続ける人もいるのですから、竹竿の魅力はなかなかのものですね。
そうそう、ある有名なインストラクターは、カーボン竿の塗装を竹竿の模様に近づけている事を褒めていましたが、私的にはカーボンと竹竿とは全く別物と思っていますので、カーボンはカーボンらしくても良いのではないかと思っています。
FXの金色は流石に未だに慣れなくて抵抗感がありますが、ヘラFや閃光のブルー、ヘラSや皆空のシルバーも良いのではないか、閃光ではチタンコーティングもあったほどですからね。今でも鮎竿の最高峰にはチタンコーティングが使われています。1本40万!!買えませんよねぇ。でも鮎釣り場では憧れの竿です。
鮎竿も元々は竹竿でしたが、竹竿に似せた塗装なんて見たことないです。
余程気に入った竿でない限り同じ銘柄で揃えるより、釣り場と釣り方に合った竿を揃える方が良いと思うのです。
竿ケースから釣行先に合わせて竿を入れ替えるのも楽しいものです。私的には4ッの竿ケースを用意して、14尺以下と15尺以上、竹竿、合成竿に分けています。その竿ケースの中身を釣り場の深さなどでも変えています。
部屋に竿を広げてどの竿をケースに入れ込むか、どの竿ケースを車に積み込むのか、その段階から釣りが始まっています。
まさに遠足前夜の子供のようですね(笑)
ああ!そしてまた今日も新しい竿が1本また1本と増えていくのであります。
バカですねぇ。。。
そうそう、竿がどんなに変わっても釣果には影響しないのです。ハイ(笑)
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