両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 ヘラブナ釣り 団子餌で釣れる釣れないの分岐点

 これから展開するお話は、団子餌で釣りをされている方にとっては至極当たり前のお話だということを、まずはじめにお断りしておく必要があります。というのも私は基本両うどんの底釣りですから、団子餌そのものの経験がとても少なくて、試行錯誤を繰り返し手探り状態の暗中模索であるのは間違いなく、団子餌釣り師にとっては初歩の初歩で当たり前の話になると思うのです。ただその団子餌の釣り方について全く知らなかったものにとっては、こんなところに答えがあったのかというような目から鱗とまではいいませんが、団子餌の種類が問題ではなくまた集魚材が重要でもなく、またグルテン餌だとしても同じ理屈が成り立つと思ったのです。


 なんか前説が長くなってしまいましたがそんなたいそうな話でもないのです。根本的に団子餌の場合は数種類の餌をブレンドして使うことが多いと思うのですが、スタート段階でどの程度その団子餌の性質を知って使っているかが重要になります。過去に釣具店に行って餌の名前につられて何となく釣れそうだと買ってみることはないでしょうか。その餌を使ってみてこれは釣れないと低評価にしてしまっている餌もあるのではないかと思います。


 一つ見直してみていただきたいのですが、名前がそのまま餌の性質を表している場合もありますが、名前だけにとらわれないで水加減は正確に計ったとしても、最後の最後実際に使ってみてどの程度の手直しをしているかがとても重要なポイントとなると思います。


 つまりメーカーの水加減が正解ではなくあくまでも釣りはじめの餌であって自分の釣り方に合っているかどうか、自分の釣り方に合わせた餌を作り上げているかどうかは別であるということになります。


 私の場合は底釣り専門です。その為に水面近くでバラケる餌は使い物になりません。餌袋の主成分になんて書いてあるか。また餌の性質をどのように表示されているかを良く読んで、どんなブレンドをするとどんな餌に仕上がるのかを自分なりの想像力を働かせるのです。


 一つの目安は、餌袋の主成分に増粘剤と書かれている餌があることです。これは簡単に粘ってくれますが、使い方を間違うと全く釣れない餌になってしまいます。また増粘剤と書かれていない餌でもまとまりを良くする餌もあります。


 ここで肝心要としてどんな団子餌を作り上げたいかをどの程度想定できているかです。この点について一つ考えてみたいと思います。


 基本的に底釣りに限定して話を進めますが、仮に3mの水深があったとします。単純に目の前にヘラブナを寄せるためには、水面近くでバラケだす餌を作ると簡単に寄ってくれます。ただし全く底にはいなくなりますのでカッツケ以外では釣りにならないでしょう。水深1m位からバラケだす餌を作った場合中層に集まってしまうでしょう。
 では底釣りの場合はどうすればよいかですが、理想的には2mを超えた辺りからバラケてくれる餌が理想だと思っています。早くバラケると上ずりが酷くなるのですが反対に着底してからバラケると、なかなか寄ってこないか全く寄ってこないなんてことになってしまいます。2mを超える辺りからバラケ出してそのままバラケながらも塊を維持し、その餌を追って底にまで関心をもって着いてくるように仕上がる餌をイメージします。


 ヘラブナ釣りはいかに寄せるかが重要ポイントであるはずですから、上ずりを押さえたいとバラケず締めた餌を作ってしまうと、なかなか当たりが出ない待ちの釣りを展開してしまうことになります。


 そこでどんな餌の組み合わせでも良いのですが、理想的な水深からバラケだしてある一定時間の後には全てバラケしてまう餌作りが重要だと思うのです。
 底に着底してから長くて1分程度で浮きのなじみから浮き上がっていく餌作り。この時間的タイミングをいかに作り上げるかですが、底釣り師は底釣り用だからと堅く締めてしまいなかなか浮きが戻らない餌を作ってしまいます。そうすると当たりが出ない釣れないと嘆くことになってしまいますので、少し開きをよくして浮きの戻りを早めていきます。


 これは言うは容易いのですが実際はとても難しく、増粘剤を多く入れすぎてしまうと簡単に餌の調整ができなくなってしまいます。反対に増粘剤を入れていないにもかかわらず開きの遅い餌は、堅く作りすぎていることになりますので、手水を加えたりバラケ餌を増やして作り直す必要が出てきます。


 開きを良くしたいとの思いが強すぎてバラケ性の高い餌を買ってしまった場合は、まさに底釣りが成立しなくなってしまいますが、反対に堅い餌作りをしてしまうことになって余計に釣れない餌になってしまいます。


 何でもほどほどと言いますが、どの程度の時間で開く餌を作るような時間調整できると、案外早当たりを出すことが出来て釣果も伸びると思うのです。この調整が出来ていないと当たりが遠かったり、途中で餌がもまれて持たないまたはカラツンに悩まされてしまいます。


 どうしても餌の調整が上手くいかない場合は、団子餌の丸め方や針への付け方を調整することである程度は何とかなります。堅い餌の場合は角張らせて針付けして団子を指で軽く押します。それで早く崩れるようにバラレますので当たりが出やすくなったりします。
 反対にバラケやすい餌の場合は、手水を付けて団子の表面を滑らかにすることでバラケが押さえられます。それでもまだ足りない場合は、団子そのもののサイズを大きくして底まで待たせるようにすることです。ただバラケが早いと糸ズレが出やすく宙で食われることも出てきますので、少し水を多く含ませたり餌桶の中で1度おにぎり状に団子を作って、そこから少しずつ千切るようにすると上手くいきます。


 単純に団子餌は下から針を刺すと思うのですが、上から埋め込むとまた違った状態に出来ます。


 餌作りは一般的に空気を含ませるように混ぜるように作るように指導されますが、底釣りで空気を混ぜるのはどうも良くないように感じています。厳寒期のとても釣りにくい時期では浮くほどの軽い餌を作りますが、それ以外は一定リズムで打ち返すことが出来るような、バラケる時間調整が出来ると、その日の釣果は約束されたも同然!と思うのですがいかがでしょう。


 いずれにしても最終的な餌の状態が、ヘラブナが食ってくれる状態でなければならないということです。サイズもしかり塊方もしかり開き方バラケ方、その全ての状態が整うことでヘラブナは安心して食ってくる。つまり食いたい願望が抑えられない状態になっているかどうかです。


 反対の言い方をすると当たりや触りも出ないのであれば、食いたい状態になってないと餌の状態を疑うことから初める事でしょう。それは前回食ってくれた状態であるかどうかではなくて、水温や天候など日々変化しているのですから、今日の日に合った餌作りが出来てないと判断して、餌の状態をいろいろと変えていくことで当たりが出るところまで持って行く。またどうしても時間経過で変化してしまう餌を、いつまでも食ってくれる状態を維持できるかどうか。さっきまで良く釣れていたのにピタッと止まりだしたと感じた場合は、さっきまでの餌の状態が維持できてないのが一つ、もう一つはさっきまでの池の状態から変化したことも考えなければならないでしょう。それは日が差してきたから雨が降り出したから曇りだしたから風が吹きだしたからと、いろいろな変化が起きているはずですが、それを敏感に察知するヘラブナと無頓着な人間の差が釣果となって現れる。そんな気がするのですがいかがでしょうか。


 釣れないと思ったら勇気を持って餌を作り直すのも方法ですから、初めから大量に作らないことも、案外良い釣りを続けるコツかもしれないですね。