ヘラブナ釣り 浮きの復元力とカラツン
ヘラブナ釣りでカラツンは付きものですが、カラツンはどうして起きるのでしょう。基本的には食ってないと考えるべきでしょうが、食っていても即吐き出す場合にはカラツンとなってしまいます。
ということは糸ズレなど食ってない場合は別として、即時吐き出さない状態に持ち込む事が出来れば、カラツンは減らす事が出来ると考えられます。
底釣りでは特にカラツンが増える傾向があると思うのですが、ヘラブナが餌を食う様子を見ていると、思った以上に瞬時に吐き出しているのです。但し何の抵抗感もない場合は、もぐもぐとゆっくり噛み締めるように食っています。
ここで何が即吐き出す切欠になっているのかどうかです。当然の答えとしては餌を餌と認識できているかどうかです。餌と認識できないものは瞬時に吐き出してしまいます。
例えば飼料のペレットを食わせると解るのですが、決して吐き出したりはしません。それこそ砕いてないペレットですから、硬くて口に当たる感覚としては異様なはずです。ところが口に入れた段階で即時に餌と認識して、食い続けるようになります。
そこで1つの疑問が湧いてきます。昔から硬い餌ほどカラツンになるとの考え方です。
ペレットほど硬い餌はないのですから、硬ければ吐き出すとの考え方は違っているのではないでしょうか。
ただもう一つの実験があるのですが、団子餌の場合には、硬い餌は何度か吐き出して食うのですが、食べやすいサイズになると吐き出さないのです。また餌を吸い込むと即バラケるような団子餌では、そのまま食べ続ける事実です。この現象を見ていると硬い餌ほどカラツンになるのも頷けます。
また草などのゴミを食う事がありますが、それこそ1秒に充たない短時間に吐き出していますので、見た目は関係なく口の中で餌かどうかを確認しているようです。
このように一連の食う状態を見ていますと、ヘラブナの口の中には優秀な味覚と触覚センサーが組み込まれていると考えられます。そのセンサーが餌と認識すると、吐き出す事はないと結論付けられます。
その様子から団子餌では、バラケて餌が小さくなったときに出る当たりを合わせるとカラツンにならないのです。これは昔からいわれているように、浮きが戻りだしてからの当たりを取る。まさにその状態がカラツンを防げる方法となるのです。
またもう一つが餌に掛かる抵抗感です。餌が自然落下している状態は、餌に抵抗が掛かってないので、食い当たりが出やすいのですが、縦誘いをすると即当たりが出やすいのもその理屈ですが、餌を吸い込んだ時に抵抗を感じると、即吐き出してしまいます。
そのためこれも昔からいわれている事ですが、底釣りの場合はズラし巾を多くするとカラツンが減る。この理屈も抵抗感をなくす方法ではないでしょう。
またこれは浮きの浮力にも影響していて、餌を吸い込むことで浮きが沈み食ったことを知らせてくれるのですが、その浮きに抵抗感が強くあれば、餌を吸い込むときに強い抵抗を感じますので、カラツンになってしまうのです。
反対に強い抵抗があるためカラツンだけでなく、弱い吸い込みの場合は、その動きを消してしまい、浮力のある浮きを使えば使うほど、強い食い当たり以外では釣れないといっても良いほどです。
浮力が弱い浮きの場合は、その抵抗感が極端に減りますので、とても小さな吸い込みでも、そのまま浮きに動きを伝えますので、小さな食い当たりを返してきます。またカラツンも一気に減りますので、釣果=浮力と相関関係にあるといえます。
つまり浮力が高い浮きとカラツンは負の相関関係があり、浮力の弱い浮きとカラツンは正の相関関係があると結論づけられます。
但しカラツンばかりを重視することは出来ません。その最大の原因がジャミの攻撃です。浮力が弱い浮きではジャミ当たりが出すぎてしまって、当たりの判断がとてもしにくいのですが、浮力が高ければジャミ当たりをある程度消してくれますので、ヘラブナの食い当たりが判別しやすいのです。
そこで1つの解決策です。浮力の高い浮きの場合は、餌落ちメモリの位置をトップ近くに設定することで、浮力を減らす効果があります。但しオモリの量が増えるので、仕掛けの抵抗感は増すことになります。
反対に浮力の弱い浮きでは、トップの付け根近くを餌落ちメモリに設定すると、浮力がある浮きとする事が出来ます。
この方法はあくまでその浮きの元々持っている浮力の範囲でしか調整できませんので、季節によって使い分けるのが正解と考えています。この時期は間違いなく浮力の弱い浮きを選ぶべきで、グルテン餌の場合は特に浮力の弱い浮きを使うことで、新ベラの微妙な当たりも判別しやすくなります。
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