雑談 言葉使い 公用文作成の考え
歳と共に言葉遣いを見直すことは殆どなくなってしまいました。しかし知らないことは多数あり、「下さい」と「ください」の使い方に違いがある事を初めて知ったのです。
これはひとつの驚きで、使い方に違いがあるなんて思いもしなかったのです!!
例えば:「ご注意ください」と「ご注意下さい」はどちらが正解でしょう。
私的には全く使い分けることはしていなかったので、この場合はどちらも正解だと思っていたのです。しかしこの場合の使い方としては、どちらかが正解でどちらかが間違いだったのです。
実はこの使い分けについては、文化庁が作成した公用文作成の考え方に基づくものです。詳しくは下記に書かれていますので、時間つぶしに読まれるのもありかと思いますが、とても多岐にわたって細かく規定されていますので、読むだけで嫌になってしまいます(笑)。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/93651301_01.pdf
元に戻りまして、「ください」は補助動詞といいますが、くださいはお願いの意味として使います。お水が欲しい場合の使い方としては、「お水をください」と使うのですが、「お水を取って来て下さい」の場合は「下さい」を使います。
動詞に直接着ける使い方であり、相手に対して敬意を表す使い方が「ください」ですが、下さいは命令形で水を取ることを要求しているので、「ください」ではなくて「下さい」を使います。
ということは、見積書などでご査収くださいと使いますが、この場合もご査収下さいは使わないのです。
同じようにご飯をくださいは丁寧にお願いをしているのですが、ご飯を下さいと書くとご飯を持ってこいとの意味になるのです。まぁ持ってこいほどの強い命令形ではないのですが、その意味合いが含まれているということになります。
このくださいなどは書き文字ですから、言葉にすると全く同じ意味として使えますので、発言する人の立場でお願いか命令かが決まることになります。
上司や目上の方から「みずをください」といった場合は、「水を下さい」であり、部下や目下の場合は「水をくださいと」の丁寧語になります。ただ現実的に部下が上司に水をくださいなんていいませんけどね(笑)。
実は数字の書き方にも決まりがあります。私の場合はそれを無視して書いているのです。例えば「ひとり」は「一人」と書くのが正解で、1人とは書かないのが文化庁の公用文作成の考え方になるのです。
ただ横書きの場合は算用数字を使う規定もあります。その場合は正確に数値の場合であり、概数の場合は漢数字で数十人のような使い方です。
面白いのが何カ所との表現です。算用数字で3と書いた場合は「ヵ所」となり、三と書いた場合は「箇所」と表現するように決められています。
また外来語については基本は使わないのです。殆ど日本語化されている外来語は、リサイクルやボランティアのようには書くのですが、仕事関係手で使っているサプライヤーは、仕入れ先や供給業者と表現するように求められています。
文化人というか知識人と称される人たちは、ついつい知っている外来語を使いたくなるのか、どこかの知事のように敢えて使っているのではと思うこともしばしばですが、正確に伝わることを前提とした考え方ですから、変に知識をちらつかせるのは考えものでしょうね。
特に学者といわれる人たちは、難しいことを難しく表現して、それがあたかも私は知識人だとでもいいたそうですが、難しい話しを如何にわかりやすく伝えることのほうが難しいかをわかってないのでしょうね。
あの夏目漱石は、書いた文章をお手伝いさんに読み聞かせ、理解出来なければ書き直したとの逸話が残されていますが、如何にかみ砕いて理解しやすい表現が出来るか。それが出来る人こそ本当に賢い人なんだと思えます。
読み手に伝わる公用文作成の条件 としては次の用件があります。
(1)正確に書く
(2)分かりやすく書く
(3)気持ちに配慮して書く
私なんかは難しい表現そのものを知りませんから、とても幼稚な文章になってしまっていると思いますが、出来るだけわかりやすくとの思いで、ついつい長文になってしまうんですよねぇ。これでは読み手の気持ちに配慮してないことになり・・・ダメですね。
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