ヘラブナ釣り ガラパゴス化していくのか
釣りはフナに始まりフナに終わると言われていましたが、その格言的な言葉すら既にガラパゴス化しているのではないでしょうか。近くの小川に釣り人はなく、野池も釣り禁止ばかりで子供達の姿はありません。
公園で遊ぶ子供達の歓声すら煩いという現代人、公園でのボール遊びすら奪っていますが、危ないとの理由で池や川に近づく事を禁止する。確かに水の事故は後を絶たず、川遊びをして命を落としているのは、決して子供達ばかりではないのですが、それは水に親しむ機会を奪っているため、深みが危ないとか、流れに対する認識が薄く、川なんて怖くないとと思っているのでしょう。
それが子供の頃から身近に接していると、川の怖さも知ることが出来るのですが、制限するあまり怖さを知らずに育つ人も多数いる事でしょう。池の周辺部の滑りやすい土壌、水の流れに乗って泳ぐ経験など、事前に知るべき情報を遮断していると、もしもの時の対応を知らずに育つことで、命を落とすことになっているようにも感じます
勿論水に近づかない事で事故を未然に防ぐことが出来ているのですが、子供を育てるその親が、既に水との親しみを削がれて育っているので、怖さを知らない親は水の事故を防ぐ事が出来ていません。
川を知っていると、もし深みにはまったとしても、急流に流されたとしても、その流れに乗って流されると良いだけで、流れに逆らうから溺れてしまうのです。溺れた位置に戻ろうとするのではなく、流れに乗って流されながら、徐々に岸に近づけば良いし、川はいつまでも深場が続く事はないのです。
但し海の離岸流は危険です。流れに乗ると沖に流されていくだけですからとても危険なんですが、実は波を見るだけで離岸流が発生しているかどうかが解るのです。砂浜にキス釣りに行っていると、波についても理解できていくのですが、海水浴場に危険な場所はないと思込んでいるところがあり、また離岸流が発生していたとしても、そのポイントを監視員やライフセーバーが危険を伝えることで、事故防止になるのにと思うのです。
いつものように話が脱線していますが、各種ある釣りの中でフナに始まりフナに終わるなんて言葉を、今でも使っているのはヘラブナ釣り師だけではないでしょうか。今の釣りの主流はルアーを使った釣りです。ブラックバスで使われたのはただのきっかけで、海の大物釣り、それこそ鯛ですらエビを使ったのは昔の話で、鯛ラバと称するルアーで釣っています。
アジやイワシはサビキ釣りですが、実はそのサビキ釣りがルアーだということを理解されてない。針に薄いゴム取り付けているだけです。少しサイズの良いアジを狙うときは、魚の皮が巻かれていますが、それもルアー針と言って良いはずですが、もともとカブラ針と称する針のことです。
堤防などから狙うアジにメバルもルアーになっています。場合によっては鯉ですらルアーの対象になっていたりしますが、何れにしてもルアーを使った釣りが主流になっています。
そのためフナに始まりフナで終わるのではなく、ルアーに始まりルアーで終わるが、釣りの世界での格言となっていくのではないでしょうか。
残念ながらヘラブナがルアーで釣れたなんて話は知りませんが、ルアーで釣れない魚は釣りの対象魚ではない事を意味します。
それこそ昔はミミズや赤虫そしてさし虫(ウジ虫)が釣り餌でした。今でも手に入りますが、ミミズを使ってマブナを釣ることはもうないでしょう。ミミズは雨後のアマゴやイワナ釣り、赤虫はモロコ釣り、さし虫は赤く染めてワカサギ釣りに使われています。
小川で小鮒を釣っているなんてことは全く見かけていません。ということはフナを対象とする釣りそのものが数少なくなって、釣り人からも見放されている事になります。そんな状況の中で、ヘラブナ釣りをしようとする人がどれだけいるでしょう。
野池の釣り場が奪われていますので、ヘラブナ釣りは釣り堀が主流になっています。困ったことにその釣り堀に行くと、牢名主のような我が物顔の釣り人がいたりします。古い常連がその池を仕切ってしまって、新人を優しく迎えようとする気遣いが出来ず、自分勝手なルールを押しつけてしまい、新規の釣り人を遠ざけているのも1つの側面です。
新人を阻害する元凶が釣りクラブです。どうでも良いような内容の会話を大声でしていたり、不快な猥談を連発してみたり、その池には他の釣り人がいないような、そんな振る舞いをするクラブの人たちがいたりします。
仲間意識が強すぎるためのものかも知れませんが、釣りクラブこそ他の釣り人の手本となるべき団体と思うのです。どうしても旧知の仲間たちですから話に花を咲かせて、それが他の釣り人には不快感を与え得ていることに気がつかないようです。
それが反対に和気藹々とした雰囲気が作れていると、あのクラブは楽しそうと感じて貰えるのですが、煩いと和気藹々は紙一重ですから、大声を出すことや話の内容は考える必要があります。そこに女性が混じっていたら、それてもそんな話をしますか?と言いたいのですが、残念ながら近くに女性がいても、馬鹿話が終わらないのですから困ってしまいます。
広く開けたヘラブナ釣りと感じてもらうためには、果たして何が必要なのでしょうね。誰でも入門できるようにするには、やはり子供の頃から親しめる、そんな環境作りが必要になるのではないでしょうか。それこそ釣具メーカーや釣り餌メーカーが主体となり、子供釣り教室を無料で行い、釣りクラブなどが協力することで、魚の引き味や浮きが動く事の面白さを感じ、ヘラブナ釣りをしてみよう・・・、と、、、、ダメかなぁ。
確かに一部では開催されているのですが、どうも細々としているというか、一般市民を巻き込んでいるようには思うないんですよねぇ。
このままでは廃れてしまうと思うのです。同じ釣りだとしてもヘラブナ釣りは、間違いなくガラパゴス化をしていると思うのですが如何でしょう。
嘆いていても何も始まりません。既に子供達は大きくなっていることでしょうから、お孫さんを誘ってみるのは如何でしょう。釣り堀も子供達にはとても低価格出提供するとか、叔父うさんと一緒なら一人は無料とか。次の釣り人を育成するのも釣り堀の仕事だと思うのです。
ただ釣り堀に訪問する人そのものが減っていますので、経営的には大変な状態だとは思います。そのため釣り堀だけに負担を負わせるのではなくて、各種メーカーの肝いりで子供釣り教室が開催できると、違ってくるような気がします。
子供釣り場を用意されている池で、子供達が釣り上げている様子を見ると、それはそれはとても良い笑顔をしているのです。でもその子供料金が一般釣り堀料より高額なんですよねぇ。もう少し考えても良いような気もします。
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