ヘラブナ釣り 業界のためにフナの日を設定すべき
このところのヘラブナ釣り業界は、それこそ低迷の一途を辿っています。再度活気づくためには、業界挙げて取り組む必要があると思うのです。今もメーカーでは、ヘラブナ釣り師を集めては数釣り競争をし、その年のチャンピオンを選んでいても、内々の盛り上がりでしかなく、それこそトーナメントに興味を持たない人たちにとっても、誰がチャンピオンになっても感心は低いと思うのです。
メーカーとしては有名人を利用して、売上に繋げたいのでしょうが、誰が使っているから使いたいなんてことがあるのでしょうか。1位になった人の竿はどれ、使用道糸はどれ、ハリスは針は浮きは何・・・。同じ道具を使っているだけで、釣果が良くなるなんて思う人はいないでしょう。
唯一餌くらいは参考になるかも知れませんが、最後の最後はチョットした水加減や押し練りなど、手先の調整が釣果に大きな影響を与えるのですから、同じ餌を使っていたとしても、同じような釣果になるなんて事はないはずで、それこそAIを駆使してその年のチャンピオンの指を再現し、団子餌の練り方や丸め方に手水加減など、指先の感覚を再現できるものであればまだしも・・・。まぁ無理でしょうが・・・。
実際のところ釣りに関心を持っている人ならまだしも、一般の人たちにとっては、トーナメントが開催されていることすら、認知されていないのが現状ではないでしょうか。そんな行事にチカラを入れたとしても、ヘラブナ業界のすそ野が広がるとは到底思えません。そこで何をするかです。
滋賀県にある清風池では、毎月27日をフナの日として、40㎝以上の大助サイズのヘラブナが釣れると、1日無料券がいただけるイベントを開催されています。釣り上げた枚数は関係なく、1日に1枚でも大助が釣れれば無料券がいただけるのです。
なにも1日無料券が欲しいという意味ではなくて、親子連れでも参加出来るようなイベントの企画をすることで、その業界が盛り上がるのではないかという話です。
それこそ土用の丑の日の制定は、平賀源内が考案した事でも有名ですが、元々ウナギのような脂っこい魚を、真夏の暑い日に食べる事はなく、梅干しを土用干しをするような暑い頃ですから、ウナギが全く売れずに困っていたのですが、土用の丑の日にウナギを食べるとのキャッチコピーで、真夏にウナギが売れる切っ掛けを作ったのです。
平賀源内は1,700年代の学者でしたが、それから300年経った現在でも土用の丑の日にウナギを食べる風習が残っているのですから、長年支持され続けるキャッチコピーとしては、世界最古ではないでしょうか。まぁ日本人のイベント好きによるところも大きいのですが、イベント好きは今に始まったことではないということです。
今残っているキャッチコピーなど流行している風習は、誰かが考えてスタートしたものです。バレンタインデーのチョコレートを贈る風習も、菓子メーカーが考え出したものですし、海苔巻きを丸かじりする恵方巻きの風習も、海苔屋さんが考え出したものです。
もっと日本人なら違和感なく自然にしている風習が初詣です。元々日本には初詣なんて風習や習慣は全くなかったのです。実は明治期になって私鉄各社が作り出した風習で、私鉄沿線に有名寺社があったので、電車に乗ると日帰りで参拝できる事をアピールしたのが始まりです。
初詣も元々は恵方参りだったので、その年によって恵方が違っていたため、沿線の違う私鉄には、毎年乗って貰うことが出来なかったので、我が沿線にはここんなに有名な寺社がありますとの宣伝をしたのです。
今でも年末になると初詣の吊り広告が見られると思いますが、私鉄を利用して貰うための私鉄各社が用意したコマーシャルで、それに同調した有名神社仏閣が広告を出すようになっているのです。
それを今では極当たり前の念書の行事として、有名寺社には三が日で何十万人何百万人も訪れるのですから、日本人の右へならえ精神は怖いものがあります。
そこで下火になっているヘラブナ釣りですが、メーカー各社と釣り堀そして内水面漁協が協力して、フナの日を制定し、全国的なイベントにすることで、フナ釣りに始まりフナ釣りに終わるの格言通りになるような、誰しもが竿を持つ機会になる切っ掛け作りをするのはどうでしょう。
既存のヘラブナ釣り師は大いに参加出来るイベントであり、他の釣りをしていた人たちもやってみたいと思わせるような、それこそ全国統一である必要はなく、それぞれ独自の企画であって良いとは思うのですが、単独のイベントは周知徹底されるのは至難の業ですが、全国で一斉に行われるイベントに育つことが出来れば、すそ野が広がり低迷から脱却出来るのではないかと思うのですが如何でしょう。
それこそフナの日に各釣り堀が一斉に1日無料券イベントでも良いと思うのですが、餌メーカーからは餌が提供され、釣具メーカーからも竿の無償貸与して貰うのも有りでしょう。道糸やハリス針に浮きと小物もあります。釣具だけでなく帽子や上着なども良いかもしれません。
先ずは関心を持たれることが重要で、そのイベントが切っ掛けとなりお父さんやお爺さんが、子や孫を連れて釣り堀に行くのも良いことです。そうそう小学生以下は無料開放でもいいのではないでしょうか。魚の引きを味わうことでまた行きたいと思ってくれるとしめたものです。
フナの日だけが無料開放で、その他は小学生料金を設定すれば良く、親や爺さんと同伴の場合は無料でも良いと思うのです。その程度であれば負担もそれ程大きくはないのではと思います。
あるタイミングで爆発的な風習に育つ土壌が日本にはあるのですから、それを利用しない手はないでしょう。
ただ・・・魚の目は怖いとか、生臭いとか、負の情報も多数あるところが問題ですが、最低限海釣りのような、気持ち悪いゴカイを触る必要もないのですから、女性子供にも扱える餌・・・・と思うのですがダメですかねぇ。
実は日本には公益財団法人日本農林漁業振興会という組織があるのです。設立趣旨は、 農林水産祭の実施等により、全国民の農林水産業に対する認識を深め、農林水産業者の技術及び経営の振興を図り、これによって農林水産業の生産性の向上及び農林水産業者の所得の増大を通して国民経済の発展に寄与することを目的として昭和37年に設立されました。
とされています。
昭和37年ですから設立されて既に60年ほど経っていますが、一般国民にどの程度周知されているか甚だ疑問です。それこ国庫の補助金や各都道府県そして企業団体からの寄付によってまかなわれているのですが、勝手な言い方をすると農林水産祭をしているだけですから、ただの無駄使いと思えてしまいます。
そういえば独立行政法人 農畜産業振興機構という組織もあります。基本的に輸入価格差を埋めたりするような組織ですから、各種補助金が用意されていて、畜産農家を支える役割をされているのですが、その中に澱粉の価格調整もされています。私たちヘラブナ釣りをしているものにとっては、うどん餌に使う澱粉やグルテンに団子餌も、これの恩恵を受けていることになりますね。
最後に脱線しましたが、ヘラブナ釣りを盛り上げることは、業界挙げて必要な措置だと思っています。高齢化に伴って卒業されていく先輩が多い中で、如何に支えていくかは、やはり若い人が参入する事に尽きるはずです。私が子供の頃は小中学生が近くの川や池で釣りをしていたものです。それが全く見かけなくなってしまったのですから、釣り人口が減る傾向にあるのも間違いない事でしょう。もう一度釣りは楽しいと思っていただける。そんなイベントを考えていただければと思うのですが今更遅いのでしょうか。
その前に川が危険だとは、危険な池に近づかないとか、予防策を講じている父兄も多いので、作を用意するとか階段状にするとか、危険対策は必要なことなります。川に流されて亡くなる人が毎夏になるとニュースに流れます。子供の頃から川に親しんでいると、川の構造から危険度まで理解でき、死亡事故も防げると思うのです。
それこそライフジャケットを着て釣りをするのも良い方法で、天狗池の子供用釣り場では、子供にライフジャケットを着せてから竿を出すようにされています。
何れにしても売れないウナギ、売れにない海苔、売れないチョコレートを売った実績がある日本人ですから、今から始めても遅いことはないと思うのですが・・・・。
身内だけで盛り上がるような企画は、既に時代遅れと思ってしまいます。
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