ヘラブナ釣り 浮きの使い分け
イメージとしての浮きの使い方と、現実的浮力の関係はどの程度違うのか。または違いがないのかどうか。
単純に細い胴にムクトップは、浮力が少なくてオモリ負荷も少なくなりますので、小さな食い当たりでも、大きく表現出来るはずです。
反対に胴に張りがありパイプトップは、浮力が高くてオモリ負荷も大きくなりますので、小さな当たりは消してしまい、しっかりとした吸い込み当たりのみ表現出来るはずです。
まぁこの程度のことはヘラブナ釣り師であれば、感覚的に理解できているはずですが、実際は浮力の少ない浮きは、勿論小さな吸い込み当たりでも大きく表現しますが、小さな吸い込み当たりもそのまま小さく表現しますので、それを的確に合わせる事で釣果が伸びることになります。
この部分もある程度経験をしていくことで、釣果が飛躍的に伸びる要因となっていますが、ここにアルキメデスの原理を応用すると、面白い結果が見えてきます。
アルキメデスの原理は、水面上にある体積に比例するという理論です。そこで考えられるのは、ムクトップほど体積が小さくなりますので、先の浮力の少ない浮き同様、当たりがハッキリ出るはずです。
ではパイプトップではどうなるでしょう。当たり前に考えると浮力が増えますので、小当たりは消してしまことになりますが、体積に比例するのですから、水面上に出ている長さが関係してきます。
つまり水面上に10㎝トップが出ているとすると、ムクトップの方が体積が少なくなりますので、浮力が少ない浮きとなりますが、同じムクトップを20㎝水面上に出したとしても、パイプトップとの径の違いにも比例しますが、仮に倍の径だったとしても体積は半分しかありません。
例
1.5㎜×1.5㎜×100㎜×3.14=706.5㎣
0.75㎜×0.75×100㎜×3.14=353.25㎣
このように実際は釣り人が感じている以上に差があり、この違いによってムクトップが冬期用の浮きとされる要因があります。
反対の言い方をすると、パイプトップでもしっかりと沈めて、水面上に出ている浮きの量を減らすことで、浮力が減りますので、敏感な浮きと言うことも出来るはずです。
ただ実際のところはそうは単純ではなくて、確かに重いオモリを背負わせたパイプトップを、しっかりと水中に沈めたとしても、ヘラブナが食って浮きを動かすためには、水中で掛かる抵抗力も考慮に入れる必要があるはずです。
重いオモリを引き込むのと少ないオモリを引き込むのとでは、重量による抵抗の違いがあるだけで無く、1カ所に多重に巻いた板オモリに掛かる水圧の抵抗もありますので、2カ所に分けてオモリを細く巻いた方が抵抗が減ると考えられます。
ホンの少しの違いが浮きを動かす力の差となり、当たりを消している可能性を考慮すると、視認性を考慮しながらも浮き選びが重要になると思われます。
つらつらと書いてきましたが、ここで1つの考え方として、底釣りの場合に考慮すべき点は、底の状態によって浮きを選ぶ必要があるのではないでしょうか。私も経験しているのですが、底のヘドロが舞い上がってから的確な当たりが出た経験はないでしょうか。ここに浮き選びのポイントがあると思うのです。
食い当たりの浮きの動きは、同時に浮きの引き込みを表しているのですから、浮きのなじみについても考慮する必要があると考えます。浮力の少ない浮きほどなじみが大きく出ますので、底に多くのヘドロが溜まっている場合は、復元力の高いパイプトップの方が、餌がヘドロに沈み難いので適しているのではないかと考えます。
反対に底の状態が良い池ほど、浮力の少ない浮きを使って、小当たりを的確に合わせると、釣果があるのではと思うのですが如何でしょう。
これも同じ池に何度か訪問し、その都度浮きを交換しながら実験を繰り返し、それで得た答えが他の池でも通用するかを確かめると、自分なりの答えが導き出せると思います。
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