両うどんのヘラブナ釣り

ヘラブナ釣りで人生を楽しんでいる日曜釣り師です

常時50枚の釣果と大助を釣り上げるために

 雨の日のヘラブナの動き

 最近雨が良く降りますね。天気の格言で「春に3日の晴れ間なし」といわれるほど、連続的な晴れ間が続かないようですが、冬場の雨が少なかった事を思うと異常と感じるのですが、釣りの格言的な言い回しに「雨は良く釣れる」といわれています。それを裏付けるための色々なことがまことしやかに語られて参りました。


 過去「雨の日の釣行に備えることは」と題してブログを書きました。そこには雨の日の方が良く釣れる事を裏付ける説を書いています。
 それが次の4行分です。
 魚にとって一番の警戒すべき対象は鳥
 釣り堀であれば釣り人に対する警戒を解ける
 薄明かりが警戒心を解く
 低気圧による水圧の低下


 しかし、これは全て人間が作り出した幻想か希望か願望と思います


 逆に次のように書いています。
 確かに警戒心を解くのは間違いありませんが、警戒心が解かれると良く釣れるのかとの因果関係が成立するには無理があります。
 まさに風が吹けば桶屋が儲かるの論理でしかないと思っています。
 釣り堀を限定に話を進めますが、
 もし晴れた日に鳥を警戒しているとすると
 もし釣り人の影を警戒しているとすると
 もし明るいと警戒して食わないのだとすると
 もし高気圧で動きにくくなるのだとすると


 晴れた日の釣り人が大挙して押し寄せる日中には魚が釣れない!
 なんてあことは1度としてないはずです


 現に一頃カワウが釣り堀に飛来して、池に潜ってはヘラブナを次々と食べ出していたことがありました。ではそんな日はヘラブナは警戒して全く釣れないかというと、いやいやいつも以上に釣れていたかも知れないというほど、普通に釣れ続いていたのです。


 雨の日は良く釣れる説は、どうも胡散臭い説と思うことが最近もありました。
 朝曇りがちで今にも雨が降りそうな天気でしたから、低気圧まっただ中のはずです。回りも薄暗く日も差しませんし、低気圧の影響で水圧も下がっているはずです。ですが良い兆候は感じられません。その後雨が降り出すのですが、いっこうに改善する気配はありません。そうこうしている内に雨が止み薄日が差し出します。
 するどどうでしょう、今まで静まりかえっていた浮きが急に動き出すではありませんか。まったく水面近くには見えていなかったヘラブナの魚形が、徐々に見えだしてくるのです。
 まさに日が差すことでヘラブナが活発に動き出した証拠と言えるのではないでしょうか。


 ここで少し考えて見ましょう。低気圧や高気圧による水圧の変化は、いったいどの程度あるのかです。


 1気圧= 1013hpa(ヘクトパスカル)です(便宜上1,000hpaを1気圧とします)


 1気圧は、標高0mの地上と考えて良いのですが、ヘクトとは100倍を意味しパスカルの単位の100倍です。
 100パスカル(1ヘクトパスカル)とは、1㎡の板の上に10㎏のオモリを乗せた重量です。それの1,000倍が1気圧の1,000ヘクトパスカルですから、1㎡の上に10㎏×1,000=1万㎏の空気圧が掛かっていることになります。
 この状態を晴れた日の1気圧となります。
 この1気圧の世界に人間をはじめ地球上の全ての生物が生きているのです。


 水中ではどうなるのか、10mの水深で+1気圧ですから2気圧となり2万㎏の水圧を受けていることになります。


 海の魚なら10mどころか40m・50mまたは100mの水深で生息しています。50mでは6気圧の圧力が掛かっていますので、7万㎏の水圧の世界で生きていることになるのです。
 ヘラブナの泳ぐ層は、5m以内と仮定しますと1.5気圧以内を遊泳しています。この状態で猛烈な台風並みの低気圧が発生したとすると900hpa程度にまで下がります。
 水深10mの水圧はこれによって20000㎏から19,000㎏と1,000㎏も軽減されます。5mの水深では、500㎏も軽減されると大げさにいいたいのですが、その程度の水圧ですら全く無視して良いのです。
 現実的にヘラブナは常時泳層の移動を繰り返していますので、通常の低気圧であれば960hpa程度なので、40hpa程度の減圧変化などは全く無視してよく、ヘラブナはもっと強い水圧変化の中を上下に移動を繰り返しています。晴れた日の1,000hpaであっても、5mの水深を上下するだけで500㎏の水圧の変化が起きていることになります。


 もし水圧が低い方を生活環境として優れていて、その環境を良しとする魚だとすると、水深の深い処には生息しない事になってしまうのです。


 このように、水圧がヘラブナに与える影響は、全く無視して良いのではないかとの結論に達しましたが、果たしてどのように思われますでしょうか。


 勿論、野池などでは雨風の影響は出ると考えます。それは水圧や日差しではなく水の濁りによって、ヘラブナの動きに影響を与えると考えます。


 釣り堀では、反対に雨による悪影響の方が強く出のではないかと感じることが多々あります。
 といいながらも、雨でもいそいそと釣りに出て行く悲しい釣り師の性を、私もしっかりと持ち合わせていますので、結果どんな理屈をこねたところで意味の無い話ですよね(笑)。